昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
情動
2月12日の記録
リタリン 1回目 8:45 2回目 1:30
最近、昇平の心の動きが豊かになってきたのが分かる。
例えば、今日の夜。
夕食を食べ終わって2階にいそいそと上がっていった昇平が、あわてて下りてきた。
「おにいちゃんは?」と心配そうに尋ねてくる。
先に食事を終えた兄が2階にいるものと思って上がっていったら、
誰もいなくて、部屋も暗かったので、驚いて下りてきたのだ。
「お兄ちゃんは茶の間だよ」と教えたら、
「茶の間?」と言いながら、すぐにそちらへ行った。
その一連の会話と反応の、なんと自然なこと!
今までなら、2階に兄がいてもいなくてもほとんど関係がなかったし、
部屋が暗くてもあまり怖がらずに、自分で灯りをつけていたのに。
人とつながることを求めている心が見える。
闇を怖がったり、ひとりを怖がったりする心も。
また、日中、ひとりで外の砂場で遊んでいたとき。
母が外に出てみると、ちょうど昇平はどこかへ行こうと庭の出口に向かっているところだった。
「どこへいくの?」と尋ねると、
「はっぱ、を、食べさせるの」とお返事。
見れば、確かに、手には小さな木の葉を集めたプラスチックの植木鉢を抱えている。
「誰に葉っぱを食べさせてあげるの?」と重ねて尋ねると、
しばらく言葉を選ぶように考えてから、
「わんちゃんに、あげるの」。
そういえば、裏の家の飼い犬が、ちょうど、散歩に行きたくてワンワンと家に向かって吠えている。
その犬くんに、葉っぱを食べさせてやろうと思っていたらしい。
「ワンちゃんはね、葉っぱを食べないんだよ。ワンちゃんはお肉が好きなんだよ」
と教えたら、納得しながらも、鉢の中の葉っぱを誰かに食べさせたそうな様子。
それで、庭にある、石のフクロウの置物を指さして、
「鳥さんにあげたら?」と言ったら、
さらに新しい葉っぱを2枚くらい摘んでから、
フクロウの口元に運んで食べさせる真似をし、
フクロウの前に葉っぱの植木鉢を置いてやっていた。
いかにも子どもらしいその優しさが、とても嬉しい一幕だった。
[00/02/12(土) 23:08]