昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

マラソン大会


11月5日、秋晴れの空の下、昇平たちの小学校のマラソン大会があった。

マラソンと言っても、そう長い距離ではない。1,2年生は600m、3,4年生は800m、5,6年生で1000mというコース。そこを、学年ごと男女別で走っていく。
平日ではあるけれど、父や母、祖父母といった家族が駆けつけて、子どもたちの走る姿に声援を送っている。私も、デジカメを片手に応援に行った。

3年生の男子がスタートした。校庭を3/4周してから学校の外のコースに出て行く。
私は校庭の出口あたりでカメラを構えて、昇平を待った。昇平はいつも走るのが遅い。最後のほうを狙っていれば、絶対に見逃さないのだ。
と思っていたら・・・・・・あれっ? 昇平がいなかった??

いや、いないはずはない。
スタートラインに向かって他の子たちと移動していくのは見えたから。
ということは、もっと前を走っていた、ということ? えー???
去年、昇平は最後のほうをへろへろになりながら走ってきて、やっとゴールしたのだ。順位は、確か後ろから2番目だった。

とりあえず、戻ってきたときにはシャッターチャンスを逃すまいと、コースのすぐ近くに陣取って、昇平が来るのを待った。
まもなく子どもたちが帰ってきた。
足の速い子たちは、軽々とゴールまで走っていく。その後ろにたくさんの子どもたちの集団。
それが過ぎたあたりで、昇平が校庭に入ってきた。疲れている様子は見えるけれど、去年よりずっと走り方がしっかりしている。
それをカメラに収めてから、「がんばれ、昇平ー!!」と声をかけたら、昇平がちょっと振り返った。聞こえたようだ。でも、確か、昇平は森村先生と「途中で振り返らない」と約束していたはず。・・・悪かったかなぁ。

結局、昇平の後ろにはまだ6〜7人、子どもたちがいて、昇平の順位は41位だった。本番前の練習では44位だったと言うから、それと比べても3位も順位を上げたことになる。去年から比べると、5位以上アップ。へぇ〜・・・。

最後に教室に戻る前に子どもたちが学年ごとに集まった。私は少し離れた場所から、それを見ていた。
先生に問いかけられて、子どもたちがいっせいに自分の順位を書いた紙を先生に見せた。得意そうな、顔、顔、顔・・・。順位はともかく、みんな完走した嬉しさで自信に満ちている。みんな、それぞれにがんばったんだよね、本当に。
すると、昇平の視線が私と合った。
昇平が「41」と書かれたカードを、私に向かって高々と掲げる。
私も嬉しくなって、思わず片手を上げて、ガッツポーズでそれに応えてしまった。


マラソンは自分自身との戦いだと言われる。
昇平も、自分自身の課題を持って、去年の自分と戦っていた。
立派に走り抜いて、見事、自分に勝ったよね。
昇平、よくがんばりました。

[04/11/06(土) 13:35] 学校

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