昇平てくてく日記3
中学校編
生きていく上で大切なスキル(付記あり)
たった今のこと。
自転車で本屋に出かけた昇平が、にわか雨に降られて帰ってきた。
「濡れたでしょう?」と聞いたら、「うん。それと、転んで自転車壊しちゃった。動かなくなったんだ」。
「えっ、どうやって帰ってきたの!?」と驚いて尋ねたら、「自分で自転車屋さんに持っていって直してもらってきた。修理代、千円だって」。
うっわぁ〜〜〜!! びっくり!!!
確かに、前に自転車を壊してしまったときに、一緒に自転車屋に連れていって、「途中で自転車が故障したときには、ここに直しに持ってきなさいね」とは教えたけれど、まさか本当にそれを実行するとは!
い、いやいや、そういえば、以前外出中に眼鏡のねじが緩んでレンズが外れてしまったときにも、眼鏡を買った眼鏡屋さんに持っていって直してもらったことがあった。小さな町の商店街。そういう修理には気軽に応じてくれるものの。
う〜ん、それにしても驚いた。パニックになることもなく、誰かに言われることもなく、自分自身の判断で適切な対処ができるとは。すごい!
いつの間にか、昇平は「困ったときに手助けしてもらう」スキルを身につけていた。
これまでずっと周囲に必要な手を差し伸べてくれる大人たちがいたから、昇平が周囲を信じている、ということも背景にあるような気がする。
人間は障害がなくたって、一人きりでなんか生きられない。
助けて欲しいときに助けを求めること。困ったときにSOSを出せること。人が生きていく上で本当に必要なスキルを身につけたんだな、としみじみ思った。
※付記(10月5日 5:00)
たかがこれだけのことで大袈裟に感動している、と呆れられるかもしれないですね。親が言い聞かせたことを覚えていて実行しただけなのだから、そんなに驚くようなことでもないだろう、と。(苦笑)
でも、私が昇平に「自転車になにかあったら自転車屋さんに持っていくんだよ」と話したのは、ずいぶん前のことでした。それも一度きりで、昇平が覚えているかどうかもわからないことだったのです。
自転車が突然壊れて、どうしよう、とうろたえたはずなのに、「泣かなかったし、怒らなかったよ」と昇平は言いました。突然やってきた「その時」に必要な情報を思い出して、それを実行に移せた。それも落ち着いて。
そのことに、生きるためのたくましさのようなものを実感したのでした。
[08/10/04(土) 17:15] 家庭