昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
らくがき
◎8月1日の記録
リタリン 1回目 8:00 2回目 12:30
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お兄ちゃんが郡山に泊まりに行ってからというもの、毎晩、昇平の多動が続いている。
とにかく、いつになく落ち着きがなくて、遊びやすることが次から次と移り変わっていってしまう。
当然、毎晩、部屋もものすごく散らかってしまう。
水曜日の夜は、母が1時間ほど仕事に出かけなくてはならなかった。
おじーちゃん、おばーちゃんに昇平を頼んで出かけたものの、帰ってきてみたら、昇平はずっと2階の部屋で、ひとりで遊んでいたという。何やら楽しそうな昇平の笑い声が聞こえていた。
半ば覚悟して2階に上がっていくと、昇平が大慌ての様子で「ぼくが拭くよ。ぼく、片づける!」と、手にティッシュを持っている。案の定、ものすごく散らかっていて、しかも、何をしたのかテーブルの上には水もこぼれている。テーブルの周囲の絨毯にも水が点々とこぼれた痕が・・・。
「じゃあ、ちゃんと片づけようね」と言って、2人で片づけを始めた。
ところが、絵本を本棚に戻しに隣の部屋へ行くと、部屋の奥の土壁にらくがきと、それをこすり落とした痕が!
らくがきは鉛筆とサインペンで、ボンバーバンとカービィを描いたらしい。文字も書いてある。そして、それを落とそうとして濡れた台拭きでこすったらしく、壁の一部がはげて下塗りの地がのぞいており、下に敷いてあった布団や畳が壁土の屑とこぼれた水にまみれていた。
もちろん、昇平を呼んで叱り、さらに、おじーちゃんたちを呼んで昇平を謝らせた。
ところが、いくら叱られても昇平は、えへへ、えへへ、と笑って転がっている。
悪いことをしたのは分かっているものの、自分がしたことの重大性には気がついていないな、と思い、どうして壁にらくがきをしてはいけなかったか、どうしてそれをこすり落としてはいけなかったか、懇々と説明した。
「壁は昇平くんに直せる?」「直せない」「そう、直せないよね。じゃ、お母さんは直せると思う?」・・・というやりとりから始まって、壁を作る職人さんを頼まなければ壁は直せないこと、職人さんを頼むのは大変なこと、だから、壁にらくがきをしたりしてはいけないこと、壁は土でできているから水で拭くと崩れて壊れてしまうこと、を話して聞かせた。
壁を作る職人のイメージが伝わりにくかったようなので、絵本を引っぱり出してきて、「こんなふうに壁を作るんだよ」とも教えた。
壁を直すのが大変なのだと理解して、ようやく昇平も涙顔。パニックを起こし始めて「壁をやっつける」とか言い出すので、「そんなことをしても元に戻りません」と言い聞かせた。
実は、昇平が壁にらくがきをしたのはこれが3度目。
今までもそのたびに「やってはいけない」と言い聞かせてきたのだが、今ひとつ理解できていないようだったので、今回は徹底的にそれを分からせようと思ったのだった。
でも、その後、昇平がすぐに壁のことを忘れたように粘土遊びなど始めてしまったものだから(もちろん逃避の意味合いが強い)、私はだんまり作戦に出た。昇平が何を話しかけても返事をせず「お母さんは怒っています。昇平くんとは話しません」と言った。
「お母さん、お話しして」と昇平がまたべそをかき始めたので、そこでようやく昇平を膝に抱き、「壁にらくがきしてはダメなんだよ。もうしちゃダメだよ」と言い聞かせると、やっと「はい」「分かった」と返事をした。
はぁ、やれやれ。(^_^;)
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それにしても感じるのは、お兄ちゃんの存在の重要性。
これまでにも母は何度も夜に仕事に行ってきたのだが、昇平がこんなことをしたのは今回が初めてだった。
お兄ちゃんが昇平に注意してくれていたんだろうし、行動そのもののモデル(お手本)にもなってくれていたんだな、と改めて気がついた。
同じ部屋にいても一緒に遊んでいないことのほうが多かったのだが、それでも、やっぱり一緒にいるというだけで違っていたんだろう。
今回は、昇平はもちろん、母もお兄ちゃんの存在のありがたさを痛感してしまったのだった。
明日の夜は郡山へお兄ちゃんを迎えに行き、土曜日には一緒に帰ってくる。
昇平もきっと喜ぶことだろうな。
昇平だけでなく、私も待ち遠しい気分でいる。
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P.S.
昇平の下の前歯が抜けました。(というか、ぐらぐらしていたので、保育園の先生が糸で抜いてくれました。)
永久歯がもう顔をのぞかせています。抜けた乳歯は豆粒よりも小さくて、こんな小さな歯に今までお世話になっていたのかと、改めてビックリです。
[01/08/02(木) 07:20]