昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

スカートをのぞく 〜連絡帳・8〜

今日の連絡帳に、こんな話が書かれてきた。

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今日の四校時目、昇平君がHちゃんのスカートをのぞくということがありました。
悲しくて我慢できず私(森村先生)に訴えてきたHちゃんの後ろをついてきた昇平君、「おパンツみえたよ」とニコニコ。
「あー、クレヨンしんちゃんの真似かな」と思いましたが(注:森村先生、鋭い! クレヨンしんちゃんの『大人帝国の逆襲』の真似です)、良くないことなので、少し厳しく指導しました。
「なんで?」と答える昇平君に、Hちゃんの大泣きする顔を見せました。やっと意味に気づいたようなので、「パンツを見られると女の子はこんなに悲しくなるんだよ」と話すと、そこからは二人で大泣きになってしまいました。
私も予想しなかったことで、指導をしていませんでした。申し訳ありませんでした。

大泣きするHちゃんに何度も謝りに行く昇平君。でも、いつものように「いいよ」と言って上げられないHちゃん・・・という状態が続き、困った昇平君は私に「どうして許してくれないの?」と聞きました。
「悲しすぎてにこにこ顔がいなくなったのかも?」と答えると、すぐにHちゃんのそばに行き、「ニコニコさんもどった?」。
三度目のアタックで「うん」の返事をもらい、一段落という形になりました。

自分が楽しくても悲しい気持ちになる人がいることを、昇平君は分かってくれたのではないかな・・・と思っています。

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さてさて、これは本当に意味のある出来事だった。

もちろん、女の子のパンツをのぞくということは、断じて良くない!
あれほど「クレヨンしんちゃん」の真似を本当にはやらないと約束したのに、それを忘れてやってしまったことも良くない。

しかし、昇平にしてみれば、映画の中のしんちゃんのように軽い気持ちでのぞいたわけだし、それから引き起こされる結果も、映画の中でおねいさんが顔を赤らめて怒った、その程度のことしか予想していなかったのだと思う。
ところが、予想に反して、Hちゃんは大泣きしてしまった。
状況の読みとりが弱い昇平は、初め彼女が泣いているのに気づかなかったのだが、森村先生にそれを指摘されたとたん、事態の重大さを知って自分も泣き出してしまった、というわけ。

虚構の世界で起こる出来事の成り行きと、現実のなかでの成り行きが違うこと。
森村先生も言うとおり、自分には楽しいことでも悲しい気持ちになる人がいること。
そのギャップを知ることが、現実を知る、ということなのだと思う。
昇平は、大好きなHちゃんをたくさん泣かせてしまった、という心の痛みと共に、とても大事な体験をしたのだ。

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それにしても・・・スカートの中をのぞかれたりして、本当にイヤだったよね、Hちゃん。
気持ちが繊細なHちゃんには耐えきれないほど辛いことだったのは、昇平君のお母さんにも分かります。
本当にごめんね。
それでも、最後には昇平君を許してくれたんだね。
優しい優しいHちゃん。
どうもありがとう。

[02/07/11(木) 23:54]

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