昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
ささやかなソーシャルトレーニング
◎2月4日の記録
リタリン 1回目 10:00 2回目 13:30
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隣町にすむ母の友人宅へ、昇平を連れて遊びに行った。
星空掲示板にたまに登場する、西南さん。母が遊びに行ける、数少ない地元の友達だ。
昇平も時々一緒に行っているので、そのお宅は勝手が分かっている。着くとすぐに、押入を開けておもちゃを出したがった。
母が「ちゃんと『開けてもいいですか』って聞かなくちゃダメだよ」と言っても、聞く耳持たない。
すると、西さん、昇平を引き戻して「ちゃんと西さんに聞いて」と言ってくれた。
昇平 「開けていいよ」
西さん「違う違う」
昇平 「おもちゃ(の押入)開けてもいいよ」
西さん「そうじゃないよ。西さんに『開けてもいいですか』って聞くの」
昇平 「開けてもいいよ」
母 「『開けてもいいですか』って聞かないと、押入を開けさせてもらえないんだよ」
昇平 「開けてもいいですか?」
西さん「いいよ」
昇平は一散に押入に突進して開けて、中からおもちゃをとりだし始めた。
なんとしても押入を開けさせてもらいたくて、西さんに言って欲しいセリフ(「開けてもいいよ」)を繰り返していたのだ。(^_^;)
普通、家族以外の人の場合、こういうふうに昇平に対処してくれることはまずない。
「開けてもいいですか?」「借りてもいいですか?」と子どもが言わなくても、また、家人がそれを言わせようとしても、「いいから、いいから。好きに遊びな〜」なんて言ってすませてしまったりする。
挨拶にも同様のことが多い。親が本人に言わせようとすると、その前に相手の方で「はい、こんにちは」なんて代わりに言ってくれて、それで終わりになってしまうことがよくある。
西さんの場合、この「てくてく日記」を普段から読んでくれているものだから、昇平にそういうソーシャルトレーニング(社会性の訓練)が必要なのを理解してくれていたのだ。
少し遅れて来た別の友人(おなじく常連のおぐまさん)も、昇平に向かってはっきりと「こんにちは」と挨拶してくれて、昇平の方でもちゃんと「こんにちは」が言えた。
こういうソーシャルトレーニングは、家で練習していてもなかなか進歩はしない。やはり、そういう場面で言ったりやったりすることで身に付いていくものだから、それをきちんと理解して子どもにやらせてくれる人は、本当にありがたいと思う。
自分自身は、といえば、昇平が生まれる前までは、やっぱり「いいから、いいから。」派だったような気がする。(^_^;)
でも、今は、子どもがきちんと挨拶したり許可を得たりする体験そのものが少ないから、その数少ない機会を、さらに減らしてしまわないよう、他の子どもさんに対しても、本人が言うのをきちんと待つようにしている。
ささやかなソーシャルトレーニングではあるけれど、その積み重ねが大事なのだろうと思うから。
[01/02/05(月) 06:08]