昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

他人への無関心

◎7月21日の記録

 リタリン  1回目 8:30  2回目 12:00頃

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昇平は今日からまた保育園に行きだした。
保育園が大好きなので、長く休んだ後でも全然嫌がらず、ご機嫌で登園するので、こちらも助かる。
園では、まだ病み上がりだったからか、時々「咽が痛い」とか言いながら、まき子先生に抱っこをせがむことが多かったそうだ。でも、家に帰ってきてからは、咽の痛みなど一度も訴えなかったのだから、やはり先生に甘えていたのだろう。

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昇平は人を見分けているような気がする。
自分の想いや、やりたいこと、言いたいことを汲み取って理解してくれる相手には、とことんなつく。
保育園のまき子先生やおばーちゃんなんかが、そのタイプの人。
自分がうまくしゃべれないことを知っていて、だから、不十分な自分の言葉やボディランゲージでもちゃんと理解してくれる相手だと、心を開くのかな、と思ったりする。

一方、自分の言いたいことを聞き取ってくれないような相手には、まるで無関心な反応になる。
たとえば、M病院のY先生(苦笑)や、おじーちゃん(大苦笑)。
Y先生は、少し忙しすぎ。(^_^;)
昇平の遊びや読んでいる本などに興味を持ってじっくり相手をしなくては、昇平は、「この人は自分の気持ちを分かってくれる人だ」とは判断しないのだ。次々に患者を診なくてはならないお医者さまには、ちょっと酷な要求かな、と思いながら見ているけれど・・・。
おじーちゃんは、本来、他人の考えを理解するということが苦手な性格なうえに、耳も遠いと来ている。昇平がせっかく話しかけても聞き取れないことが多いし、昇平の態度から昇平の気持ちを理解することもなかなか出来ない。
家の中では、母の次くらいに接触時間が長い人のはずなのに、おじーちゃんに話しかけられても昇平が返事をしないことが、本当に多い。わざと無視しているわけではない。おじーちゃんの言葉が、昇平の中に届かないのだ。

無関心な反応。
そこに相手がいるのに、まるでいないかのように、目もくれず、関心も示さず、もちろん話しかけたりもしない。相手に話しかけられても全然聞こえていないように見える。自分の興味のあるものにだけ、黙々と取り組んでいる。
・・・そういう状態。

母などが「ほら、おじーちゃんに『ただいま』は?」と促せば、ちゃんと挨拶できるが、それを言わないと、いつまでたっても自分から挨拶しようとはしない。
外遊びして家に入ってくるときには、台所の母に向かって「ただいま〜!」なんて元気に言うことが多いのに。
一時、帰宅が遅く休みもなかなかとれない旦那が、同じような無関心の対象になったものだから、私としても気をもんでしまった。おじーちゃんやお医者さまなら、ある程度仕方ないと思っても、自分の父親まで「世界の外の人」になってしまうのは、どうしても良くないと思ったから。
旦那に関しては、最近できるだけ休みを取るようにしたり、帰りの早い日を作ったりするようになったので、今では昇平もまた父の帰宅を喜ぶようになった。自分から話しかけたり、何かを伝えようとしたりするようにもなった。一安心。(^_^;)

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昇平は、本当に、人と人との繋がりを感じ取る部分が弱いのだな、と思ってしまう。
普通、これだけ接している時間が長ければ・・・あるいは、頻繁に会っているような人であれば、いつの間にか慣れて、話をしたり話しかけられたことを聞き取ったり出来るはずなのに、「この人はOK」と認めなければ、いつまでたってもその人には無関心なままなのだから。
リタリンを飲み始めてから、集中力も伸びたし、多動も改善したし、いろいろな面で良い反応がでてきているのだが、この「社会性を伸ばす」という部分だけは、どうやって改善させていったらよいのか、本当に頭を悩ませてしまうところなのだ。
悩みは尽きない。

[00/07/22(土) 06:08]

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