昇平てくてく日記2
小学校高学年編
よちよち歩きで遊びながら
この週末、昇平は家で過ごしていた。
近所のC君と遊びたくて電話したのだけれど、二日とも都合が合わなくてダメ。一日目は素直にあきらめたけれど、さすがに二日目にはあきらめきれなくて、「もう一生遊べないのか!?」としばらく怒っていた。あまりうるさいので、「断られるといつもそうやって怒り続けるんだから、もう電話しちゃダメだよ」と私に言われ、それでやっと静かになった。
……昇平は、いわゆる「こだわり」はそう強い方ではないと思うのだけれど(何か好きなものに夢中になるという感じのこだわりは別)、不安や不満、怒りといったネガティブな感情だけは、いつまでも引きずってしまってなかなかチャンネルが切り替わらなくなる。何かの拍子に気持ちが切り替わると、あれほど騒いだのはなんだったの? と言いたくなるほど、ころっと気分が変わるのだけれど。
この時も、「あまり騒ぎ続けるならば、もうC君に遊びの誘いの電話をかけちゃダメ」というのが、気持ちを切り替えるきっかけになった。
うーん、でも、難しいねー。毎回、こんなふうにうまいきっかけが見つかるといいんだけれど、そうはいかないことも多いし。
そして、さらに、そのきっかけを自分で見つけて、自分で気持ちを切り替える練習をしていかないといけないんだものね。
まあ、いろいろとやってみようね。
結局、二日間、お友だちとは誰も遊べなくて、「パソコンぱっかりじゃあきちゃう」「誰かと遊びたいな」と言い続け、母とおやつのゼリー作りなどはしたものの、やっぱりもの足りなそうな様子だった昇平。
夜になって兄が帰宅して、「一緒にスマデラ(ゲーム)やるか?」と言われたら大喜び。やっと楽しそうな声が聞こえてきた。
やがて、兄ちゃんと昇平の提案で、家族全員でトランプもすることになった。先週から「大貧民」を昇平に教えているところで、今週は、カードをさらしてやるところから、カードを見せずに勝負するところまで来た。まだ完全にルールは覚えていないけれど、なんとなくゲームらしくなってきたところ。
ただ、どうしても昇平は集中力が短いし、夜はリタリンが切れていることもあって、なおさら集中しにくいので、しょっちゅう気が散っては、兄ちゃんに「こら、昇平! おまえの番だぞ!」とどなられていた。これで友だちと遊ぶのはちょっと難しいかもなぁ、とも思った。家族だから、怒りながらも待ったり呼びかけたりしてくれるけれど、これだけ集中力が短いと、遊びが深まらないうちに、遊びが続かないものねぇ。
君の課題は大きいなぁ。
だけど、昇平は「パソコンより誰かと遊びたい」と言うようになってきた。
兄ちゃんと遊んだり、兄ちゃんにかまってもらえるのをすごく喜ぶようになってきた。
兄ちゃんだって、文句を言ったり怒ったりするけれど、やっぱり昇平と遊べるようになってきたのが嬉しくてしょうがない。
こんなふうに、よちよち歩きで家族と遊びながら、少しずつ、お友だちと遊べる力もつけていけるといいね。
[07/01/22(月) 15:30] 日常 発達障害