昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
問題解決への道
◎11月18日の記録
リタリン 1回目 8:20 2回目 11:30
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保育園に入ってから、昇平には次々と難問が生じていた。
例えば、給食やおやつをまったく食べようとしない。
本ばかり読んでいて、他の子のすることに関心を示さない。
午睡時に立ち歩き、本を読みたがって声を出し続ける。
ウンチやおしっこの排泄のしつけができていない。
歌や手遊び、お集まりといった集団活動に加わろうとしない、
泣いている子の声にパニックを起こして、その子や先生に乱暴してしまう。
などなど・・・。
それらの問題ひとつひとつに、担任を初めとした先生(保育士)たちと私たち親は、一緒になって解決法を考え、あれこれ試しながら進んできた。
おかげで今では給食も、好きなおかずならば食べられるようになったし、家にいるときよりもいろいろなものが口にできるようになった。担任から今日食べたものを聞かされて、「え? 家ではそれは絶対に食べないんですけど・・・」と母が戸惑うのなんてことは、しょっちゅうある。
給食の食べ終わりに時間を気にしすぎて、口いっぱいにほおばったり、パニックを起こしたりしていた件も、今週に入って急に落ち着いたそうだ。
多分、ある日突然「時間までに食べ終わらなくちゃならないんだ」と気がついたのと同じように、ある時突然「時間はまだ充分あるんだから、焦らなくてもいいんだ」と気がついたのだろう。
こういう状況理解は、いつでも、「ある日突然」できるようになっている気がする。
本ばかり読みたがることは、本を読める時間を決め、それ以外の時間は手の届かないところに本を片づけてしまう、というところから始まった。
初めは本を読みたがって騒いでいたようだが、何度も「○○の時間になったら読んでもいいよ」と教え続けたらば、いつの間にか、本が手の届くところにあっても、その時間以外には読まなくなったそうだ。
本を読む時間がコントロールできるようになったら、保育園での集団活動などに目が向くようになった、と担任から報告を受けた。
ちなみに、この問題には、家庭では対策を打たなかった。
自分の家にいるときくらいは、好きなだけ本を読んでもいいだろう、と思ったから。
実際、家では他にもいろいろと関心の対象があるので、本ばかり読んでいてそれだけで終わる、ということはない。本を読んではまずい場面ならば、「後で読もうね」と一時預かりにすると、それで納得しているし。
午睡時の立ち歩きには、まず、本を好きなだけ読んで良いことから始まり、「1時になったら」読んで良い、と時間を遅らせて待つことを覚えさせ、さらに「1時半になったら」と時間を伸ばしていったようだ。
今現在、午睡時の読書がどんなふうになっているのか、よく分からないが、おそらく全然読んでいないか、皆が少しずつ目覚め始める午睡の最後の頃に、先生の許可を受けて読んでいるか、そのあたりだろうと思う。
3才前から昼寝をしなくなっていた子だから、保育園でも午睡はしないけれど、それでも布団に入っておとなしく待てるようになってきたらしい。
そして、我慢できなくなると、少し立ち歩いたり、それを注意されると、たびたび「おしっこ出る」といっては、トイレに息抜きに行くらしい。
午睡の時間は特に、朝と昼のリタリンの端境期に当たっているので、おとなしくしているのが難しいらしいが、こんなふうになんとか乗り切っているのならば良いかな、と思って見ている。(笑)
おしっこに関しては、最近、急に失敗の数が減ってきている。
家でも「おしっこ出る」と言って自分でトイレに行こうとするようになってきている。
ウンチも、保育園では成功するようになってきた!
「ウンチはどこにするの?」「オムツ、パンツ」「違うでしょ」「トイレ」「そうだね。じゃ、トイレでウンチする練習をしようか」という具合に始まったらしい。
初めはウンチが出てしまった後に力む練習をして、「上手にりきめたね〜」とたくさん誉めたそうだ。
そのうちに、がんばって力んで、本当に出ることも増えてきて、、最近では自分から「ウンチが出る」と教えることもあるのだそうだ。
家庭ではまだそこまでは成功しないけれど、担任から「トイレット・トレーニングは園と家庭の両方で進めていくのが成功の秘訣ですよ」と言われて、トイレで力む練習をさせているところ。
手応えとしては、もう少しでできそうな感じ。がんばれ、がんばれ〜!
手遊び、リズム遊び、集団活動。
これにも最近、とても関心が向くようになってきた。
担任いわく「歌や手遊びが昇平くんの中に落ちていくのが見えます。」
友達と一緒に歌の振りを楽しんで大声で笑い合う場面も、見られるようになってきたらしい。
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そして、最近の最大の問題だった「泣いている子や、叱っている先生に乱暴をしてしまう」件。
これに関しては、連絡帳にこんなことが書かれてきた。
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午睡前に友達のケンカが始まり、(昇平くんが友達に)パンチをしていたので、すぐにその手をにぎって抱っこして、「大丈夫。仲直りしたら泣きやむから見ててごらん」とケンカの続きを最後まで見せました。
(友達が)素直にごめんなさいを言えなくて解決に少し時間がかかりましたが、「昇平くんがパンチしたら、もっと泣いちゃうからね。ちゃーんと仲直りできると、泣きやむんだよ」と言い聞かせながら、気長に待ちました。
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これを連絡帳で読んだとき、私は、直感的に「これだ! この方法だ!!」と思った。(^o^)
最近は、ある特定のお友だちの泣き声にだけ反応するようになっていた昇平。
その子たち(2人いる)は、一度泣き出したらなかなか泣きやまず、周囲のお友だちともトラブルの多い子。
つまり、昇平がいくらその場から避難して、頃合いを見計らって戻ってきても、まだ泣き続けているような、そんな子たち。もちろん、その子たちに「泣くな!」と言ったところで泣きやむはずもないから、黙らせたくて手が出る、という反応になるらしい。
「一時避難」して「落ち着いたら戻ってくる」という対処法ではどうにもならない相手なのだ。
この件に関しては、私は、先生たちの対応に一任していた。
もちろん、家でも「泣いているお友だちをぶったら、よけいに泣いちゃうからね」と言い聞かせては来たけれど、基本的には、現場に立ち会う先生方に任せるしかないことだから。
それに、保育園の先生方は、この手の指導に関しては経験豊富なプロだから、きっと何か良い方法を見つけてくれるだろう、と思っていた。
ケンカの最後までを見守らせて、仲直りすれば泣きやむことを学習させる。
これは、昇平にとって絶対に効果がある、と私にも直感できた。
現に、その後、泣いている子への乱暴が(なくなってはいないけれど)軽くなってきて、落ち着きを見せてきた、という。
また、悪いことをした子を叱っている先生にキックしたり、噛みついたりする問題。
これは、特定の子以外の子供を叱っていても起こっているらしいが、こちらの度合いも少しずつ減ってきているようだ。
今日も、お迎えの時に、隣のクラスの先生が子供を叱っていたら、先生にキックをしたらしい。
まき子先生がすぐにそれを止めて「ごめんなさいを言おうね」と言ったら、ちゃんと「ごめんなさい」と謝ったという。
すると、隣のクラスの先生が「昇ちゃんがここにチューしてくれたら許して上げる」と言ったので、本当に先生のほっぺにチューをしたのだそうだ。(笑)
感情のコントロールはまだ不完全だけれど、少しずつ、やっていいこと悪いこと、我慢しなくてはならないことを覚えてきているんだな、と感じた。
※追記
ところで、考えたこと。
泣いている子に乱暴しているときの指導には、複数の先生の対応が必要だ。
昇平を止めて、落ち着かせ言い聞かせる先生と、泣いている子の方に対応する先生と。
こういうちょっとした場面、場面で、複数の先生が協力することが大事なんだろうな。
連携の良い複数担任制や、クラスを越えた先生たちの協力というものが、これからますます広がっていくと良いな、と心から思っている。
[00/11/19(日) 07:49]