自己肯定への道
〜ひとりのADHD女性の手記〜

By くらげ


その12


連載のきっかけとなった「ハートをつなごう」が就労についてだったので、仕事関係のことを書いてきましたが、今回はそれ以外のことについて。今までと全く違う内容なので、期待はずれと感じるかも・・・。

前置きはこの辺にして。

仕事以外での悩みもいろいろあったけど、大きくはこの2つでした。
「なんで部屋をきれいに片付けられないんだろう」
「もっと人と上手くつきあえればいいのに・・・」

今も困っている部分はあるけれど、それほど悩まなくなりました。
それは問題が解決されたから・・・ではなく、開き直りです(爆)

やっぱりADHDを知ったことが大きいですね。
原因がわかったし、自分だけではないことを知って安心もしました。

あとは、自分の中で優先順位を低くしてしまったのです。
社会人として働き続けることが第一で、私は仕事で頑張っているんだから、家ではちょっと気を抜いてもいいじゃないか、と(笑)
でも、あまりにもひどい状態になってしまったので、さすがに片付けにも本格的に取り組もうかと思っています(今は物減らし作戦中)

人間関係については、ある程度割り切りました。
本当は友達とはもっと連絡をとりたいし、いろんな人と出会いたい、わいわいと楽しくやりたいという気持ちもあるのです。
でも、私にはそんな余裕はないと判断しました。時間も精神的にも。
同僚たちがメールのやりとり等をしているのを見て、うらやましく感じることもあるけど、自分の時間を大切にしたくて、しかも文章をサッと書けない私には、ちょっとしたことで携帯メールを頻繁にやりとりするのは億劫です(用件がある時に送るのは別だけど)
だから、自分から積極的にアドレス交換はしません。
職場での雑談は普通にできるようになってきたし、たま〜に仲の良い友達と連絡を取って遊ぶくらいが、私にはちょうどいいのかなぁと思っています。

あとは、結婚はしないと完全に決めたことでも気が楽になりました。
私は元々結婚願望はなかったのですが、母に「将来1人は孤独だよ」等と言われ、気持ちが揺らいでいた部分もあったんですよね。
でも、どんなふうに生きていきたいのかと優先順位を考えた時、仕事をしながらマイペースに好きなことをして過ごすのが、私が望んでいる生活だと思いました。
その時点で結婚が完全に消え、ふっきれて楽になったんです。
結婚相手を見つける為にわざわざ人と出会おうとしなくてもいいし、 気をつかいそうな義理の親や親戚とのつき合いもない。
家事だって私1人が(正確に言うと、やはり結婚願望のない兄1人もいるが)生きていける程度でいい。母に頼っている今の生活よりは大変になるでしょうけど。

もちろん「家事ができないから結婚できない」なんて思わないでほしいですが。
実際、発達障害でも結婚して、工夫して生活している人は大勢いるわけだから。

私の場合、結婚願望のない一番の理由はADHDだからではなく、恋愛をしたい、彼氏がほしいとも思っていないからなんですよね。
私はおかしいのかと悩んだ時期もありましたが、今は、みんなと同じ生き方をしなくてもいいんだと思えるようになりました。
「自分は自分」、これもADHDを知ったことでできるようになった発想のような気がします。
ま、昔と違って結婚しない人も結構いますけどね〜。
「結婚しろ」とうるさく言われることもないし、いい時代に生まれたと思っています。

ちなみに、人間関係を割り切ったといっても、つまらない人生ではないですよ。
ライブや観劇には1人で行くし(たまには同僚と行くこともあるけど)
家でも自分の時間があるからこそ、楽しいことができるわけですから。

大切なのは、自分がどのように生きていきたいのかを知ることではないかと思います。
やりたいこと、なりたい自分。全てをかなえるのは難しいです。
だから、何を優先させるのか。
「ADHDは優先順位をつけるのが苦手」ということを知って、改めて考えるようになったことですね。


超長文になってしまい、すみません(^^;
これで一応シリーズ完結ということで。
長々とおつきあい、どうもありがとうございましたm(_ _)m


この原稿は療育掲示板に投稿された記事を、筆者の了承を得て再掲したものです。
問い合わせ等は 朝倉玲 ley@nifty.comまで

(掲示板投稿日:2007年10月19日)





その11へ      アーカイブ・リストへ     
素材提供 STAR DUST