昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
ドラッグホリデー〜比較観察〜
◎4月22日の記録
リタリン 1回目 −− 2回目 −−
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久しぶりに、ドラッグホリデーにしてみた。
ドラッグホリデーとは休薬日のこと。
リタリンを飲んだ時と飲まない時とではどんなふうに状態が違うか、比較観察するために、リタリンを週に一度休むのだ。
また、リタリンは飲み続けると体が慣れてしまって、だんだん効かなくなってくることがあるので、週に一回休薬することでそれを防ぐ意味合いもある。
私たちもリタリン開始当初は、主治医の指示で日曜日にドラッグホリデーを設けていた。
ところが、昇平は休薬後にリタリンを再開するとリバウンドが強く出てくるタイプで、それが落ち着くまでに2日くらいはかかってしまっていたので、主治医と相談の上で、ドラッグホリデーをなくしたのだ。幸い、昇平がリタリンを飲み続けても効き目の落ちない子どもだったので、丸1年以上、ずっとコンスタントに飲ませ続けられた。
とはいえ、時々のチェックは必要。
風邪などでリタリンが飲めないときをドラッグホリデーにして、状態を比較していたのだが、どうしても体調が悪いときは動きが少なくなるので、やはり、健康なときに比較観察しなくては、と思い、今回、日曜日をドラッグホリデーにしてみたのだった。
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で、観察の結果。
やっぱり、多動・衝動性がひどくなった。(^_^;)
とにかく落ち着かない!
何かひとつのことをやっていても、すぐに別の遊びに気が変わり、それをいくらも遊ばないうちに、また別の遊びを思いつき・・・という具合に、どんどん遊びが移り変わってしまう。
それも、必ず親と遊びたがるので(兄はスポーツ少年団の練習で不在)、こちらはそれに引きずり回されてしまう感じ。一緒に遊ぼうとしても、すぐに別のことに気持ちが移っていってしまうので、遊びが深まらないのだ。
チョロQ(ミニカー)で遊ぼう、とチョロQ専用のレールを組み立ててコースを作り始めのは良いのだが、コースそのものを作ることだけに熱中していたので、「走らせて遊ぼうよ」と誘って競争をした。
二重円にしたコースの、内側と外側に分かれて、「よーい、ドン!」。シュワーン! チョロQの競争は、あっという間に勝負がついてしまう。昇平の車の方が、私のよりも少しだけ長く走っていたので、昇平の勝ち。
すると、昇平、「次はこれね」と、別のミニカーゲームに移っていこうとする。
あわてて「そんなのずるいよ。お母さんもレースで勝ちたいよ〜!」と子どものように駄々をこねて見せて、なんとか競争に興味を引き止めた。
短いレールのパーツが6つ余っていたので、それを点数棒がわりに渡すようにしたら、勝ち負けが分かりやすくなったのか、喜んで競争するようになった。パーツが全部なくなったら(つまり、2人合わせて6勝の記録が出たら)次のゲームに移ることにした。
が、それでもやっぱり、ゲームの途中で気が変わる。そのたびに、私はすっかり駄々っ子の役。「え〜、お母さん、もっとこれやりたい〜!」「パーツがなくなるまでやろうよ〜!」。ゲームに集中を持続させるために、オーバーアクションな反応も不可欠だった。「ぃやったぁ〜!! お母さんの勝ちだよ!!」「昇平くんの勝ち!! すごいねっ!!」「今度は負けないぞ〜!! もう一度勝負だ!!!」
・・・たぶん、隣の部屋で聞いている人がいたら、ずいぶん母が遊びに熱中しているな、と思ったことだろう。
実際には、昇平をその遊びに引き止めておくのに必死になっていたのだが。(苦笑)
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子どもは他人との遊びを通して、様々なルールや人との関わり方を学んでいく。
ところが、昇平は集中力が続かないために、ひとつの遊びを続ける時間が極端に短い。そのために、どうしてもルールや人との関わり方がなかなか身に付かないのだ。(まぁ、昇平の場合は、他にも原因はあるかもしれないけれど。)
なんとかして家庭でもそれを学ばせていきたい、と遊びに誘うのだが、やはり、集中力の持続には苦労することになる。
実のところ、私は子どもと遊ぶのがけっこう得意なつもりなのだが、昇平と遊ぶのはかなり難しい、とずっと感じてきた。今回も、とにかく必死で遊び続けさせた、という感じ。
1時間くらいミニカーで一緒に遊んだが、最後には母の方がすっかり疲れ果てて、「もうおしまいにしようね」と言って終わりにした。昇平が「おもしろかった〜」と言ったのが、最大の報酬だったかも。
その後、仕事疲れで寝ていた旦那を叩き起こして(旦那よ、許して!)遊びの相手役をバトンタッチしてもらったが、やはり、一緒に遊ぶのは困難だった。
昇平の方で遊びたがるのだが、内容は平行遊び。そばに父がいれば、それだけで良いし、遊びの内容もコロコロと変わっていく。外に出たがったり、写真を撮りたがったり、ゲームをしたがったり、ミニカーで遊びたがったり、本を読みたがったり、ビデオを見たがったり、etc.etc.・・・
一日が終わって、旦那に「何をしたときが一番まともに遊べた?」と聞いてみたら「NITENDO64で『ぷよぷよ』をしたときだけだな」という返事だった。
そう。テレビゲームをするときだけは、ビックリするくらい集中するんだけどねぇ〜。(^_^;)
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結局、昇平は日中ほとんどハイテンションで、夕方頃からようやく落ち着いてきた。
変な言い方だが、久しぶりに多動になって、自分でくたびれてしまったらしい。(苦笑)
夜はお風呂に入った後、歯磨きをしながら、茶の間のコタツで眠ってしまっていた。
疲れて多動がおさまってからは、こちらの言うこともずいぶん聞き分けられるようになり、安定した感じになった。
多動の子どもの場合、なにか課題に取り組ませるときには、まず体を動かさせてエネルギーを発散させると良い、と指導書などに書かれているが、そのとおりだなぁ、と思った。
リタリンを飲ませないで同じ効果を上げようとしたら、まず徹底的に体を使わせて、落ち着いたところで、集中力を持続できるようにめいっぱい興味を引いて、呼びかけて、働きかけて課題にとりくませるといいのかもしれない。・・・難しいけど。(苦笑)
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それでも、以前に比べたら、リタリン無しでもずいぶん人の話は聞けるようになっていた。
言い聞かせると理解できて、すぐに行動できる場面も多くなっていた。(ただ、飲んでいるときの方が、反応も聞き分けも良いけれど。)
買い物に行って、駐車場で飛び出す、というような危険な行動もしなかったし、行方不明になると言うことも(行きつけのスーパーなので、いつものように自在に歩き回ってはいるが)起こらなかった。
多動そのものは、年齢と共におさまってきているようだな、と感じた。
まぁ、これからも時々こんなふうにドラッグホリデーを設けて、成長や変化の様子を観察しようと思っているのだけれど、それを日曜日ごとに行うのはどうしようかな、と考えている。
せっかく週に一度、父と関われる日曜日なのに、そのたびにドラッグホリデーでは、父とろくに遊ぶこともできないような気がするから。
これから、どんなふうにリタリンと付き合っていくか、少し考えてみようと思っている。
でも、本当は、一日も早くリタリンを卒業できる日が来て欲しいんですけどね〜。(^_^;)
[01/04/23(月) 09:25]