昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

連絡ノートから

◎4月27日の記録

 リタリン  1回目 8:00  2回目 12:00頃

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昇平の担任、まき子先生が書いてくれた連絡ノートの書き込みから。

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昨夜、『にんげんゆうゆう』のビデオを3回目まで観せていただきました。勉強になりました。
特に3回目は、これからの保育に役立つ情報が盛りたくさんでした。
昇平くんの担任になった時に、幾つかの本を読んだりして勉強はしたものの、保育している中で、本当に子のような対処法で誤っていないのだろうか? と考えることもあり、そのようなときはみお先生(もう一人のクラス担任)と相談し、周りの経験ある先生方にお聞きしたり、お母さんからお聞きした対処法をヒントに工夫したりしてきました。
これからも、周囲の方々と連携をとりながら、やっていきたいと思います。

今日は昇平くん、お当番さんだったのですが、「今日のお当番さんは?」の質問に、「朝倉昇平です」とわりと大きな声で答えられたのです。
どのこの時も、名前を言った後は拍手をするのですが、昇平くんがはっきり答えられると、「上手〜〜」と言って、自分のことのようにニコニコ顔で喜んで拍手している子どもたちの顔が印象的でした。

日常でも感じることなのですが、みんな、昇平くんのことを暖かく見守り、受け入れてくれているのが感じられるのです。
だから、昇平くんが多動になって立ち歩いても責める子は誰もいません。
当番(の仕事)で洗濯のタオルを持っていくときも、「私が昇平ちゃんと一緒に行ってあげる」と手を引いてくれた女の子がいました。結局、昇平くんが手をつながなくて、ダメだったのですが・・・。

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この連絡ノートを読んだとき、私がどれくらい嬉しかったか、ご想像いただけるでしょうか?(^^)
ADHDをよりよく育て伸ばしていくためには、親、医者、教師、そして周囲の大人や子どもたちの理解と協力が必要だと言われるわけですが、昇平はほとんどそのすべてに恵まれているのです!

親である私の意見を真摯に受け止め、ADHDの情報を集め、日々の昇平の様子を観察しながら対応してくれる担任の先生。それを支えてくれている保育園の先生方。そんな先生たちの姿を見て、同じように、昇平を受け入れ見守ってくれている、クラスの子どもたち・・・・・・。

昇平は、本当に、幸せな子どもです。

でも、ひとつ思うことは、その幸せは単なる偶然の産物ではない、ということ。
もしも、昇平がADHDだと分かっていなかったとしたら、保育園はここまでの対応をしてくれなかったかもしれません。
担任は立ち歩き、お集まりを妨害する昇平を「困った存在」と見て、もて余すかもしれなかったし、そうしたら、クラスの子どもたちも昇平を責めたことでしょう。毎日ケンカが絶えなくなって、昇平は保育園が大嫌いになったかもしれません。

我が子に障害があると認めることは辛いことですし、それを他人に話すことも、決して嬉しいことではありません。
でも、我が子がよりよく受け入れられ、指導してもらうためには、やはり、「うちの子はADHDなのです」と言って周囲の理解と協力を求めることは、必要なことのように思うのです。
そう、『にんげんゆうゆう』の中で、専門家が言っていたように、「ADHDという診断名は、今まで見逃されてきた(障害ある)子どもたちに手をさしのべるための」ラベルなのだ、と。

[00/04/28(金) 05:58]

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