昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

給食と赤ちゃん返り

◎9月11日の記録 

 リタリン  1回目 8:15  2回目 12:30頃
 
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前にもちょっと書いたけれど、今日は最近の退行現象のひとつ、給食のことについて。

6月頃から先生方が給食指導にとても力を入れてくれたおかげで、偏食が極端にひどかった昇平も、好きなおかずならずいぶん食べられるようになり、箸も、スプーン握りでだが、自分で使って食べるようになってきていた。
わきに先生がついて食事指導しなくても、時々声かけするだけで大丈夫になっていたらしい。

ところが、今月に入ってガードの練習が始まったら、それと平行するように、給食が食べられなくなってきてしまったのだ。
今まで平気で食べていたおかずを「これ、まずい」「苦いよ」「いらない」と泣いて拒否することが多くなったという。
食べるスピードも極端に遅くなり、時間内に食べ終われなくて、最後は廊下に出て食べるようになっている。(教室の中では、食べ終わった子どもたちのためにビデオをかけているので、そちらに気をとられないよう、教室から外に出て食べるようにさせているのだ。早く食べられない罰ではないので、念のため。)
しかも、以前は、「外に出て食べる?」と聞くと、「ううん、外に出ない」と言って、あわてて食べ終わっていたらしいが、最近では「うん、外に出る」と答えるらしい。そして、廊下に出て、先生と一対一になると、それまで嫌がっていたおかずもすんなり食べてしまうという。
箸使いも嫌がるようになってきたので、またスプーンに逆戻り。
とにかく、自分から食べなくなってしまったので、先生が少しずつ食べるように促しているところなのだ。
「お給食に関しては、また一からやり直しです」と、お迎えの時、まき子先生が苦笑いをしていらした。

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ところが、家での食事の様子を見ていると、そんな変化はまったくと言っていいほど見られない。
いつもと変わらない様子で食べているし、おかずだって、今まで食べなかったような野菜も、「これ3つ食べたらごちそうさまにしようね」などと言うと、がんばって食べられるようになってきている。
箸は・・・まだ、全然使う気がないようだけど。(^_^;)
でも、手づかみ食べをしているときに「お手々で食べるのはお猿さんだよ」と言うと、あわててスプーンやフォークを持つようにはなっている。ちなみに、直接口を皿につけて食べようとしたときには「それは犬さんの食べ方」と教えるようにしている。・・・逆に受けちゃって、犬ごっこが始まってしまうこともあるけれど。(苦笑)

でまぁ、この様子を見ていると、やはり給食を食べなくなっているのは、先生に対する甘えが出ているんだろうなぁ、という気がしてしょうがない。
運動会が近づいてきて、先生方は、子どもたちにガードやリングの演技を指導し、昼寝タイムや放課後には運動会で使う製作物を作り、とにかく、あれやこれやと忙しい。うちと毎日交換していた連絡帳さえ、今の時期は先生方のコメントがお休みになっている。書いている暇がないのだ。
これまでまき子先生やみお先生に特別に目をかけ、手をかけてもらっていた昇平としては、やっぱり淋しさを感じているのだろう。
だから、以前のように先生から個別指導してもらいたくて、給食が退行現象を起こしてしまったのだ。・・・きっと、無意識のうちの反応だろうけれど・・・。

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私が去年の年末に急に在宅の仕事を始めたときにも、退行現象は起こった。
それまで失敗無しだったおしっこを、急に漏らすようになってしまったのだ。
先日、スーパーで出会った友人も言っていた。この秋から下の子も保育園に預けるようになったのだが、行くのを嫌がる。行ってしまえばけっこう楽しく過ごしてくるのだが、変わりに、またおもらしをするようになってきてしまった、と。

子どもたちは親や先生たちに丁寧に面倒を見てもらえた時代を覚えていて、無意識のうちに、そこへ帰ろうとするのだろう。
それを昔から「赤ちゃん返り」と呼んだりするけれど。

先生たちも一生懸命だから、今、あれこれ要求するのは酷だろう、という気がしている。
給食が充分に食べられなくても、家ではそれを補うように食べていることだし。
「給食に関しては、また一からやり直しです」というまき子先生の言葉が、たぶん、一番正しい対応策なのだろう、と思いながら様子を眺めている。

[00/09/12(火) 05:52]

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