昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

入園式

◎4月1日の記録

 リタリン  1回目 8:30  2回目 13:00

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ついに、保育園の入園式の日がやってきた。
昇平は、制服のスモックを着て、昨日買ったばかりの新しい通園バッグを下げて、一丁前に保育園生の格好。だが、不安を感じているようで、写真を取るぞとおじーちゃんが呼びかけても、なかなかそちらを向こうとしなかった。

園について、教室に入ると、昇平は最高の緊張状態。
顔は笑顔なのだが、ものすごい力で私にしがみついてきて、場に無関係な漫画の中のセリフを次々と口にしたり、私の頬に自分の顔を押しつけてきたり、私の上着の中にもぐり込もうとしてみたり。緊張のあまり、パニックを起こしていたのだ。
ホールでも、入園式が終わるまでの間、私はずっと昇平の隣にいて、安心させるように背中をたたき続けてやった。
保育園には知らない子どもたちがいっぱい、知らないお母さん・お父さんたちもずらり、ここは知らない場所、しかもぐずって泣いている子どもたちもいる。昇平の苦手なものばかり揃っていたのだから、パニックを起こすのも無理はないのだ。

式のあと、保護者の総会があるので、子どもたちだけが一足先に教室に戻ることになった。
担任の先生が心配して、「どうしましょうか?」と聞きに来てくれる。
「たぶん、母親から離れられないと思うけれど、試しにやってみましょう」と答えて、昇平に説明してみた。「お母さんたちはこの後、お話があるから、ここに残らなくちゃならないの。昇平くんは先生やお友だちといっしょに先に教室に戻っているんだよ。お母さんは、お話が終わったらそっちに行くからね」
昇平は、先生に抱っこされて、お友だちといっしょに教室へ行った。私を見ながら泣いていたが、それでも暴れたりせず、総会が終わるまで、とうとう私の元に戻ってくることもなかった。
先生の話だと、途中廊下まで出たこともあったが、言われたことを理解して「お話が終わったら、お母さん、来るの?」と言いながら待っていられたという。
ずっとべそをかいていて、先生に抱っこしてもらっていたようだが、昇平にしてはよくがんばったと思う。上出来!

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入園式が終わってから、15分くらい、担任の先生たちと話をした。
昇平が泣いている子に反応してパニックになった場合の対処法、食べられない食物(主に野菜)の確認、排泄の状況、昼食後にリタリン服用のお願い、その飲ませ方、副作用について。
特に、リタリンを飲むと食欲が落ちること、覚醒状態になるのでお昼寝しない可能性があることはしっかり説明しておいた。実際に保育する上で、そのあたりのことは重要になってくるから。
薬の副作用で眠くならない子どもを、必死で昼寝させようとしたら、それは無駄な努力だし、先生たちにも本人にも辛くなるだろう。

前回の仮入園の時と同様、先生たちが熱心に昇平について質問してくれるし、こちらの話も聞いてくれる。
あらかじめ、ADHDを受け入れてくれる園を選んだわけだが、やはり、こういう態度を見せてもらうと、とても安心できる。

昇平の年中クラスは20名あまり。そのうち、前のクラスから持ち上がりの子どもが2/3くらいだろうか。担任は、まだ20代の若い女の先生2人。1人が昇平にかかりきりになっても、クラス運営は可能だ、とまた一安心。

保育園は月曜日からスタートする。
初めの2日間、新入園児は11時にお帰りになる。
昇平がそこまでいられるかどうかは、やってみないと分からないので、とりあえず、月曜日は皆と同様11時まで生活させて、様子を見て、お迎えを早めたりしよう、ということになった。

[00/04/02(日) 07:22]

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