昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

おもちゃの洪水

◎7月15日の記録

 リタリン  1回目 9:00  2回目 13:00
 
   ☆★☆★☆

さすがにお泊まり保育で疲れていたらしい。土曜、日曜とおとなしく過ごしていた昇平だった。
いつものような活発さはあまりなく、かわりにビデオを見たり本を読んだりお絵かきをしたりして過ごしていた。
ゲームもほとんどやりたがらなかった。

・・・と書くと、とても理想的に過ごしていたように思えるかもしれないが、実はとんでもない!
疲れて自己コントロール力が落ちているものだから、リタリンを飲んでいるにもかかわらず、こちらの指示がなかなか入らない。つまり、いつものようには言うことを聞いてくれない。ほとんど一日中ビデオをつけっぱなしの状態で、いくらこちらがそれを注意したり止めたりしても、また自分でかけてしまう。
部屋の中も、次々と引っぱり出してきたおもちゃの洪水。本当に、久しぶりにものすごい惨状になってしまった。ブロック、積み木、ビーズ、おはじき、刀や剣、組立式のジェットコースターのおもちゃ、ミニカー、プラレール、ピタゴラス(磁石でくっつく三角や四角の色板)、絵本、学習雑誌、お医者さんセット、その他のおもちゃ、etc.etc.・・・足の踏み場もない、とはこのこと。
手が届かないように、と押入の奥にしまい込んであったおもちゃまで、押入に入り込んで引っぱり出すものだから、もう収拾がつかない。

昇平を叱ってもしかたないし、片づけろ、と言っても、この状態ではちょっと手が出ないことは明らか。そこで、ここまで出てしまったのなら、思い切っているものといらないものを整理しながら片づけよう、と発想の転換。ついでに、まだ籠に入っているおもちゃも全部出して選別しよう、と思って、籠の中身をざーっとひっくり返した。
すると、昇平、ビックリした顔で私を見た。「出しちゃダメ!」と叫ぶ。
「あら、だって昇平くんだって出しているでしょ? どうせだもの、全部出そうよ」と言いながら、また別のおもちゃ籠をひっくり返すと、昇平がおびえた顔で飛びついてきた。
「出さないで! お片づけする!!」
・・・どうやら、母が怒って切れてしまったと思ったらしい。(^_^;)

「いいじゃないの。おもちゃをいっぱい出した方がおもしろいでしょ?」と言ってみると、「ダメダメ。ぼく、片づける。ちゃんと片づけるから」と今にも泣きそうになりながら言って、本当に、あわててお片づけを始めた。
ふ〜ん。最近は「おもちゃを捨てちゃうよ」なんて言ってもあまり効果がなくなっていたのに。母が「本気で」おもちゃをぶちまけていたのが、よほどショックだったみたいだな。(苦笑)
ま、自分で片づけを始めたのはめでたいことなので、私も一緒に片づけながら、思い切って捨てたいものを、昇平に気づかれないように別の袋に入れていった。もう折れてしまったおもちゃの剣とか、滅多に読まなくなった雑誌、壊れたのにいつまでも籠に入っていたブロックのようなものだけれど。

それと同時に、押入の奥深く、昇平の手の届かないところにしまっておきたいおもちゃも、別な袋へ。
今度はテレビの後ろの、開かずの押入の中にしまっておくことにしよう。そうでないと、昇平がまた押入に入り込んで引っぱり出してしまうからなぁ。
昇平は数がたくさんあるおもちゃが好きで、しかも、それを「取り出す」ことと「並べる」ことが好きなだけなものだから、結果としてものすごく散らかってしまうのだ。並べた後は、もうそれで遊ばなくなるし。(まぁ、出して並べることが目的なのだから、当然と言えば当然だけど。)

そのうち、昇平、「ぼく、あっちの部屋のおもちゃを片づけてくるね」と、同じくおもちゃが洪水状態の隣室へ移動。しばらくして様子を見に行ったら、片づけしやすいひらがなブロックだけきちんと箱に片づけて、後は好きなお絵かきをしていた。(笑)
ま、これだけでも自分でやり遂げたなら、良しとしましょうか。(笑)

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最近、またモノを減らす必要性を感じ始めている。
少ないモノですっきりした部屋を実現することが、昇平には必要に思えてしかたないのだ。
そういう目で見てみると、今の生活、なんてモノがあふれ返っているんだろう。しかも、大して必要でないようなモノばかり。
少ないおもちゃなら、遊び方だって、もっと工夫するようになるかもしれない。
そんなことを考えながら、不要なおもちゃを袋いっぱいに詰め、袋の口をぎゅっとしばった母であった。

[01/07/16(月) 07:18]

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