てくてく日記・106「今、昇平に必要な支援」
昇平は最近クッキングにはまっている(
彼のブログ参照)
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4/22(月)〜4/28(日)月:フリースクール
火:フリースクール
水:フリースクール
木:フリースクール
金:通院日
土:プール
日:Tくん遊びに来る
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今週も昇平がやや不安定な一週間だった。
ただ、それは環境などが悪くて不安定になっているのではなく、昇平自身が大人に向かっていく中で、新たに知ったことをうまく処理しきれないのが原因のように見える。
例えばそれは環境問題。学校から新年度のレポートが届き、その中に地球温暖化に関する内容を読んだときに、地球が明日にも終焉を迎えそうな気がして怖くなる。さらに、その原因が人間の文明の発達だと知ると、「今の文明社会が悪いんだ! 人間は文明を捨てて昔の生活に戻ったほうがいい!」と考え始める。
ことばを字面通りに理解することは、自閉系の特徴。さらに、オール・オア・ナッシングの傾向が強いから、「ここが問題だ」と聞かされると「では全部悪いんだ!」ということになりやすい。
でも、実際の世界はそんなに白黒つけられるものじゃない。環境問題だって、このまま何も考えずに生活を続けていると、環境のバランスが変化して「人間が」生きにくくなるから、二酸化炭素の排出を減らす心がけをしよう――ということを言っているだけで、今のこの文明を全部破壊して原始時代に戻れ、と言っているわけじゃない。
昇平がそういう混乱におちいるたびに、私は彼の話を聞き、誤解や極端な考えに走っている部分を指摘して、そのおかしさに気がついてもらうようにしている。とても時間がかかるし、一度では納得できないから、何度も繰り返し話をするようになるけれど、根気強く説明を続けていくと、そのうちに昇平も「そうか」と納得できるときが来る。
環境問題についても、「そうか、自然破壊と言っても、別に自然が人間に負けて消滅するってわけじゃないんだ。自然は形が変わっても存在し続けるけれど、そうなると人間のほうが自然(災害)に負けてしまうから、それで大変なんだ」と理解してからは、落ち着いて取り組めるようになった。
昇平が小さい頃は、生活習慣や学習に関する支援が大半だったけれど、高校生になった今は、彼が社会や人間関係を正しく理解できるように手助けすることが、私の支援の中心になっている。
こんなふうに、地道に理解を積み上げ、経験を積んでいって、彼なりに社会の一員として生きていけるようになれば、と願いながら、今日も昇平のそばにいる。
(2013.4.29記)
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☆昇平のブログ→
「826番目のココログ」 (再開しました)
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「アサクラ・タウン」 http://asakuratown.sets.ne.jp/
[13/04/29(月) 15:49] てくてく日記