昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

いじめの芽

◎2月21日の記録

 リタリン  1回目 8:30  2回目 12:00
 
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保育園の担任と母が、連絡帳でこんなやりとりをした。

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   2月20日(火)  まき子

 お遊戯会の前々日あたりに、こんな出来事がありました。
 その日、昇平くんは給食をごちそうさまの時間までに食べ終われなくて、皆が本を読んでいる時もまだ食べていました。
私たち保育士が教室の掃除をしていると、女の子3人が何やらひそひそと相談していたので、聞き耳を立ててみると、昇平くんがいつも見たがる本を昼寝布団の下に隠しておこうという相談だったのです。昇平くんが連日その本を見たがって、本を持っているお友だちのことを追いかけ回していたので、女の子たちの悪知恵が働いたようでした。
 人間ですから誰でも善と悪の気持ちはあるでしょう。
 でも、このいたずらはとてもやってはいけないこと、悲しいことでしたので、3人にはたくさん話をし、きついお灸をすえました。3人はとても反省した様子でした。

 今日も、昇平くん、少しだけみんなより食べ終わるのが遅くて、ごちそうさまの後でも食べていました。
 すると、この間いたずらを考えた女の子の一人が「昇平くーん、この本、取っててあげたから〜」「食べ終わったら貸すねー」と言ったんです。
 思わず嬉しくて、○○ちゃん優しいねー。とたくさんたくさん誉めました。

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   2月21日(水)  母

 本当にありがとうございます。
 実際、ADHDの子どもたちは、欲求を抑えにくい、他人を配慮しない、ルールや決まりを守れない・・・などの理由から、いじめを受けることがとても多いと聞きます。昇平は今まで誰からもいじめられずにすんでいるのは、本当に、ひとえに先生方のご指導のおかげなのです。
 いじめの芽は、初めは、ほんの小さなもの。その頃に、それは誤った行為なのだと教えてもらえたら、その子たちにとっても、幸せなことだと思います。
 人の間で生きるというのは、本当に大変なことだと思います。でも、人の間にいるからこそ、素敵なこと、楽しいこともたくさんたくさんあるんですものね。
 みんなが、他人を理解し、思いやれる気持ちを育んでいけますように。そして、昇平も、お友だちと仲良く気持ちよく過ごしていくためのやり方を身につけていけますように・・・と祈っている毎日なのです。

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   2月21日(水)  まき子

 いじめの芽を小さなうちにつみ取ることは、本当に大切なことだと思います。
 今回のは、やる前の段階で見つけられたものの・・・昇平くんだけのことに限らず、私たち保育士の見えないところでいじめの芽が育つことが、一番悲しいことなのです。
 誰が見ていても、見ていなくても、お友だちと優しく接することができる、思いやりの心を育みたいですね。

[01/02/22(木) 07:05]

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