昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

保育園初日

◎4月3日の記録

 リタリン  1回目 8:00  2回目 13:45

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とうとう、昇平の保育園が始まった。
8時半頃、車で園まで送っていく。

昇平は母子分離不安が強い。
スーパーなどで自分からふらふら離れていくのはしょっちゅうのくせに、家の中でも自分が探したときに母が見あたらないと、たちまちパニックに陥ってしまう。
保育園開始にあたっては、その母子分離不安をクリアすることが、まず第一段階だった。

数日前から、折に触れ、「保育園では先生やお友だちと遊んで過ごすんだよ。お母さんは時間になったら迎えにくるからね」と教えてきたのだが、今朝もそれを繰り返し、さらに『きょうのおむかえ、11じ』と書いた紙に11時をさした時計の絵も描いて、それを昇平に手渡した。
すると、昇平がそれを見ながら「わかった」と言う。 え? ホントに分かったのかな?? と半信半疑に思いながら、保育園へ連れていった。

園につくと、昇平は張りきって園庭に入っていく。期待に胸一杯でいるのが見える。
入り口で担任の先生に出迎えてもらう。でも、例によって、視線は合わせようとしない昇平。朝の挨拶も、私にいわれてやっと言う程度。
教室まで行くと、子どもたちがブロックを床一面に広げて遊んでいた。ブロック好きの昇平はたちまちそれに夢中。これはチャンスかもしれない、と思い、後は先生に頼んで、急いで帰ってきた。

後で先生に聞いた話によると、やはり、しばらくして昇平は母がいなくなったことに気がついて泣いたそうな。
みんなのいる教室にはいたくなかったらしく、先生に廊下で抱っこしてもらっていたが、そのうちに「先生がお母さんの代わりなの?」と言い始め、先生の顔を触るなどのスキンシップが始まったらしい。やがて、落ち着いて教室にも入れるようになり、みんなと一緒に椅子に座って、自己紹介をすることも出来たらしい。発音は不明瞭ながら、自分の名前を「しょうへいです」と言うこともできたのだという。

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「先生がお母さんの代わり」
これは実は、同じく母子分離不安が強くて、なかなか保育園に慣れなかった長男が、担任の先生に言ってもらった言葉なのだ。
教室に入れるようになるまでに半月、教室に入れるようになったからも、なかなか集団生活になじめなくて、教室の後ろのロッカーに頭をつっこんで、指しゃぶりしながら寝ていた、という強者だったのだ。(^_^;)
だが、担任の先生に「先生がお母さんの代わり・・・」と言ってもらい、こまめに対応してもらううちに保育園にも慣れ、友達が出来てくると、園の生活が楽しくてしょうがなくなっていった。
今、長男はお友だちが大好きで、誰とでも仲良く元気に遊んでいるが、その基礎は保育園時代に築いたものなのだ。

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新入園児は初日は11時にお迎えになる。
約束通り11時ちょうどに着くように行ってみると、全園児が園庭で外遊び中。
主任保母の先生が、私を見つけて、「お母さん、ほら見て。遊んでますよ」と言う。
見ると、たくさんの子どもたちの間をうろうろ歩きながら、遊んでいる様子を眺めている昇平の姿があった。
聞けば、教室ではやっと落ち着いたものの、外に出たら、たくさんの子どもたちにびっくりして、また泣き出したのだが、私が到着する5分くらい前からようやく落ち着いて、自分から動き始めたのだという。
私はとうとう、昇平が泣いている姿を見ることがなかった。

私を見つけて、喜んで駆けつけてくる昇平。
それを抱き上げ、先生から園での様子を聞き、昇平に挨拶をさせて、抱っこで車まで戻った。
車に着くまで、昇平は私にしがみついたまま、ほとんど何も言わなかった。少しずつ緊張を解いているのが感じられた。

でも、家に帰ってくると、「○○組、あさくらしょうへい」なんて自分の組と名前を言ったり、園でもらった(借りた?)赤いペンの話をしたり、保育園はまんざらでもなかった様子。
初日の様子によっては、お迎えの時間を早めたり、という対応を考えていたのだが、明日も他の新入園児と同様、11時にお迎えに行くことになったし、昇平にしては、本当に上々の滑り出しとなった。

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私も、昇平が保育園にいる間、どうしているか気になっていたが、おじーちゃんもずっと心配していて、「園からの電話はまだかかってこないか?」などと言っていた。昇平の母子分離不安の様子は、おじーちゃんが一番よく目撃しているので、絶対に保育園でも持て余して、早く迎えにくるよう電話がかかってくると思っていたのだ。
予定の時間まで保育園にいられたので、おじーちゃんもびっくりしていた。

昇平。まず初日をクリア。
よくできました。(^^)

[00/04/04(火) 05:58]

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