昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

年中組修了にあたって

◎3月30日の記録

 リタリン  1回目 8:30  2回目 11:45
 
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昇平は年中組を修了した。
担任のみお先生やまき子先生とも、今日でお別れ。(と言っても、同じ保育園の中にはいるけれど。)
感謝の意も込めながら、昨日のてくてく日記に書いたような内容を連絡帳に書いたのだが、まき子先生がそれにこんな文章を返してきてくれた。

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 こちらこそ、この一年間いろいろとご協力いただき、本当にありがとうございました。お母さんからいろいろなことを教えていただいたり、園と家庭、両方で様々な知恵を出し合って、1つ1つの山を乗り越えてきたような気がします。保育の中で困ったことがあると、1つ1つ丁寧に対応し、とても協力的なお母さんの姿には、いつも頭が下がる思いでした。
 正直、大変なこともありましたが、それ以上に、成長の喜びや楽しい思い出がたくさん詰まった、充実した一年間でした。本当にありがとうございました。

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私は、この一年間、とにかく「保育園と協力して昇平を育てていく」というスタンスを貫き続けた。
担任の先生方は、昇平のような子どもをこれまで受け持ったことがなかったので、当初の戸惑いはかなり大きかったらしい。
なぜ、そういう行動をとるのか、こういう問題行動があるけれど(たくさんあった!)どうやって対処していったらいいのか、こういう行事が予定されているけれど、どうしたら昇平くんが参加できるだろうか・・・。
連絡帳や帰りのお迎えの時間の5〜10分くらいの間に、そんな話を担任と何百回もしてきたような気がする。

私は担任に初めから、障害児のプロとしての対応は期待していなかった。
ADHDという障害は、最近世の中に知られてきたばかり。知らず知らずに受け持っていたことはあったとしても、初めからそうと分かっていて受け持つことは、まだ少ないと思っていたから。
だから、一緒に障害について学んでいって、だんだん適切な対応ができるようになってもらえれば・・・と思っていた。

知識的に足りない部分は、私からも情報提供しようと思って、良いと思う本やビデオ、テレビの特集番組を見つけたときは、先生方にも積極的にお貸しした。(ただ、先生達もお忙しいので、無理に、読んで下さい、見て下さい、とは言わないようにしていた。)
これからの指導の方向に悩んでいらっしゃるようだな、と思ったときには、町や地域の発達相談会に先生も参加してもらって、専門家のアドバイスを聞けるように段取った。
保育園から、「今、こういう取り組みをしていますので、ご家庭でもやってみて下さい」と言われたときには、すぐに家庭でも実践するようにした。
障害児の専門家ではなくても、園の先生方は保育のプロだから、母親がいつのまにかうっかり陥ってしまう「子育ての誤り」には、すぐに気がついて、遠慮なく指摘してくれた。
保育士と親、双方が、本当に協力しながら、相談しながら、昇平という1人の子どもを育ててきた。
私には、その実感がすごく強い。
そして、担任の先生方も、それは同じ思いだったらしい。

その成果は、今の昇平の姿なのだと思う。

もちろん、世の中にはいろいろな先生方がいるから、私たちが出会えたような先生ばかりでないことは、十分承知している。
それでも、もしかしたら、こちらの働きかけ方次第で、その先生も頼もしい協力者に変わってくれるかもしれない。
私は、そちらの方に期待していきたいのだ。

4月から、昇平は年長組。
そして、来年はいよいよ小学校入学。
いろんなことが起こることだろう。
でも、この1年間の、かけがえのない貴重な経験は、きっとこれからの私たちの人生も助けていってくれるのじゃないか・・・と、そんなことを考えている。

[01/03/31(土) 05:56]

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