昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
言葉による理解
◎6月21日の記録
リタリン 1回目 8:00 2回目 12:00頃
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昨日、お兄ちゃんが突然熱を出した。頭が痛くて、体が痛くて、とても暑い、という。
夜、体温を測ってみたら、38.1℃あったので、薬を飲ませて休ませた。
ところが、具合が悪くて文句ばかり言っている兄に、昇平がおびえてしまった。
耳を押さえて、「お兄ちゃん、泣いてるよ〜」と自分もべそをかく。
そこで、「お兄ちゃんはね、頭が痛いんだって。病気になったの。お熱もあるんだよ」
すると、昇平のおびえ方が急に減った。
理解したようなので、「お母さんの言ったこと、分かった? お兄ちゃんがどうしたんだっけ?」と確認してみると、ちょっと考えてから、「おにいちゃん、頭いたい。びょーき」とちゃんと答えるではないか。
それ以降は、兄が苦しそうに文句を言っても(「あ〜、頭痛い」とか「体が重いよぉ」とか。とにかく、黙っていることのできない子なものだから。)昇平は落ち着いて本などを眺めていた。
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この言葉による理解は、他の場面でしばしば見られるようになってきた。
おばーちゃんが出勤するときも、ただ「ほら、いってらっしゃいでしょ」と言うと、反応がいまいちだったのに、「おばーちゃんがお仕事に行くって。いってらっしゃいって言おうね」という言い方をすると、たちまち「いってらっしゃ〜い」と反応する。
毎朝、おじーちゃんは昇平に何度も「おはよう」を言わせるので、昇平はおじーちゃんにあいさつするのが苦手なのだが、「おじーちゃんはね、昇平くんの声が聞こえなかったんだって。おじーちゃんの方を見て、もういっぺんおはようって言ってあげようね」と言い聞かせると、すんなりおじーちゃんに「おはよー!」と言う。
母がPTAの集まりで夜出かけることになっても、それを言葉で説明すると、きちんと理解して留守番できるようになった。しかも「うん(分かった)」なんてお返事付きで。(^_^;)
普通の子どもなら、当然、見れば分かるようなこと、自然に理解できるようなことも、社会性の発達が立ち遅れている昇平には、なかなか分かりにくい。
けれども、言葉による理解力が伸びてきているので、それを使えば、他人の気持ち、他人の状況などを理解させることができるようになってきたのだ。
昇平は、自分に理解できないことにとても不安や緊張を感じるようで、そういうことに遭遇すると「無視」や「拒否」という態度に出るのだが、言葉で理解できると、そういった不安が軽減するらしい。
まぁ、これは昇平に限らず、誰でも同じだけれど。
社会性の弱さは弱さ。なくなることは決してないけれど、それを補うように言葉の力が伸びてきたので、これを使って、周囲の世界にもっと目を向けられるようにしてやりたいな、と思っている。
[00/06/22(木) 05:37]