昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
歯医者の待合室で
◎2月14日の記録
リタリン 1回目 8:20 2回目 12:00頃
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保育園に3時半にお迎えに行って、歯医者に連れていった。
先週型取りした虫歯の穴に、詰め物をしてもらうのだ。
早く帰れたからか、昇平はご機嫌。ただ、「削らない?」と何度も確認してきた。
詰め物をするだけだから、削らないと思うよ、とは答えたものの、もしかしたら少し削ることがあるかも、とは言っておいた。・・・でも、昇平には、そういう微妙な表現は分からなかったけれど。(^_^;)
待合室に入ったら、いつにもましてたくさんの人が待っていたので、これは時間がかかりそうだな、とひそかに心を決めた。最近は昇平もおとなしく待てるようになってきたので、待ち時間が長くても、昔のように心配しなくてすむ。以前、母が同じ歯医者にかかっていたときには、順番が回ってくるまで、病院の外で草摘みしたり散歩したりしながら時間をつぶしていたものだったが。あの頃から比べると、本当に楽になった。
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昇平と同じくらいの年頃の男の子と、3才くらいの妹の二人が、待合室のおもちゃで遊んでいた。
昇平もさっそくそのそばに行って、ブロックやミニカーで遊びだした。・・・最近、同じくらいの年頃の子どもと関わることを求めだしているのだ。しばらく様子を見ていたが、特にケンカなどすることもないようなので、そのまま好きに遊ばせておいた。
男の子の方でも同じくらいの子が来たのが嬉しくて、時々昇平に話しかけてくれる。昇平にも、言われてブロックを貸し借りしたり、なんて場面が見られた。
ところが、お兄ちゃんが昇平と遊びだしたのにやきもちを焼いた妹が、ちょっかいを出し始めたらしい。
兄がうるさがって、自分の母親に「おかあさ〜ん、この子が来てから(昇平のこと)○○がうるさい〜!」と訴え、母親が妹を自分のそばに呼んだので、妹は叱られたと思って泣き出してしまった。
小さな子が近くで泣き出した!
さぁ、大変。昇平が一番苦手な状況になってしまった。
妹が泣き出したので、昇平もべそをかいて私のところへ飛んできた。
そして、兄が妹をいじめたと勘違いして、兄の方をやっつける、と言いだし、私がダメだと答えると、手に持ったブロックを兄へ投げつけたりしたのだ。
幸い、ブロックはあたりはしなかったが、兄は、なんで昇平がそんなことをするのか理解できなくて、きょとんとした顔。
パニックを起こしてわけの分からないようなことばを何度も繰り返す昇平を見て、「なんて言ってるのか分からないよ」とつぶやいていた。
そして、待合室にずらりと座っていた大人たちも、あっ、この子は・・・という顔。子どもたちの母親も、顔が少しこわばっていたような・・・。
待合室は狭くて別な場所に昇平を避難させることもできないし、昇平自身、その場を離れたくないと抵抗するし。
妹が5分くらいで泣きやんでくれたのが幸いだった。
昇平が落ち着いて、またおもちゃで遊びだしたので、不思議そうな顔をしている兄に言った。
「ごめんね。この子、ことばがまだ、あまり上手に話せないのよ」
子どもたちの母親にも聞こえるように、少しはっきりと教えた。
「ことば、うまくしゃべれないの?」
「うん。そうなの」
すると、兄はすごく納得したような顔になって、じきにまた昇平とブロックで遊び始めた。
子どもというのは、本当に柔軟だ、とつくづく感じた。
昇平のような子どもも、それなりにすぐに受け入れられてしまうのだから。
でも、大人は・・・。(^_^;)
待合室の中には、その後もしばらく、な〜んとなく緊張した雰囲気が漂っていた。
わざと昇平の方を見ないように、視線をそらされているような、そんな雰囲気。
まぁ、自分がその場面に居合わせたら、やはり同じような行動をしそうなので、それをどうこう言うつもりはないけれど、でも、精神的に疲れたのは確かだった。
私も、まだまだ修行が足りません。(^_^A
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ちなみに、歯医者の治療に呼ばれたのは、実に1時間半後。
そこまでちゃんと待っていられた昇平は、えらかった。
でも、治療にはすっかり恐怖を抱くようになっていたので、先生がドリルの方へ手を伸ばしただけで悲鳴を上げ、治療器具を手に取っただけで逃げ出そうとし、口も大きく開けないし・・・で、えらく苦労してしまった。
でも、なんとか無事に詰め物を詰めることができたから、良しとしよう。
これからは、歯医者に来なくてすむように、しっかり歯の仕上げ磨きをしてやろう、と固く心に決めた母だった。(笑)
[01/02/15(木) 05:59]