昇平てくてく日記3

中学校編

中学準備

 明日は昇平の入学式。学用品や制服の最後の確認もだいたい終わった。昇平もとうとう中学生だ。

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 写真は、昇平のために部屋の一角に作った「中学スペース」。
 長男は中学入学と同時に自分の部屋を持ったけれど、昇平は自分一人で部屋の管理も生活管理もできないから、まだ無理。でも、自分の場所は持たせてあげたくて、寝室にしている部屋の一角にハイロフトタイプの組み立てベッドを置き、その下に折りたたみ机やタンス、チェストなどを入れて、「昇平のお城」にしたのだ。ベッドと小さな収納棚とカーペットを買った以外は、全部今まで家にあった家具を利用。ベッドの手前には、この春進学で家を離れた長男の部屋からハンガーラックを持ってきて、そこに制服や上着を掛けるようにした。

 昇平は今まで親と布団を並べて寝ていたし、夜中に目が覚めて隣に母がいないと、淋しがって探すくらいだったのだけれど、このベッドで寝るようになってからはそんなことがなくなった。勉強も、今まではパソコンデスクやコタツでばかりやっていたのに、今はこの机でするようになった。「自分だけの場所」というのが嬉しいらしい。ただ、パソコンだけは、今まで通り母のいる場所のすぐ隣に置いてある。インターネットの使い方などで目配りが必要なことが多いので、これははまだ親の目の届くところで、というわけ。


 もう一つ、中学生になるにあたって準備したのは、大きな自転車。
 中学校は、今まで通っていた小学校のすぐ隣に建っているが、今度はいよいよそこまで自力で通学するようになるのだ。(注:昇平は本来の学区の隣の小学校にある特別支援教室に通っていたので、登下校は六年間、母が自家用車で送迎していた。)
 初めは新品を買ってやる予定だったのだけれど、諸処の事情で、これも長男がこの春まで使っていたものを使わせることにした。ただし、途中でパンクなどしたら対処ができなくて大騒ぎになると思ったので、自転車屋でタイヤを新品に交換して、全体も再整備、きちんと磨いてもらったら、まるで新品のようにいい自転車になってしまった。そうそう、籠も新しいものに交換した。

 例えお譲りでも、体にあった大きな自転車は嬉しいらしい。それに、中学に通う練習だから、とこれまで許されなかった遠出が許可されるようになったのも嬉しいようで、春休み後半は毎日のように自転車に乗って、町中まで出かけていた。
 その初日には、笑顔でこんな報告をしてきた。
「○○の本屋まで行ってこの本を買ってきたよ。途中で一回転んじゃって籠がちょっと歪んじゃった。でも大丈夫だったよ」
 正直、昇平がまともに自転車に乗れるようになったのは、つい最近のこと。それで片道20分以上かかる中学校まで通学しようというのだから、少々の無茶は承知の上。転ぼうが籠が歪もうが、とにかく乗って慣れるしかないのだから、むしろお古の自転車で良かったのかもしれない、と思った。

 ちなみに、今回整備をしてもらった自転車屋は、昇平の通学コースのすぐそばにある。
「自転車に何かトラブルが起きたらいつでも寄っていいよ。すぐ直してあげるから。お金も次の日にお母さんが払いに来てくれればいいからね」
 と自転車屋のおじさんに言われて、本当に心強く感じている。


 この春休み、昇平は中学の準備を進めながら、ずいぶんいろいろな場面で自主性を発揮するようになってきた。
 自分一人で寝る。自分の机で、自分の力で勉強する。自転車に乗って自分で行き先を決めて出かける。新しい道も散策しているらしい。そうそう、自分で買い物する、ということもいつの間にか上手になっていた。
 小学生の間にも、これだけの力はすでに育っていたのかもしれない。でも、「いよいよ中学生になるんだ。今までより大人になるんだ」という気持ちが、昇平の行動と成長を後押ししているような気がする。

 入学式は明日の午後。
 さて、昇平はどんな中学生になっていくか。
 もちろんまだまだ心配はあるけれど、その心配はちょっと隠して、自力で歩き出した昇平の姿を見守っていこうと思っている。

[08/04/06(日) 15:45] 家庭

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