昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
診察日・13
◎1月25日の記録
リタリン 1回目 8:30 2回目 13:40
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夕方、昇平とM病院へに行ってきた。
昇平を診察に連れていったのは、本当に久しぶりのこと。
今までは、診察室で昇平が普段の様子を全然見せていなかったし、保育園が昇平の療育施設になっているので、できるだけ休ませたくなくて、診察には私だけが行って、最近の昇平の様子を口頭で報告していたのだ。
でも、近頃昇平もだいぶ状況が分かるようになってきたし、たぶん、診察室でもそれなりの様子を見せるだろうと思って、今回、久しぶりに連れていったのだった。
Y先生が外出中で、夕方4時過ぎでないと戻らないという話だったので、保育園にいつもより少し早くお迎えに行って、その足で病院へ回ったのだが、ちょうど夕方のラッシュが始まりかけていて、診察時間に間に合わなくなるんじゃないかと心配してしまった。
幸いなことに、昇平は今日の給食を食べ終わるのにすごく時間がかかったらしく、午後のリタリンを飲むのが遅かった。診察を受けたときにも、まだ薬は効いていたようで、落ち着いた様子を見てもらえて良かった。
「先生に『こんにちは』は?」と母に促されて、はっきりと「こんにちはー」と言いながら診察室に入っていった昇平。
その姿を見るなり「ああ、ちゃんと大きくなっていますね」と安心したように先生が言った。
それを聞いて、リタリンには成長阻害の副作用がでることがある、ということを久しぶりに思い出してしまった。(^_^;)
うちの昇平の場合、初めの頃の食欲減退もなくなり、本当に体がどんどん成長しているので、最近では、そんな副作用があるということを忘れかけていたほどだったのだ。
母が先生と話す間、昇平はしばらく本を眺めていたが、そのうち、しきりに母に話しかけるようになってきた。
たぶん、母が先生とばかり話しているのが気に入らなかったのだろう。
診察時間の終了時間も迫っているし、ある程度観察もしてもらったので、早めに引き上げてきたが、その間にも、先生はしきりに「ずいぶん成長しましたね」「良くなっていますね」と繰り返していた。
久しぶりに直接見たので、昇平の成長ぶりが、なおいっそうよく見えただろうな、と思った。
「昇平くんは、自閉症のようなところももう、ほとんど無くなりましたよね」とも。
そう。最近の昇平は、もう自閉傾向があるようには見えなくなってきている。
確かにまだこだわりがあったり、状況がよく理解できなかったり、パニックを起こしたりすることはあるけれど、落ち着いた状態の時に分かりやすく話しかけると、理解できることが多くなって、それに伴って、どんどん自閉的な部分は減ってきているのだ。
かわりに、チョロチョロ多動なADHD的部分が目立つようになってきたけれど・・・(笑)
「今までは、成長が遅れていたために自閉症のように見えていたのだけれど、成長するに連れて、それが改善されてきたんでしょうね」とY先生。
今の昇平を見ていると、確かにそうかな、と思う。
けれども、今から2、3年前の頃の昇平を見て、そんなふうに診断できる医者は少なかっただろうと思う。(その頃はまだどこの専門機関にもかかっていなかった。)
どの医者も、まず間違いなく広汎性発達障害(PDD)か自閉傾向の診断を下していたに違いない、と今でも私は思っている。
最後に診察室を出るとき、昇平がドアをうまく開けられなくて、四苦八苦していた。
以前は何でも自分でやってしまっていた昇平だが、コミュニケーションがうまくなるのと同時並行して、何でもすぐに大人にやってもらおうとするようにもなっている。
「あかない、あけて」と言う昇平に、Y先生が「自分でやるんだよ。ドアをつかんでねじってごらん。ぎゅっとするんだよ」と話しかけていた。
そう。そうやって、昇平がきちんと聞き取り、理解できるか観察しているのだ。
すると、昇平、ドアノブについている鍵の部分をねじってしまった。
「あらら、それじゃ鍵がかかっちゃったよ。そこじゃないよ」と言われて、あわてて鍵を外す昇平。
どうにかノブをねじってドアを引き開けたが、今度はドアをうまく押さえながら開けることができない。
先生がドアを上の方で押さえて「こっちを見てごらん」と話しかけていた。
昇平は何とかドアをくぐり抜けようと夢中だったので、なかなかそれに気づかなかったが、やがて、やっと先生を見て、ドアを押さえて通っていった。
が、すぐにドアを離してしまったので「おいおい、お母さんは? 通れないよ」とまた先生に言われる。
母も「お母さんが診察室から出られないよ〜」と訴えると、あわてて戻ってきて、ドアを開けてくれた。そんな一連の様子を見て、先生が「だいぶわけも分かってきていますね」と言った。
はい。
まだまだ時間はかかりますが、でも、着実に状況理解も進んできていると思います。(*^^*)
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今回の診察を見ていて、これからは、もう少し頻繁に昇平を連れていっても良いかな、という気がした。
もちろん、本当はそうするべきなのだけれど、今まではあまりに昇平の診察態度が良くなくて(というか、全然いつもの調子を見せなかったので)母が診察の度に落ち込んでしまって、精神上良くなかったのだ。(^_^;)
いくら母が「成長してきています」「良くなってきたところがあります」と言っても、目の前にいる本人が、ここはどこでもかまわない、今は何をするところかまるで無関心、といった様子で、自分の興味の対象にだけ夢中になっているようでは、まるで信憑性がないのだもの。
でも、今回の診察では、改めて私も昇平に見るべきところを見たような気がするし、これからは、1カ月に1度くらいのペースで本人も連れていって良いかな、などと考えている。
[01/01/26(金) 05:57]