昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

親バカのすすめ

◎12月5日の記録

 リタリン  1回目 8:20  2回目 13:00頃
 
   ☆★☆★☆

昨日のこと。
昇平が絨毯の上に座り込んで、お菓子を食べながら何かをしていた。
と思うと、顔を上げて、嬉しそうに呼びかけてくる。
「みてみて! ぱおうだよ!」
そばにいた旦那がどれどれと覗くと、絨毯の上には、トッポという細長いお菓子を折って並べて、「パ王」という文字が作ってあった。
パ王というのは、今、旦那と子どもたちがはまっているゲームに出てくるモンスターの名前。(笑)
「わあ、本当だ。本当にパ王だねぇ」と旦那に言われて、昇平、嬉しそうな顔。
さらに、それを聞きつけてやってきた母とお兄ちゃんからも「本当だ。昇平くん、上手だねぇ」「へー、すごいね」などと誉められて、もう、ピョンピョン飛び跳ねて大喜び。今度はポッキーを折って、「シレン」というキャラクター名を作って、またまた誉められていた。(笑)

躾の面から言えば、食べ物でそんなふうに遊んだりしてはいけない、と注意するべきなのかもしれない。
絨毯の上なんかに食べ物をおいては不衛生だ、と叱るべきなのかもしれない。
けれども、我々はそのあたりには無頓着な方なので(^_^;)、純粋に、昇平がしていることを楽しめてしまう。

実際、彼のすることは面白いのだ。
突然、ビスケットを半分に割って、「メダルが二つに割れちゃったよ」。
キュウリの輪切りを一口かじって、「ほら、お月さま」。(三日月の形になっていた)
もっとずっと幼くて、ことばもろくに話せなかった頃に、スライスチーズと枝豆でテーブルの上に汽車ポッポを描いたこともあった。
それは家族中から絶賛されて、記念写真まで残っている。
そういえば、当時、茶の間のテーブルは昇平のお絵かきスペースで、毎日クレヨンで好きな絵が描かれていたっけなぁ。・・・もちろん、水性クレヨンなので、拭けば落ちたけれど。

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ADHDの子供は叱るより誉めて伸ばせ、とよく言われる。
でも、私たちは、そんなことはあまり意識していない。
悪いことをしたときには、やっぱり叱るし、注意だってする。聞き分けがないときには、頭をゴツン、とするときだってある。(もっぱらやるのは私だけれど。笑)
ただ、昇平が楽しいと思うことは、私たちにも面白いし、昇平がなにかユニークなことを思いついたときには感心してしまう。躾うんぬんなんてのは、二の次、三の次で、とにかく一緒に楽しんでしまうのだ。
ここだけは、うちの家族、誉められても良いかも、なんて思うことがある。
ちょっとしたことだって、彼らは、本当に面白い。
観察すればするほど、本当に本当に面白い。

あなたがもしも、ADHDと診断されたお子さんをお持ちだったら、「ここが良くない」「あそこが悪い」と欠点ばかり数え上げるのを止めて、ちょっとしたことでいいから、子供の面白いところを見つけてみませんか?
へぇ、こんなことに興味があったんだ。よく知ってるなぁ。
なるほど、こんなふうに考えたから、こういうことをしたわけね。他の子にはちょっと思いつかないような発想じゃない?
今度は何を始めたのかな? ああ、○○になったつもりなのね。う〜ん、ポーズが決まっているじゃないの♪
親バカの度数をちょっと上げれば、子供の良いところはたくさん見えてくるはず。(笑)
それに、そうやって、子供にたくさんいいところを見つけて上げられるようになったら、たまにひとつふたつ叱らなくちゃならない場面が出てきたって、子どもの方でも、余裕を持ってそれを受け止められるようになる気がするのだけれど・・・。

だから、親バカ万歳!

私は、そう思っている。

[00/12/06(水) 05:54]

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