昇平てくてく日記3

中学校編

お母さんのお助けマン

 ついさっきのこと。

 夕食を終えて二階に上がってきたのに、昇平の食後の薬を出すのを忘れていた。
 すると、昇平が
「お母さん、薬は?」。
「あ、忘れてたわ。言ってくれてありがとう」
「お母さんったら、どうしてそんなに忘れるんだよ?」
「うーん。お母さんはホントに忘れっぽいんだよ。実は、あっと驚く忘れん坊なの」
 すると、昇平、あきれた顔をしながら
「そんなの、俺、何年も前から知ってたわ」

 ――たはは、言われた。(苦笑)

 そう、私は本当に忘れん坊。
 買い物、準備物、投函物、頼まれごと……とにかくいろんなことを忘れるものだから、いつの間にか子どもたちもそれを覚えてしまった。
 兄ちゃんは
「お母さん、あれ買ってきて。昇平、一緒に買い物に行くんだろう? ○○を買うの覚えておけよ」
 なんて言うし、昇平も買い物しながら
「お母さん、兄さんに頼まれた○○は?」「お母さん、○○は買った?」
 と何度もチェックを入れてくれる。この母は、スーパーの入り口まで覚えていても、レジにたどり着くまでに買い忘れることがしょっちゅうあるものだから、ちゃんと籠に入れるまでは油断ができない、というわけ。

 そういえば、昇平は、最近は本当に忘れることが少なくなった。特に、やるべきことは必ずやる。自転車の鍵や眼鏡なんかも決まった場所にしまっていて、なくしたことが一度もない。テレホンカードだってそうだ。
 不注意があるから、捜し物が見つからない、というのはしょっちゅうだけれど、忘れ物や失くし物が少なくなっている分、暮らしやすくなってきたように見える。かえって、私の方が相変わらずの忘れん坊だ。

「これからは、俺がお母さんのお助けマンか?」
 と昇平がにやにやしながら私に言った。
 はい、そのようですね。よろしくお願いします、リマインダー様。

[08/06/25(水) 20:02] 家庭

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