昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

お兄ちゃん

一週間くらい前のこと。
私が台所で夕食の支度をしていると、昇平がぷんぷん怒りながら2階から降りてきた。
「お兄ちゃん、うるさい! お兄ちゃんなんかいなくなればいい!」
また始まった。いつものことなので、私はのんびりと受け流していた。
「あら、お兄ちゃんがまたゲームで怒ってるの? 困ったねぇ」
昇平は兄のかんしゃくが一番苦手だから、兄がゲームでちょっとでも不機嫌な声を出すと、すぐにこうやって逃げてきてしまうのだ。本当は昇平も2階でパソコンとかお絵かきとか好きな遊びをしたいのに、部屋にいられなくなるので、こうしてぷりぷり怒ることになる。
すると、昇平がちょっと考える顔になって、すぐにこう言った。
「でも、お兄ちゃんが本当にいなくなると、ぼく、遊ぶ人がいなくなって退屈になっちゃう。お兄ちゃんがいなくなるのはいやだ」
本気でそう考えているのが、声の調子で分かった。
おやおや、と思っていると、さらに昇平は続けた。
「お兄ちゃんと生き別れになるのもいやだ。お兄ちゃんと一緒に暮らしているのがいい。・・・どうしたらいいの?」
先日、「生き別れってなに?」と聞かれて「生きている家族と、わけがあって離ればなれに暮らすようになって、会えない状態になることだよ」と説明してあったので、そのイメージで話しているのだ。昇平は本当に困った顔をしていたが、やがて、ふっと静かになると、また兄のいる2階に戻っていった。
母は何も言わなかったし、言う必要もなかった。

いろいろなことを考えるようになり、今までとはまた違った理解ができるようになってきた昇平。兄というものの意味、兄との関わり、兄への想い・・・いろんなものが分かるようになってきたんだね。
あのね、昇平。お兄ちゃんもね、昇平が怖がるからって、一生懸命かんしゃくを起こさないように頑張っているんだよ。だからといって、すぐに怒らなくなれるわけじゃないんだけど、それでも、かんしゃくの回数が少しずつ減ってきているんだよ。
いや――そんなお兄ちゃんの気持ちをなんとなく感じているからこそ、昇平もお兄ちゃんと別れたくはない、って気持ちになったのかもしれないね。

きょうだいって、大変だけど、素敵だね。

[05/02/04(金) 05:47] 日常

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