昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

歯医者

◎5月16日の記録

 リタリン  1回目 8:40  2回目 12:00
 
   ☆★☆★☆

昇平を歯医者に連れていった。
下の第一臼歯と第二臼歯の間が、左右とも虫歯になってしまったので。

食事のたびにそこに食べ物がひっかかるので、昇平はずっと気にしていたのだが、「歯医者に行って治してもらおう」と言うと「歯医者、キライよ!」と拒絶されていた。前回通ったときに、歯を削られる感覚が大嫌いになってしまったのだ。・・・まぁ、あれが好きな人というのもまずいないとは思うけれど。(^_^;)
くり返しくり返し誘いかけ、「歯医者さんで治してもらわないと、大人の歯が生えてこなくなるかもしれないんだよ」と教えたところが、ようやく「歯医者さん、行く」と言ったのだった。
その後はスムーズで、予約日が近づくに連れ「水曜日は歯医者さん?」としっかり理解して待っているようだった。

     ☆★☆★☆

で、いよいよ本番。
待合室ではおもちゃで遊びながら、落ち着いて待っていた。
ただ、他の子どもに関心が出てきた分、どんな行動をとるのか分からないところがあるので、母としてはずっと監視モードでいたけれど。(苦笑)

待つこと30分。「朝倉昇平くん」と治療室から呼ばれた。
とたんに昇平。
「いかない! こわいよ! 削るのキライよ! おうちに帰る!・・・」

やっぱりねぇ〜。あんまり調子よすぎると思ったんだ。(^_^;)

怖いよ、怖いよ、と繰り返して、治療室のドアの前でがんばる昇平を、とにかく、穏やかに説得し続けた。
大丈夫、昇平くんなら頑張れるよ。痛くないよ。歯医者さんに治してもらわなかったら、歯が虫歯に食べられちゃうんだよ。虫歯が勝っちゃうよ。
昇平の方でも、お母さんが治して、お父さんが治して、おばーちゃんが、おじーちゃんが・・・などと言ってくる。とにかく、歯医者の治療台に上がって歯を削られずにすむように必死。こちらも、虫歯は歯医者さんだけしか治せないんだよ、お母さんたちには絶対に治せないんだよ、と説得を続ける。
その様子に、待合室の大人や子供の間から、くすくすと笑い声がもれだした。悪意ある笑い声ではなく、おやおや、ずいぶんがんばっている子だなぁ、怖くないのにねぇ、という感じの声。
そこで「ほら、昇平くん、笑われちゃってるよ」と小声で教えると、とたんに、自分から治療室に入っていった。おや〜? そんなこともちゃんと気にするようになってきたの?(笑)

ところが、治療台に上がっても、やっぱり「こわいよ」「削らないで」と言い続ける。
先生が来て、大丈夫だよ、痛くしないよ、と話しかけても絶対ダメ。椅子に仰向けに座ろうともしない。
結局、昇平は椅子に逆向きに正座して口を開けて先生に虫歯を見せ、ドリルに似た形のビデオカメラで口の写真を撮ってもらい、穴があいていた方の虫歯に薬を詰めてもらっただけで、その日の治療はおしまいになった。

この先生には、一番初めの治療をしてもらうとき、昇平がADHDであることを教えてあった。
もともと、嫌がる子どもに無理には治療しない先生なのだが、なおさらスモールステップで歯の治療に慣れさせようとしているのが分かった。
ドリル型のビデオカメラは、口を開ける練習。初めはドリルだと思ってパニクっていた昇平も、テレビに口の映像が映るのに気がつくと、にこにこして口を開けるようになった。
虫歯に薬を詰めるときには、先生は「絶対に削らないから。ほら、これはあっちに向けるよ」とドリルの並んだ台を向こうに押しやり、「約束は守ります」と言って、本当に、薬を詰めること以外の治療は何もしなかった。
そして、昇平はニコニコ顔になって治療台から下りた。
母が、次は28日の月曜日だよ、今度はちゃんと削って治してもらおうね、と言うと「分かった」と答えた。
・・・でも、たぶん、また寸前になると「こわいよ、こわいよ」とごねるんだろうけど。(^_^;)

実を言えば、やっとの思いで連れていった治療室で何も治療をしてもらえなかったのは、母としてはちょっと辛かった。それだけ歯医者に行く回数も増えるし。
でも、今1回無理強いして治療を受けさせたら、その後、一生歯医者嫌いになるものなぁ。
残念ながら、歯医者さんのやり方のほうが正しいと言わざるを得ない。

昇平の今度の目標は、自分からがんばって歯の治療を受けること、だわね。
こちらも本腰入れて、気長に付き合っていきますか〜。(笑)

[01/05/17(木) 07:00]

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