昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

弁当箱を包む

◎4月4日の記録

 リタリン  1回目 8:30  2回目 12:00
 
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保育園に、何を目標にしているか教えてもらいたい、と連絡帳に書いたところ、年長になって弁当箱をハンカチで包むことを始めたのだけれど、昇平はそれがうまくできないのだ、と書かれてきた。
以下、その連絡帳からの抜粋。

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昨日から、ハンカチで弁当を包むという作業が加わり、昇ちゃんは苦労しています。
指先をうまく使おうとせず、というより、包むことが面倒なようで、自分で「おわり」と言ってやめてしまいます。
園でも包めるように指導して行きますので、お家でも練習してみて下さい。

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昇平の場合、面倒なようで、とか、興味がないようで、とか見えるのは、実は、自信がなくてその作業に手を出したくない気持ちの表れであることが多い。
夕食後、保育園から持ち帰った弁当箱で試しにやらせてみると、やはり、ハンカチのどこをどう動かして良いのかわからなくて、混乱していた。
そこで、う〜ん、どうしようか、と、しばし考え込んで・・・ぴーん☆ とひらめいた!(笑)
ハンカチで包むときに使う、向かい合った角に、それぞれ同じマークを付けてやればよいのだ。

ハンカチを菱形に置いて、向かい合った角の隅っこに、小さな×印と○印を一組ずつ油性サインペンで書いて、さっそく指導開始。
○印(あるいは、×印)の角を1つ自分の手前に向け、×印の角がそれぞれ左右に来るようにハンカチを置く。ハンカチ全体の形は菱形。(ダイヤモンドの形)
ハンカチの上に弁当箱を置く。その時、弁当箱は横長になるように置くこと。
次に、○印のついた角を弁当箱の上に1つずつかけていく。できるだけ弁当箱の形に合わせて、きっちりかける。
それから、左右の×印の角を手にとって、弁当箱の上で交差させる。(「ばってんさせる」と教えた。)
そうすると、穴ができるから、そこに×印の角を1つくぐしてやる。角に逃げられないように、気をつけて・・・。
穴からでてきた×印の角と、もうひとつの×印の角をつかんで、ギュッ! とひっぱる。ほ〜ら、これで1回しばれたよ。
それじゃ、ほどけないように、もう一度同じようにしばろうね。もう一度×印をつかんで、よくひっぱって、ばってんさせて、できた穴にまた、×印の角をくぐして・・・ギュッ! できたできた!! 上手だね〜!!!

・・・途中から、実況中継が混じってしまって、失礼いたしました。(笑)
もともと、昇平は形に非常に興味のある子だから、○印や×印をつけると、きっと分かりやすいだろう、と思ったのだが、どんぴしゃりだった。
ハンカチで包むことにものすごく興味を示して、夢中になって練習を繰り返した。○印を手前においたやり方で上手に包めると、「今度は×が前だよ」と言いながら、×印を手前に置いた向きでも練習していた。
ただ、左右の角を交差させて、できた穴に1つの角をくぐす、ということは、まだ上手にできない。くぐす向きを間違えるので、縛れなくて、ほどけてしまうのだ。そこだけは、母がちょっと手を貸したり口を出したりした。今後の練習課題。

上手に包めるようになってきたら、急に「お弁当箱、新しいのがいい。これ、壊れてるから」と言いだした。
確かに、昇平のお弁当箱は蓋が少し壊れている。
でも、蓋をゴムバンドで止めているので、支障はなかったし、なによりおかず入れのコーナーがついているので、ずっとそれを愛用していたのだ。(なぜ、おかず入れが必要か。・・・以前からずっとここを読んでいる方はご存じだが、給食のおかずが全然食べられなかった昇平は、お弁当箱の中のおかず入れに食べられそうなおかずを先生に入れてもらう、という形で、すこしずつ給食に慣れていくことができたのだ。今はもう、おかず入れの出番は少なくなってしまったが、それでも、安心料のように今でもおかず入れつき弁当箱を使っていたのだ。)
へえぇ・・・と思いながら、去年、保育園に上がったばかりの頃に使っていた弁当箱を出してやった。
これまでの弁当箱より薄いので、包むのにはやりやすそう。
「でも、これにはおかず入れがないよ。大丈夫?」と聞くと、「だいじょうぶ!」という返事。
ハンカチで包めるようになってきて、自信がついてきたらしい。
そこで、お弁当箱も新しくすることにした。
最近は箸使いも上手になったので、年長になってからはスプーンの入った箸入れも持たせないようにしていた。
ハンカチで包んだ、おかず入れのない弁当箱に、ご飯だけを入れて。箸は保育園で準備したものを使って。
これで、本当に、他のお友だちとまったく同じ。
ここまで来たんだなぁ、と、母は改めて感無量だった。

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ところが、ハンカチで包むことには、もうひとつ問題が。
弁当箱を包んだハンカチを上手にほどけない!
ほどくときの結び目に▲印を書いて、「そこをつまんで引っぱるんだよ」と教えたのだが、なんと、母が弁当箱を包むときに▲印を上に来るように縛るのが、至難の業なのだ!!!(苦笑)
結局、この点は、保育園の先生方にお任せすることにした。
本人、お腹が空いていて、包みをほどかなくては弁当が食べられないわけだから、きっと、これには真剣に取り組むだろう。(笑)

たかが、ハンカチでの包み方。
でも、たったそれだけのことでも、ちょっと自分に自信がついた昇平。
こういう繰り返しが大事なんだろうな・・・と考えている。

[01/04/05(木) 07:21]

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