昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

お兄ちゃんと昇平

連休3日目。
今日は出かける用事もなく、すっかり退屈してしまった昇平。
テレビゲームをしていたお兄ちゃんに自分から話しかけた。
「お兄ちゃん、一緒にゲームしよう」
「俺、スマブラ(「スマッシュブラザーズDX」=ゲームキューブのアクションゲーム)やってるぞ。それでいいのか?」
とお兄ちゃん。
「うん、いいよ!」
と昇平は答え、2人で対戦を始めた。

ところが、このゲーム、圧倒的にお兄ちゃんが強い。どんなに昇平ががんばっても、まったく歯が立たない。必死で食い下がっていたが、それでもかなわないものだから、とうとう昇平が怒り始めた。
「お兄ちゃんめ、どうしてそんなに強いんだよ!!」
「それはねぇ、お兄ちゃんがこのゲームをずっと昔からやってきてるからだよ」
とお兄ちゃんが余裕の顔で答える。まったく、お兄ちゃんもすっかり大人になったよね。昇平がかんしゃく起こして悪口を言っても、全然動じなくなったものね。
「お兄ちゃんなんか大嫌いだ! 絶対に嫌いだ! もう絶対一緒に遊ばないぞ! 絶対遊ぶもんか! ふーんだ!」
怒りまくってそんなことを言う昇平。プンプンしながら、ゲームをやめて隣の部屋に行ってしまった。

すると、お兄ちゃんが言った。
「昇平、PSOを一緒にやるか?」
PSO(「ファンタシースターオンライン」=PS2のロールプレイングゲーム)ならば、2人で協力してゲームを進めていくことができる。
とたんに、昇平の声がころっと変わった。
「うん、やるっ♪」
ニコニコしながら隣の部屋から飛んでくる。
そのあまりの豹変ぶりに、母は大笑いしてしまった。うまいねぇ、お兄ちゃん。大したものだわ。

今、2人はテレビに向かってPSOをやっている。
「昇平くん、○○してくれ」
「うん。お兄ちゃん、××ってなんなの?」
「それは△△だぞ」
「ふーん・・・」
会話もごく自然に流れている。
と思っていたら、ふと、こんな昇平のつぶやきが聞こえてきた。
「あ、トンボだ。そばで見たいけど、今は戦闘中だしなぁ・・・」
戦闘中の画面の背景にトンボが現れたらしい。少し前までは、そんなふうに画面上に気を引かれるものが現れると、戦闘中だろうとなんだろうと勝手にそちらへ行って、お兄ちゃんに叱られていたのにね。
「お兄ちゃんと一緒に」戦っているから、「自分勝手なことをしちゃいけない」ってのが分かってきたんだね。
ふーん。へー。ほほぉー・・・。

お兄ちゃんは春休み中。昇平も、もうすぐ春休み。
なんだか、子どもたちの成長をとても感じている。
 

[05/03/21(月) 16:31] 日常

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