昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

児童相談会・1

◎11月6日の記録 

 リタリン  1回目 8:15  2回目 13:30
 
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予約してあって地区の巡回児童相談会というものに、昇平と旦那と、昇平の担任のまき子先生との4人で参加してきた。

今まで半年ごとに受けてきた発達相談会というのは、地域の保健所が主催してきたもの。今回のは「児童」と銘打ってあるとおり、児童相談所が主催している相談会。
来年には就学について考えなくてはならないので、いまから児相とつながりを持っておこう、という思惑もあった。が、なんといっても、こちらの相談会に、以前お世話になった心理士のN先生がいらっしゃるのが、一番の理由だった。
N先生は自閉症について詳しい心理士で、1年前までは保健所の発達相談会に来て、昇平を定期的に見てくれていた。様々な事情からその後、発達相談会の方は別の心理士の先生に代わったのだが、児相の相談会にはNさんがいらっしゃる、というのを、親戚の保健婦が聞いてきて、ぜひまた見てもらおう、という話になっていた。

主治医のY先生は、昇平を自閉症のような特長のあるADHDと診断している。
だが、診る医者によっては、または、診てもらった時期によっては、昇平は自閉症とか自閉傾向と診断された可能性も高い、と私は思っている。
ADHDの治療のためにリタリンは飲んでいるし、いろいろと効果も上がっているけれど、もしかしたら、自閉症のための対応法が抜け落ちているかもしれない。その対応法ももっと積極的に取り入れた方が、昇平のためには良いのかもしれない。
そんなことを考えたものだから、Nさんには初めから、昇平を自閉症児と捉えた上での指導法を聞かせてもらうことにしてあった。
(ちなみに、保健所の相談会の時代にも、Nさんは初めから昇平を自閉症と見ていた。ただ、Y先生の診断とは異なっていたので、そうとはっきりと言われたことはなかったけれど。TEACCHのガイドブックをわけていただいたり、ということもあった。)

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さて、相談会会場に到着。
スタッフがまだミーティング中だったので、別室で少し待たされる。もう一組、別のチームに診てもらうらしい母子が待っていた。少し緊張気味のご様子。
一方こちらは総勢4名の団体さん。(笑)昇平はお父さんをかたわらにお絵かきに夢中だし、私とまき子先生は保育園や家庭での昇平の様子について話し合っていた。・・・私と先生との話、というのは、たいていかなり明るい。内容は深刻なこともあるのだけれど、なんとなく、一緒に昇平を育てているチームメイトみたいなところがあって、和気あいあい、けっこう楽しく話し合ってしまうことが多い。だから、きっと、かなりのんびりした様子に見えたかもしれないなぁ。(笑)

やがて、和室に呼ばれたが、部屋の奥に長テーブルがひとつあって、そこでNさんがお待ちだった。その前には座布団。わきの方に、事前聞き取りや保育園視察に来て下さった児相のTさんや、私たちの親戚の保健婦、それと、お医者様(男性)も控えていて、昇平の観察モードに入られていた。

少しの間、母やまき子先生に聞き取りがあった後、昇平の検査が始まった。
田中・ビネー式検査。
昇平は半年ごとにこの検査を受けていて、今回が3回目。Nさんにも、ちょうど1年ほど前にやっていただいていた。
その時には、昇平はまだリタリンを飲んでおらず、質問に集中することもできなければ、質問された意味を理解することもできなかった。(質問が彼の中に入っていかなかった。)
それで、母が先生の質問を繰り返したり、彼に分かりやすいことばで置き換えたりして、なんとか検査をすませた・・・という、忘れられない思い出がある。
ちなみに、半年前の別な心理士による検査の時には、途中で「絵本が見たい、外に行きたい」と大パニックを起こし、それがおさまるまでに15分以上検査が中断された。
それに比べると、今回はずっと検査がスムーズだった。
Nさんの質問には、直接昇平が答えられたし、途中でパニックも起こさなかったし。
ただ、11時を回るあたりからリタリンの効果が切れ始めたようで、集中が落ちてきて、検査から気持ちが離れ始めてしまった。それに引き戻したり、別なことをしたがるのをやめさせたりするのに、いくらか苦労した。

でも、検査そのものは以前よりずっとよくできるようになっていた。
何と言っても、ことばに関する質問にかなり応えられていたのが印象的だった。
「ひよこは小さい。にわとりは?」と聞かれて「大きい」なんてちゃんと答えていたし。
ただ、「目は何のためのもの?」とか「帽子はなにをするのためのもの?」という質問には答えられなかった。
今現在の昇平の言語能力では、確かに答えられないと思う。
理由を話す、ということは、彼にとってはまだ、非常に高度なことだから。
それから、「先生の言うことを真似していってね」という設問もできなかった。
これに関しては、あれ、おかしいな、という気がしたので、家に帰ってからお風呂で似たようなことをしてみた。ちゃんと復唱クリア。・・・検査の場では、集中がとぎれて、言われていたことが分からなかったらしい。(^_^;)

その間、旦那とまき子先生は昇平の行動に関しての質問票を、頭を付き合わせるようにしながら記入。
それと検査の結果とを照らし合わせて、昇平の発達指数(いや、知能指数? この検査でどちらが出るのか、よく分からないな。誰か教えてください)が算出されたけれど、1年前と比べて10ポイントも上がっていた。
やはり、ことばの発達・理解によるものが大きいらしい。
ただ、相変わらず発達にでこぼこがある、とは言われた。ま、そのとおりですね。(^_^;)


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まだまだ相談会について書きたいことがあるのだけれど、今はこれで時間切れ。
また明日続きを書くことにします。

[00/11/07(火) 06:06]

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