昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

えじそんくらぶ 福島ADHDの会

◎5月29日の記録

 リタリン  1回目 8:30  2回目 12:00
 
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福島市に初めて、ADHD親の会ができた。
名称は、「えじそんくらぶ 福島ADHDの会」。有名なADHD団体「えじそんくらぶ」(代表 高山恵子/http://www.e-club.gr.jp)の福島支部として、この4月に発足したばかりの団体である。

発起人のYさんは、私たちと同じY先生を主治医としていて、その関係から私のHPを知り、メールのやりとりをするようになったお友だち。福島にも親の会がどうしても必要だ、と言って、本当に会を立ち上げてしまったその実行力を、私は本当に感心して見ていた。
今回、彼女からお誘いを受けたので、私も定例会に出席してみたのだった。

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会場は福島市保健福祉センター。
関係ない話だけれど、私が高校時代に実家のあった場所の、本当に目と鼻の先。当時私は親元を離れていたから、そこに住んでいたわけではないけれど、しょっちゅう帰省していたから、ある程度土地勘はある。おかげで、方向音痴の私も、迷うことなく一発でたどりつくことができた。ヨカッタヨカッタ。(笑)

まだ発足したばかりの会だから、会員数はあまり多くないと言うことだったが、それでも、回を追うごとに人数は増えているとのこと。この日も、全体で十五名くらいの参加があった。
驚いたのは、その参加メンバー。
ADHDの子をもつ親は当然だが、その他に、福島市の保健婦、心理の先生、保育園の先生、そして、発達障害を専門に研究している大学の教授と研究員・・・というバラエティさ。その場に、親と行政と教育と専門家とが一堂に会していたのだ。なんて理想的なんだろう! と感動してしまった。
これで医療の専門家が加わってくれれば完璧なのだが、そちらの方は、今現在福島県で一番有名な精神科医のH先生に顧問を依頼中だとのこと。おみごと。

私が興奮したのは、それだけではなかった。
大学からおいでになっていたのが、中田洋二郎先生だったと言うこと。
教授とお書きしたけれど、そもそもは、国立精神・神経センターの研究員で、今現在、政府の依頼を受けて、教育現場などでのADHD判定のガイドライン作りをなさっている最中なのだ。そのチームのリーダーは、あの上林靖子先生。先日のNHKのにんげんゆうゆうにもゲスト出演なさっていたし、新聞でもよくお名前を拝見するようになった。中田先生は上林先生の後輩に当たられるそうで、週の半分は大学で教鞭をとり、残りの半分は国立精神・神経センターで、上林先生たちとガイドライン作りに取り組むという、忙しい生活を続けられているらしい。
福島大学(ちなみに私の母校)に発達障害専門の素晴らしい先生がいらした、と言う噂は聞いていたので、一度お会いしてみたいと考えていたのだけれど、思いもかけず、それがこんなに早く実現してしまった。
私はもう、本当に大興奮!!
興奮のあまり、そして、初めてメル友のYさんに会えた感激や、同じような親御さんに会えた感激から、終始ハイテンションになってしまっていた。(^_^A

・・・そう。私は、同じADHDの子の親と、こんなふうに会って話をするのは、初めての体験だったのだ。
これほどHPでは親同士で話し合い、相談しあっているというのに。

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福島にはずっと親の会が存在しなかった。
昇平が3歳半の時「ADHDだろう」とY先生から言われ、4歳半で正式に「ADHD」と診断を受けたとき、薬による治療は始められたけれど、悩みを相談したり対応を一緒に考えてもらえる場所は、福島にはどこにもなかった。
病院はあくまでも治療の場。療育の場ではない。
日常の中で起こってくるさまざまな大小の悩みや疑問に答えてくれる場所は、本当にどこにもなかったのだ。
だから、私はインターネットの世界に情報を求め、やっぱり同じように情報を求めている親御さんたちに出会って、居場所を見つけた。けれども、すべてのお母さんがそれと同じようなことをできるわけではないのだ。
どこかで誰かに相談したい、話を聞いてもらい、アドバイスしてもらったり力を分けてもらったりしたい・・・と苦しんでいるお母さんは(いや、きっとお父さんも)たくさん、たくさんいるのだ。
そこに、こうしてADHD親の会ができた。
しかも、日本で一番大きなADHD団体のえじそんくらぶとがっちりつながっていて、構成メンバーも本格的な、きわめて良質の親の会が。
正直、福島もようやくここまで来たか、と感無量だった。

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えじそんくらぶ 福島ADHDの会では、月1〜2回の定例会を行い、その中で中田先生によるペアレント・トレーニング研修なども行っていく計画だそうだ。
これは、ADHDの子どもたちの親に対して、その対応の仕方をトレーニングするもの。つまり、親の療育?(笑)
・・・と言うのは冗談として、端的に言うと、例えADHDがあっても、その子の良いところをたくさん見つけて誉めて伸ばしていこう、それによって、ADHD児のセルフエスティーム(良い自己イメージ)が下がっていくのを防ぎ、一番の危機である思春期を強く乗り越えられる子どもに育てていこう、とするトレーニング。
えへへ。どこかで聞いたような考え方だと思いませんか?(*^^*)

例会のあと、中田先生にご挨拶したのだけれど、その時に「朝倉さんのおっしゃっていたことは(私は会合の中で、自分がどういう考え方でADHDのホームページを運営しているかを述べたのだ)私たちが言うペアレント・トレーニングの理念とほとんど同じですよ」と中田先生に言われたのだった。
そう。私も感じていた。ペアレント・トレーニングは私の「てくてく日記」にとてもよく似ているな、って。
どんなに普通の子と違って見えていても、どんなに他の子たちとペースが合わなくても、その子自身を眺めていれば、必ず良いところは見つかってくるし、成長ぶりも見えてくる。
他の子と比較することなく、その子自身の良いところ、成長したところを、一緒に喜べる親でありたい、と私は常々思い続けているのだ。
私は誰に教えられることもなくそれを始めてきたけれど、それがちゃんとした療育理念のひとつだったのだ、と知ることができて、本当に嬉しかったのだ。
同じような思いで子どもを育てている親は、アサクラ・タウンの常連さんの中にもたくさんいる。みんなみんな、本能的にペアレント・トレーニングの理念を把握していたんだなぁ。(^^)

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えじそんくらぶ 福島ADHDの会では、10月に大きな講演会も予定している。
講演者は、あの上林靖子先生。
講演内容は『ADHDの正しい理解と学校生活などで配慮しなければならないこと』。
時:10月27日(土) ところ:福島文化センター小ホール

これまたもう、興奮ものの内容!
福島でいきなりこんなすごい講演会を開けるとは!!
私もさっそく福島ADHDの会には登録したのだけれど、できるところで、できる限り協力して、ぜひこの講演会を成功させたいと考えている。(^^)

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それにしても、親の会では話の合うこと、分かること!
こんなにいろいろ話の共通する体験は、やはり同じ障害のある子を持つ親同士ならではのこと。
誰も「お母さんの心配のしすぎよ」なんて言わない。安易に「大丈夫よぉ〜」なんても言わない。「それはお母さんの育て方が悪いせいですよ」なんても、もちろん言わない。
苦しいことも、辛いことも、みんな同じように体験してきている。
そして、嬉しいことだって、同じように共感することができる。
親の会って、やっぱり素敵だ。(*^^*)


ところで、アサクラ・タウンの隠れ常連のKさ〜ん。これ、読んでくれてますよね?(笑)
今回は時間がなくてあまりお話しできなかったから、この次はゆっくりおしゃべりしましょうね〜♪

それから、発起人のYさん、代表のTさん。こんなに素敵な親の会を作って下さって、本当にどうもありがとう!
これからも、どうぞよろしくお願いいたしますね。(*^^*)


※後日、この会は 福島AD/HDの会『とーます!』 という名称に決まり、現在に至ります。

[01/06/01(金) 07:02]

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