昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
我慢
◎6月2日の記録
リタリン 1回目 8:30 2回目 12:00
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2日は兄の小学校でPTA委員会があった。
母は広報委員会、つまり、PTA広報誌をつくる委員会で、おまけに委員長。例年、6年生の親が委員長になるのが普通なのだ。おまけに、私は去年も広報委員だったし。(^_^;)
いわゆる編集会議を1学期間に2回ずつ行い、年3号の広報を発行する。
うちの学校の広報は地域密着型なので、ほとんどが子どもの作文や写真、作品、親の感想文という内容。だから、こういう広報にしてはけっこう読んでもらえているらしい。「おう、どこそこの家の子どもの文章が載ってたぞい」といわけ。(笑)
前置きが長くなったが、そういうわけで、今年は私が委員長を務めて広報を出していかなくてはならない。初回だったし、委員の大半が広報作りは初めてという人ばかりなので、もう緊張!
ものすごく気疲れしてしまった。(^_^;)
・・・が、今回はそういう話をしたいわけでもない。(笑)
問題は、その委員会の間、昇平を保育園に延長保育してもらわなくてはならない、ということ。
だいたい4時半までには終わるかな、と見当はつけていたが、進行具合では遅れることも予想して、「5時までには迎えにいけると思います。」と連絡帳にも書いた。
ところが、その話を昇平にしたとたん、「だめぇ! ぼく、お昼食べたら並んで座る!」と泣き出したのだ。
並んで座る、というのは、定時で帰る子どもたちが玄関のホールにカバンを持って並んで座り、親の迎えを待つことを言う。
連日延長保育で、しかも火曜日と金曜日には5時半過ぎまで居残りになる昇平は、週に一度だけ「並んで座る」ことができる土曜日が大好きなのだ。
早く帰る! お母さん! と泣き続ける昇平の気持ちは痛いほどよく分かる。
だけど、広報作りの場に昇平を連れて行くわけにはいかない。・・・仕事にならないし、迷惑をかけてしまうから。
説得することもできなかった。
親の都合で一方的に延長保育にされてしまう子どもに、どんなことを言って釈明できるだろう。
ただひたすら、謝って、頼んで、納得してもらうしかなかった。
「ごめんね」「お母さん、学校のご用事で夕方までお迎えにいけないのよ」「ごめんなさい」「延長保育にいてください」「お願いします」
・・・泣き騒ぐ昇平を膝に抱きながら、ひたすらそういい続けるしかなかった。
すると、ふっとした拍子に、昇平が私の腕を見上げて、ふいに遊びを始めた。「お・な・べ・ふ、お・な・べ・ふ・・・」
相手の腕を自分の手で測るようにつかみながら肘の所まで進み、終わったところの言葉でその人の性格を判断する、という占い遊び。「お、おりこうさん」「べ、勉強家」
そこで、こちらもそれに合わせて、「ふ、ふざけんぼ」と言われたら昇平の体をくすぐり、「な、なまけもの」と言われたら、昇平の体を枕にして「なまけて」みせた。
母が昇平の腕で占ったりもして。
そうするうちに、昇平はすっかり泣きやんだ。
気持ちを切り替えたのだ。
けれども、翌朝、母がおじーちゃんに延長保育のことを教えている時、昇平はとても渋い顔で黙ってそれを聞いていた。
全然嬉しいことじゃないけど、しょうがないから我慢するか。
そんな感じの表情だった。
そして、本当にまったく駄々をこねることもなく保育園に行き、ちゃんとおとなしく居残り組の教室で母を待っていたのだった。
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少しずつ、少しずつ、自分をコントロールする力を身につけてきたんだな、とすごく思った。
大人になってきたんだな、と。
先の見通しが立つようになってきた分、予想通りにいかないことも増えてきたけれど、それに耐えていけるような力もだんだん育ってきているんだな、と、そんなことを感じた今回の延長保育だった。
昇平、よくがんばったね。偉かったね。(^^)
[01/06/03(日) 05:57]