昇平てくてく日記3
中学校編
客観
昇平の今の夢は将来漫画家になること。雑誌についてきたマンガ用紙がなくなったのでネット通販で注文したものが、昨日配達されてきた。
学校から帰ってそれを見つけた昇平、おお、これは! と大げさに感動の声を上げてから言った。
「これで俺の長年の夢がかなった!」
長年って、あんたマンガの練習初めてまだ数ヶ月でしょうが、とあきれて言おうとしたら、昇平がこう続けた。
「まあ、長年かどうかはわかんないけどね」
あら。
自分でそれだけの突っ込みを入れられるようになったら大したものね。(笑)
☆彡☆彡☆彡☆彡
帰宅してからの話をもう一つ。
昨日は期末テストで下校が早かったので、途中まで同じクラスのCくんと一緒に話しながら帰ってきたらしい。
Cくんはゆめがおか学級でも一緒だった2つ上の上級生。先に向こうが中学生になって、話も合わなくなってしまって、ちょっと遠ざかっていたようだった。まともに話したのも久しぶりのことだった。
「俺とCくん、仲違いしたこともあったけど、いつの間にかまた仲良しになってたなぁ」
しみじみと嬉しそうに昇平が言った。
……ん?
ああ、そうか。なんだか今までと昇平の雰囲気が違うな、と思ったら。
「長年」への突っ込みといい、Cくんのことといい、自分のことを自分で客観的に眺めて、それを自分のことばで話せるようになってきたんだ。
大人になってきたんだねぇ、昇平。
[08/06/27(金) 08:05] 家庭