昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
M病院レポート
◎2月15日の記録
リタリン 1回目 9:00 2回目 13:00
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今日は、M病院へ薬をもらいに行く日。いつもは午前中に行っているのだが、Y先生のご都合で午後からになる。
行ってみたら、待合室に子どもがたくさん! 私たちより前に2組、後に1組。もちろん、小児科の患者数よりはずっと少ないが、こういう病院なのだから、多い方だと思う。どの子も、一見ごく普通に見える子どもたち。でも、よく観察していると、やはり普通とは違う反応をしていたりする。昇平と同じ。(^_^;)
昇平より少し小さいかな、同じくらいかな、と見える女の子は、昇平と私が入っていったとたん、ロビーの椅子の上で身を固くして両耳を押さえた。わきでお母さんが苦笑している。私たち、おそらく、昇平に対する拒否の姿勢。小さな子どもが苦手な子なのだろう。離れた席の方にいて、近づかないようにしてあげたら、そのうちに拒否姿勢はなくなった。お母さんとコミュニケーションをとるのに、言葉がない様子。アー、とかウー、とかいう声で気持ちを表していた。でも、家庭では少しは言葉もでているのかな? なんて、考えながら見た。
もう一組は、昇平よりずっと大きな男の子。小学1,2年生くらいだろうか。お母さんの隣に、静かに、ごく普通に座って待っている。そのうち、暇つぶしに紙に何かを描き始めた。やがて、順番が来て呼ばれると、お母さんは立ち上がったけれど、その子は描くのを止めようとしない。テーブルに向かったまま、紙にしがみついている。困っているお母さんに、先生が「あ、いいよ。そのまま中で描いていていいから」と呼びかけて、男の子は、半ば引きずられるようにして診察室に入っていった。ああ、昇平とおんなじだぁぁぁ・・・(^_^;)
最後の一組は、6才と5才の兄弟を連れたお母さん。お兄ちゃんの方が、明らかに昇平より重度の障害だと見て取れた。弟の方は、普通の子。ミニカーを持って遊んでいたので、昇平が関心を示してそばによって話しかけていたのだが、昇平が持っていったゲームボーイで遊び始めたら、今度は向こうで興味を持って寄ってきた。おしゃべり好きな元気な子で、私といろいろしゃべるうち、お母さんとも話すようになった。
お母さん、子どもの障害に屈託のない明るい人。話していて気持ちがよかった。お兄ちゃんの方は、この春から養護学校に通うことになったとのこと。やはり、薬を出してもらっているようだった。
お兄ちゃんの方、お母さんのわきに座ったり、お母さんの背中にしがみついたりしていて、私たちとコミュニケーションをとろうとはしなかった。時々指を舐めて、その指を私になすりつけたそうにする。何かのサインだろう。私には意味は分からないけど、やりたいならやらせてもいいな、と思った。お母さんがその前に阻止していたけれど。(^_^;)
私たちに話しかけたりはしなかったけれど、私がお母さんや弟くんと話しているのを見るうちに、私と目が合うようになり、私がトイレに行くと、弟と2人で後を追いかけてきていた。かわいい子どもたち!
お母さんは普段は仕事があって、病院に来るのは夕方だそうだ。これからまたあえる機会があるかどうか分からないが、できたらまた会っておしゃべりしたい人たちだった。(*^_^*)
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さて、肝心の昇平の診察。
入っていって、「先生にこんにちはは?」と言ったら、昇平はすぐにはっきりと「こんにちは」と言えた。最近、こんな感じで挨拶が出来るようになってきている。また、先生の前の椅子に、10分くらいはちゃんと座っていられた。(ゲームボーイをやりながらだが。)その様子に「大分お利口さんになってきたね」と先生。とはいえ、私と先生の話が長くなったので、そのうちに飽きてまた診察室の中をうろうろとしはじめたけれど。(^_^;) まっ、昇平にしては上出来。
2週間の経過報告をしたが、昇平が前の日の約束を翌日まで覚えていられるようになったことや、お父さんと外出できるようになったことなどを、先生はしっかり記録していた。特に、お父さんと2人で買い物に行った話は、「よかったですね」と一緒に喜んでもらえて、こちらも嬉しかった。「特に、お父さんが嬉しかったでしょう」とも言われたのだが、夜、旦那にその話をしたら「その通りだよ」と、まじめな顔でうなずいていた。
子どもというのは、まず母親との人間関係を充分に結んでおく必要があるのだ、と先生のお話。そこで精神的に充分満足すると、今度は、お父さんや、その他の人たちと心の結びつきが出来るようになるのだから、と、例の新潟の事件も引き合いに出して言われる。それが不足すると、大きくなってから、問題行動が起きてくるのだから、と。本当に、そうなのだろうと思う。
今、昇平は母からそのまわりの家族へと、つながりを深めようとしている。その変化が、理屈抜きで嬉しい。
「昇平くんが良く変化してくれると、こちらとしてもやりがいがありますよ」と笑顔でY先生がおっしゃる。もう、なんだか、頭を下げて感謝したいような気分になってしまった。 ありがとう、Y先生!
[00/02/16(水) 07:16]