昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

お誕生会

◎8月22日の記録

 リタリン  1回目 7:45  2回目 12:30

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保育園で8月生のお誕生会があった。
お誕生月の子どもは、全園児が集まるお遊戯室で、首に折り紙の首飾りをかけてもらい、クラスの出し物をみたり、インタビューに答えたり、プレゼントをもらったりして、全員でおいしいごちそうを食べる。
ごちそうのメニューも、その時まで秘密で、たいてい、子どもの大好物が出てくる。おいしいケーキやデザートも、必ず付いてくる。
でも、保育園に入ったばかりの頃の昇平は、この「お楽しみ献立」で何が出てくるのか分からないのが不安で、「お給食、なに?」「全部食べる?(全部食べなくちゃダメなの? の意味)と延々言い続けていたこともあったっけ。いつの間にか、それはすっかり平気になったなぁ。

さて、昇平は今月の26日が誕生日。
そう。みんなにお祝いしてもらえる主役の立場。
お誕生会でどんな様子を見せていたか、みち子先生が書いた連絡帳を読むと・・・

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今日の誕生会では、舞台の上で、嬉しさのあまり質問される前からマイクを持つ先生の手を握り、きちんと立たず、屈伸したりの昇ちゃんでした。
待ちに待ったインタビューでも、「ケーキはモンブランが好きです」と質問されていないことまで話していました。

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また、お迎えに行ったときにみお先生から聞かされた話によると・・・

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今日のお誕生会、昇ちゃんはもう大興奮でした。嬉しくて嬉しくて、じっとしていられなくて。
誕生月の子どもは、みんなから質問を受けて答えるんですけど、昇ちゃんはその順番が待ちきれなくて、途中、前をインタビューの先生が通りかかったら、その腕をしっかとつかんで、マイクもつかんで、絶対に話さなかったんですよ。
やっと昇ちゃんの番が来たとき、先生に「お待たせしました」なんて言われていて。
「大きくなったら何になりたいですか」の質問には「小学校になります」って答えて、「今、何がしたいですか」という質問には「お料理がしたい。オムライスが作りたいです」って答えていました。

ごちそうは冷やし中華だったんですけれど、それはちゃんと食べました。でも、デザートにグレープフルーツが出てきて・・・先日、昇ちゃん、ゴミ箱に一度捨てたグレープフルーツを「まだ残っている」って拾い直して食べようとして、みち子先生に止められて、10分くらい説得されていたことがあったものだから、同じグレープフルートが出てきたので、「キャー!」なんて声を上げていて。でも、こちらで一房ずつ外して渡してやったら、ちゃんと全部食べられたので、今日は問題ありませんでした。

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まぁ、なんてことでしょう!!!
保育園中のお友だちが集まっているその前で、主役の人がそんなにお行儀悪くいたなんて!
落ちつかないで、はしゃぎまくって、自分のインタビューの順番も待てなくて。
質問されれば、ピントが外れたような答えばかりだし、男の子のくせに「お料理したい」だなんて答えるし、おまけに質問されていないことまで答えただなんて!
グレープフルーツ事件は前に聞かされてはいたけれど、それだけ説得されても、また騒いじゃうなんて。
本当に、どうして他の子たちと同じように行動できないのかしら。
お母さんは恥ずかしいわ!

・・・なぁんてね。(笑)
こんなふうに思うお母さんもいらっしゃるんだろうなぁ。(爆笑)
もちろん、冗談ですよ。冗談。(↑)
私がこんなこと考えているわけないですから、本気にしないでくださいね〜。(^o^;;

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確かに、昇平は最近イベントというとはしゃいでテンションが上がってしまうので、今回のお誕生会でじっとしていられなかったのは予想通りの行動。
インタビューが待ちきれなかったのも、いかにもADHDらしいなぁ、と笑ってしまった。

もちろん、それらは問題行動には違いないのだけれど、私は、それ以前に、彼がお誕生会をきちんと理解し、それを「嬉しくて楽しいもの」と感じて喜んだことに感動している。
場面理解が弱かった彼が、ちゃんとここまで理解できるようになったんだなぁ、と。
だからこそ、嬉しくてたまらなくて、「ついつい」はしゃぎすぎてしまったのだものね。
保育園の先生方は、去年からの彼を知っているから、そんな彼の様子をやっぱり「成長の証拠」として捉えてくれている。
インタビューだって、確かに普通の子たちのように要領良い、的確な答えは言えなかったけれど、本人が思っているそのままのことを、ちゃんと答えられている。
ことばが遅れていて、人から質問されたりするのをとても嫌がっていた彼が、インタビューを待ちきれなくて、マイクを持った先生をつかんで離そうとしなかった! 本当に、去年の彼の姿から見たら、信じられないような成長ぶりなのだ。

「大きくなったら小学校になる」というのは、「小学生になる」の意味。そのくらい先の予想はたてられるようになったのだから、これまた進歩!
お料理作りたい、オムライスを作りたい、モンブランケーキが好き・・・ぜ〜んぶ、本当に彼自身の気持ち。(ただし、モンブランケーキは「姿」が好きなだけ。食べるのはあまり好きではない。笑)
自分自身のことを、こんなに自分の言葉で話せるようになったんだなぁ、と母は感無量だった。
ちなみに、プレゼントを手渡される時に「誰から渡してもらいたい?」と尋ねられて、「Jくん」と一番仲良しのお友だちを指名したのだそうだ。
そして、本当にJくんからプレゼントをもらって、ニコニコご機嫌でいたらしい。

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イベントではしゃぎすぎること、自分の順番が待ちきれないこと。
もっと先のビジョンを予想すること。
これらは今後改善していく課題ではあるけれど、でも、焦って今すぐどうにかしなくては、ということでもない。
少しずつ少しずつ、できるようになっていけばいい。自分の成長に合わせて、自分なりのスピードで。
それがどうしても難しいときには、お父さんもお母さんも、先生もお医者さんも、みんなでキミを助けてあげるからね。
だから・・・今は、お誕生日、おめでとう!

ここまで成長することができて、本当に、おめでとう!!

[01/08/23(木) 07:09]

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