昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
診察日・2
◎4月11日の記録
リタリン 1回目 8:00 2回目 12:00頃
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今日は診察日。3時半に保育園へ迎えに行って、その足でM病院へ行った。
「車の中でおやつを食べて、病院でY先生とお話しして、薬をもらって、買い物してからお家へ帰るんだよ」と口頭で説明すると、昇平はちゃんと納得していた。
言葉でスケジュールが理解できるようになったのだから、進歩したものだ。お絵かきスケジュール作戦と称して、絵で行動予定を教えていた頃を、ちょっと懐かしく思い出した。
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Y先生には、保育園が始まったこと、考えていたよりずっとスムーズに園に慣れていっていること、保母と心理的結びつきが出来てきて、保母を心理的な基地として園生活を送っていることなどを話した。
少しずつだが、我慢することなども覚えてきて、短時間ならお集まりの時にいっしょに座っていられるようになったとか、声をかけられたら脱ぎっぱなしの靴をちゃんと下駄箱にしまえた、とかいう話をすると、Y先生も「それは良かったですね」と言って下さった。
昇平の成長を、いっしょに喜んでもらえるのは、本当に嬉しい。(^^)
一度に何もかも急に良くなっていくわけではないが、この調子なら、小学校入学までにはなんとか周囲といっしょに行動できるくらいになるのじゃないだろうか、と先生がおっしゃる。本当に、そうなって欲しいと思う。
実際、保育園に入ってたった1週間で、これだけいろいろと良い変化が現れているのだから、大いに期待したいところではある。・・・もちろん、小学校まであと2年間あるわけだから、焦らずに待とうとは思っているけれど。
昇平、私と先生が話している間、わきからうるさく口を挟んでくる。母が誰かと話していると、いつもこうだ。仕方ないので、途中から切り札(「カービィ」の漫画・・・笑)を出したら、あとは口を挟まなくなった。だが、代わりに本の中のセリフや擬音を大声で読むので、やっぱりうるさい。(^_^;)
「だけど、こういうファンタジーの世界(物語や漫画の中の架空の世界、の意味)に没頭できるのも大事なことなんですよ」と先生が言われた。「以前は、こんなことさえ出来なかったんですからね」。
・・・確かにそうだ。
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その後は、いつものように、昇平の描いた絵を見せ、前回の診察日からの「てくてく日記」を進呈した。
Y先生もインターネットをなさっているので、よくその話題になるのだが、今回は、この日記を、同じような子どもを持つお母さんたちが見に来てくれている話になった。
そうやってインターネットで情報を集めようとする親は、全体の1割か2割か・・・ごく一部ではあるのだろうが、それでも、私が発信しているこの情報が、少しでも役に立ってくれているなら、私としても本当に嬉しいのだ。
今日は、同じようにリタリンを使っている、小学6年生の男の子のお母さんから連絡をいただいた話もした。(星空掲示板に書き込みがあったのだ。)その子は、リタリンのおかげで学校生活をなんとか乗り切れた、と言って良いほどなのだという。
そうやって、インターネットを通じて親同士がつながっていくことに、先生もちょっと感心した様子。(^^)
先生の方では、今度の6月に学校関係者にADHDの話をしに行くのだそうだが、そこでこの「てくてく日記」を紹介しても良いだろうか、と言われた。
私が即座に「どうぞ使って下さい。いっこうに構いません」と答えたものだから、逆に、先生の方がちょっと驚かれたみたいだけど・・・(笑)
確かに、我が子の障害を世間から隠しておきたがる親は多い。取り巻く社会が、それを許さなかったりするのだ。
でも、私たちにはそういうしがらみは少ない。
それに、私たちのこのささやかな記録が、ADHDに関係する親や教師の目に触れて、1人でも多くのADHD児が救われたとしたら、それこそ、私の望むところなのだ。
彼らは、周囲の受け入れかた次第で、どんどん成長していける可能性を持っている。
リタリンを使えば、なおそれはスムーズになるし、リタリン自体、本当に、怖い薬などではなかった。少なくとも、医師の指導の元で使用すれば、何も心配はない薬なのだ。
そういったことを、1人でも多くの親や教師が知ってくれて、子どもたちのために活用してくれたら、それだけで、私もこんなものを毎日しこしこ書いている甲斐があるというもの。
自分の文章の稚拙さをさしおいて、こんなことを言うのはおこがましいのだけれど、気持ちの上では、そんなふうな姿勢でいる。
昇平は、たまにべそをかきながらも、楽しそうに保育園生活を送っている。
すべてがリタリンのおかげではないが、リタリンの助けに寄るところは大きい。
薬のおかげで、生活がスムーズになり、それによっていっそう大きく成長できるのだとしたら、薬だって、決して悪いものではないと思う。
[00/04/12(水) 09:59]