昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
プチエリナちゃんと会う(福島オフ会)
◎4月29日の記録
リタリン 1回目 9:00 2回目 13:00
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ともりんさん(旧HNエリナさん)が、お嬢さんのプチエリナちゃんを連れて、会津のご実家に帰省中だったので、郡山や福島在住の常連さん数人とも連絡を取り合って、福島市内でオフ会をした。
参加メンバーは、ともりんさんとプチエリナちゃん、私と昇平、私の妹のパンプキンと娘のばぶちゃん、私と某サイトでレシピの連載をしているたまままさんとお嬢さんのたまちゃん・ともちゃん、オフ会まとめ役の里子さん、それに、手品が得意なマジックマンことHIDEさん、という顔ぶれ。
私たちとHIDEさん以外は、郡山駅で合流して新幹線に乗り、私たちと福島駅ビルで合流したのだった。
これはオフ会レポートではないので、会合の詳しい様子は書かないが、とにかく子どもの多い集まりなので、駅ビル内でちょっと飲み物を飲んだ後、すぐに市内のS公園へと繰り出していった。そこは市民の憩いの場で、すべり台や遊具、広々とした芝生などがあり、ひと休みするための交流センターという建物もあるので、子ども連れにはとても便利な場所。
私が昇平を連れて週に一度子育てセンターに通っていた頃は、天気がいいと、この公園に寄り、昇平を遊ばせた後、交流センターでお弁当を食べたものだった。
保育園に入ってからは、ここに来ることもとんとなかったので、私たちとしても久しぶりだった。
天気は上々。気温も7月初め並だったとかで、日射しは肌を刺すように暑かった。
元気に遊び回る子どもたちを眺めながら、大人は日陰のベンチなどで雑談。
母親達にはこういう集まりは慣れっこだけれど、独身男性のHIDEさんには、毎度ちょっと気の毒かもしれない。(^_^;) でも、優しいHIDEさんは、文句も言わずに私たちに付き合って下さるのだけれど。
プチエリナちゃんと昇平以外の子どもたちは、いわゆる健常児。そして、みんな小学生。
けれども、プチエリナちゃんのことも昇平のことも、まるで差別なく接してくれる。大人のほうも、アサクラ・タウンの常連だけあって、偏見はまるでなし。ありのままの子どもたちを、温かい目で見守ってくれる。
昇平は、郡山から到着した子どもたちにちょっとなじみきれなくて、一緒には遊べなかったのだけれど、プチエリナちゃんは優しい里子さんや女の子達にすっかりなついてしまって、楽しそうに一緒に遊び回っていた。
昇平も子どもとは遊べなかったが、男同士の気安さか、なにかというとHIDEさんのそばに行ったり、ともりんさんと花摘みをしたり・・・それなりに楽しんでいた様子。
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プチエリナちゃんは、軽度自閉症の診断を受けている。
行動を見ていると、昇平と似ている部分がとても多い。特に、リタリンを飲んで行動が落ち着いているときの昇平とプチエリナちゃんは、本当に行動パターンがよく似ている。
1年前、初めてプチエリナちゃんを見たときには、お母さんとは会話できるけれど、他の人とは関わろうとせず、持っていたキティちゃんの人形で遊ぶことに熱中していた。あの時はデパートのプレイコーナーで遊ばせたのだが、プチエリナちゃんは他の子どもたちの遊ぶ中に入っていけなくて、隣接したおもちゃ売り場をうろうろすることが多かった。
一方の昇平は、「星のカービィ」の漫画に夢中だった時期で、どこでもずっと本を読み続けいていた。母親と会話はするけれど、他の人とは関わることなく、話しかけられても返答無し。プレイコーナーではそれなりに遊んでいたという状態だった。(他の子どもがいても平気だったので。)
双方とも、メールや掲示板などでそんな子どもの状態は承知していたのだけれど、でも、実際に会ってお互いの子どもを見たら、あまりにも普通の子どもと変わらなく見えたものだから、「これじゃ、知らない人が『障害があるなんてお母さんの心配のしすぎよ』と言うのも無理はないよね〜」とお互いに苦笑し合った記憶がある。(笑)
今回、2人の発達障害児たちは、どちらも背が伸びて体が大きくなっていた。顔つきも大人びて、何と言っても、親以外の大人と受け答えができるようになっていた。
双方とも、適切な保育園や幼稚園と巡り会うことができて、1年間そこで過ごすことで、ずいぶん成長したのだ。プチエリナちゃんが他の子どもたちと楽しそうに遊んでいたことは先に書いたとおりだし、昇平も、あれでもう少し「慣れ」の時間がとれたら、一緒になって遊んだだろうと思う。
ただ、昇平は公園で母親とキャッチボールしていた男の子を見つけて、一緒にキャッチボールさせてもらっていた。男の子は小学3年生くらいだったが、昇平の兄に似た感じの子だった。見ず知らずの昇平と遊んでくれてありがとうね、名前も知らない優しいお兄ちゃん。(^^)
昼食の後、HIDEさんがトランプの手品を見せてくれて、小学生と親たちに大受け。
でも、残念ながら昇平やプチエリナちゃんには理解できなかった。
「この子達がこういうのを理解できるようになるには、あと何年必要かしらね〜?」と今回もまた、ともりんさんと苦笑いし合った。
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それにしても、こういう集団というのは貴重じゃないかな、と思う。
発達に問題のある子どもたちを、ありのまま受け入れて、仲間扱いしてくれる子どもたち。ありのままを良しとして、何でも話せる大人たち。何も気を遣わないですむ、気楽で気持ちの良い人たちの中で、私たちもごく普通の親子として存在していられた。
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今回のオフ会で、昇平は生まれて初めて路線バスに乗った。
とてもきちんと座って、前の座席につかまっていたので「上手にバスに乗れるようになったね〜」と誉めたら「これはバス?」と聞き返されて、それでやっと、昇平が路線バスに乗ったのが初めてなのだと思い当たった。そのくらい、昇平は上手に行儀良く乗っていたのだ。
福島駅前では、たくさんいる鳩に他の子どもたちと餌を撒いた。
鳩が寄ってきて、お菓子のかけらをついばんでいく。
半分及び腰になりながらも、嬉しそうに眺めていた昇平。「これは何?」と聞いてきたので「鳩だよ」と教えたら、「昇平くん、ハト、好き」と嬉しそうに言っていた。
そういえば、生の鳩(という言い方をしたら、里子さんに面白がられてしまったけれど)を見たのも、これが初めてだったかも。遠くで見かけることはあっても、こんなふうに足元に来て餌をついばむ様子を見たのは初めてのことだっただろう。
ここでも、昇平は貴重な体験をすることができた。
日々めざましく成長していく昇平とプチエリナちゃん。
でも、その陰にはいろいろな体験や経験の積み重ねがある。
そうして、この子たちは、これからも休むことなく成長し続けるのだろう。
次にプチエリナちゃんに会ったとき、今度はどのくらい成長しているだろうか。そして、こちらの昇平はどのくらい成長した姿を見せることができるだろうか。
そんなことを考えて、次にまた会える日をとても楽しみに思いながら別れた、今回のオフ会だった。
オフ会で一緒だった皆様、本当にお世話になりました。m(_ _)m
[01/04/30(月) 09:58]