昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

駄々

◎1月7日の記録

 リタリン  1回目 9:30  2回目 13:30
 
   ☆★☆★☆

日曜日。
珍しく一日中どこにも出かけなかった。
買い物にも行かなかった。

昇平はお兄ちゃんやその友達と一緒に庭に出て雪遊びをしたり、部屋で何か熱心に描いたり工作したりして過ごしていた。
そして、母はパソコンの前に座って、ほとんど一日中作業中。

昼前に昇平が言ってきた。
「おやつ買いに行こう」
でも、おやつも食事の食材も昨日のうちに買い物済み。そう教えると、どうしても買い物に行くのだ、と大駄々が始まった。
いくら言い聞かせても聞き分けないので、こちらも負けずに駄々をこねて見せた。
昇平に負けないように、「買い物行かない! 買い物行かない! 今日は車を出さない! お母さんは買い物に行きたくない! 今日は買い物おやすみ・・・!」
5分くらい言い合っただろうか。昇平の方でも泣きながら「おやつを買いに行く」と言い張るけれど、母が全然聞き入れないので、少し気持ちが揺れてきた様子。
そこへ「じゃ、ミカンの缶詰を使っておやつを作ろうか?」と持ちかけたら、「作る!」とたちまち良い顔になった。
ミカン缶は彼の大好物。でも、母が聞き入れないと分かったので、彼なりに妥協したところなのだろうと思う。

   ☆★☆★☆

ところが、夕方、また「おやつ買いに行こう」が始まった。早く行かなくては夜になってしまう、と。
いくら、おやつを作って食べたではないか、と教えても、まったく聞き入れる様子なし。
午後のおやつは食べてしまっていたから、またおやつ作りをしよう、という手は使えないし・・・。
だいたい、お腹は空いていないはずなのに、おやつおやつと言い張るのは何故だろう。

で、ふと思いついて、昇平を遊びに誘ってみた。
興奮して怒っているので、初めはケンカの真似事みたいなところから、徐々に遊びのパターンへ持っていって・・・
ピコピコハンマーで母を叩き始めたので(ただし、軽く。だからこちらも叱らなかった)、叩かれて釘みたいに小さくなっていく様子をやってみせたら大受け。そこから、完全に遊びに移行した。ハンマーやらおもちゃのバットやらでちょっと派手に体を動かし、昇平をくすぐって笑わせてやった。
15分くらい思い切り遊んで、昇平の表情が良くなってきたので、「お母さん、そろそろ夕飯を作る時間なんだけど、昇平くんも一緒に作る?」と聞いたら「作る!」と笑顔のお返事。
シチューの材料の野菜を、ピーラーで皮をむいたり、果物ナイフで刻んだり。張りきってお手伝いしてくれた。
そして、その後はもう、おやつを買いに行く! とは全然言わなかった。

結局、母が仕事ばかりしていて淋しかったから、駄々をこねたんだなぁ、と思い知った。
言い聞かせることばかり考えていちゃいけない。
彼がどうしてそんなことを言い出しているのか。駄々の陰に、母への欲求不満がないかどうか、そこはきちんと見極めなくちゃならないんだな、と改めて思った。

昇平が手伝ってくれたシチューは、とてもおいしかった。

[01/01/08(月) 07:23]

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