昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

東京ディズニーランド・レポート その1

◎8月24日の記録

 リタリン  1回目 6:15  2回目 12:00  3回目 17:30(特別追加)

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行ってきました、東京ディズニーランド!
ADHD児の昇平を連れて、おとぎの国へ!!

今回のディズニーランド行きは、子供会の夏の旅行だったので、ずいぶん前から分かっていたことでした。
そこで、星空掲示板でいろいろと体験談やアドバイスを聞かせてもらったり、メールなどでTDL(東京ディズニーランドの略。以下、こちらの略称を使います。)の情報サイト等を教えてもらったり。皆様には本当にお世話になりました。
おかげさまで、家族4人、とても楽しんでくることができました!!!
皆様、本当に本当にありがとう〜!!!! \(^o^)/

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さて、まずは出発時の様子から。
当日は朝5時40分集合、6時出発の予定。
私は4時半に、旦那とお兄ちゃんも4時45分には起き出した。
旦那たちは身支度をすませたら、コンビニへ朝食の買い出しに。私は5時に昇平を起こしに行ったが「おはよう、今日はいよいよディズニーランドへ行く日だよ」と言ったら、たちまち目を覚ましてむくっと起きあがった。
いつもならば、こんな時間にはいくら声をかけても揺すぶっても、なかなか起きないはずなのに。
前日から保育園でも何かというとTDLの話ばかりしていたという昇平。本当に楽しみだったんだね。(^^)

できるだけリタリンの効果を長持ちさせたかったので、バスが発車してから朝食をとり、薬を飲ませることにした。
出発が早いので、子供会の他のメンバーも、だいたいが車内で朝食をとっていた。
朝食はおにぎりが1個とアク○リアス。間もなく、リタリンも効き始め、車内では本や漫画を読んだり、メモ用紙にお絵かきをしたり、と静かに過ごしていた。
が、そのうち、いやにおとなしくなり、「寒い」と言い出す。顔が青ざめて気分が悪そう。バスに酔ったのだ。
添乗員に頼めば子供用の酔い止め薬は出してもらえただろうけれど、リタリンとの飲み合わせが分からないので、飲ませられない。困ったな、と思っていたところでちょうど休憩になった。そこで外の空気を吸ったら、昇平復活。やれやれ、良かった。(^_^;)
今まで昇平はどんなに車やバスに乗っても酔ったことがなかったのだけれど、そろそろ、そういう年齢にさしかかってきたらしい。
お兄ちゃんも幼稚園の年長あたりから車酔いが始まって、小学4年生くらいになったら平気になったのだ。私自身もそうだったし。
というわけで、今後、車で長旅をするときのために、リタリンと酔い止めとの関係もきちんと確かめておかなくちゃならないんだな、と思ったのだった。

10時を回り、車酔いから復活したあたりから、昇平の落ち着きがなくなってくる。
そろそろリタリンの効果が薄れてきたのだ。
10時20分、お腹が空いたというので、少し早いが昼食にする。途中のSAで積み込んだお弁当。
スパゲティ、白身魚のフライ、かまぼこと、けっこう食べた。リタリンはまだ飲ませない。
11時過ぎ。リタリンが完全に切れる。座席の上に立ち上がったり下りたり、前や後ろの席をのぞき込んだり。自分の席から移動こそしなかったが(もっとも、混んでいて補助席まで出していた状態だから、動き回りたくても車内を動くことはできなかったけれど)、とにかく落ち着きがない。そのうちに座席から転がり落ちて泣く。だから「危ない」って言っていたのにぃ・・・。
って、ADHDっ子にはしかたないことなんだけどね。(苦笑)
とにかく、TDL内でリタリンを長持ちさせたかったので、できるだけ服用を遅らせ、到着直前の12時に2回目の薬を飲ませた。

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さぁ、いよいよTDL。
目の前にそびえて見えるのはシンデレラ城。たくさんの人、人、人。そして、音楽。
ウキウキした雰囲気に昇平はすっかり興奮して、「早く遊ぼう!」「ウェスタンランドに行こう!」「トゥーンタウンに行こう!」「このお店に入ろう!」「あのお店に入ろう!」・・・もう支離滅裂。(笑)
今回、お兄ちゃんは私たちと別行動をとって、友だち2人と一緒に遊び回ることになっていたので、まず、集合場所になるディズニーとミッキーの像の前まで行き、そこで夜9時半に落ち合う約束をした。
彼ももう小学6年生。遊びたいものはビッグサンダーマウンテンとかスペースマウンテンとか、スリリングなアトラクションが多かったので、もう私たちには付き合いきれないのだ。何かあったら旦那の携帯に電話を入れるよう言って、彼らと別れた。

「早く行こう!」と言う昇平をなだめながら、ワールドバザール内を引き返し、アーケードの手前、向かって左側のはしにあるメインストリート・ハウスへ。
ここはTDLの総合情報サービス施設。イベントの案内や伝言サービス、年間パスポートの発行、ガイドツアー(要予約)など、幅広いサービスを提供してくれるところなのだが、今回、私たちが一番頼りにしている『ゲストアシスタンス・カード』も、ここで発行してもらえるのだった。
奥のカウンターへ行って、係の女性に「ゲストアシスタント・カード(ちょっと名前を覚え違いしていた)を発行していただきたいのですが」と言うと、即座に「ゲストアシスタンス・カードですね。こちらは以前利用なさったことはございますか?」と打てば響くような返事。
「いえ、初めてです」と答えると、「失礼ですが、どのようにしてこのシステムをお知りになられましたか。ガイドブックか何かで?」。

・・・そう。我々がこれから出してもらうおうとしているゲストアシスタンス・カードは、手っ取り早く言えば、どのアトラクションでも通用する、ファストパス発行サービス。
向こうとしても、乱用されることには慎重にならざるを得ないのだろう。

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TDLと言えば、アトラクションの前にずらりと並ぶ長蛇の列。待ち時間が20分、30分ならばマシなほうで、人気のあるアトラクションになると、60分から120分。
私たちが見て回った中で一番人気だった「プーさんのハニーハント」に至ってはなんと150分の待ち時間だった。

でも、昇平のような多動のある子、大勢の中で並び続けるのが困難な子どもたちにとって、この長蛇の列に並ぶのは本当に辛いことになってしまう。
親も、子を並ばせ続けるために、注意し、叱りつけ、引き戻し、押さえつけ・・・最後にはパニックを起こしてわめき立て暴れる子を列に並ばせておくことができなくなって、途中で列を離れざるを得なくなるかもしれない。そうでなかったとしても、長時間並んでいるだけで親も子も疲れ果ててしまって、目的のアトラクションに入った頃には、心身共にヘトヘト、ボロボロで、とても楽しむどころではなくなっているかもしれない。
そもそも、長蛇の列に並ぶことを考えただけで「うちの子にはとっても無理だわ」と諦めてしまうことになりかねない。
実を言えば、今年の子供会の夏旅行がTDLだと聞かされたとき、真っ先に私の頭に浮かんだのは上のことだったのだ。
「お兄ちゃんと旦那で行ってもらうことにして、私と昇平は留守番するしかないだろうなぁ」と・・・。
アトラクション自体は、昇平もきっと楽しむだろうと思ったのだけれど、列に並ばせる困難が、二の足を踏ませることになったのだ。

でも、TDLにはゲストアシスタンス・カードというのがあり、それを発行してもらえば、列に並ぶことを免除してもらえる。
乱用を恐れてか、どのガイドブックにもその情報は載っていなかったけれど、同じような子を持つ親同士、口コミで情報は広まっている。
列に並ぶことを免除、と言っても、まったく待ち時間なしで回れる、というわけではない。
ちゃんとその時点での待ち時間は待つことになる。だから30分待ちの状態のところでカードを提示すれば、30分後にまた戻ってくるようキャスト(アトラクションのガイド役)から指示され、その時間まで別の場所で時間を過ごして、また戻ってくれば、アトラクションの中に入れてもらえる、というもの。
もちろん、待ち時間がない空いているアトラクションならば、すぐに入れてもらえる場合もある。
また、難聴の子、体が不自由でアシストが必要な子などにも、座席の位置など、いろいろと配慮してもらえるらしい。
何にしても、目に見て分かりにくい障害を持つ子とその家族にとっては、本当に天の助けのようなサービスと言える。

だけど、それだけに、列に並べる能力のある子ども(や大人)たちが、長蛇の列に並びたくないばかりに、障害児のふりをしてゲストアシスタンス・カードを取得して、それでアトラクションを回るようになる可能性がある。そうなってしまったら、TDLとしても、他のお客様との公平のためにこのサービスの見直しを考えなくてはならない。なにしろ、カードの発行には診断書も証明書も必要がないのだから。
だから、TDL側としても、「どこから」この情報を知ってきたのか、とても気になるところなのだろう、と思った。

実を言えば、私も、こうしてホームページにサービスの情報を載せることにはためらいがある。
常連さんたちはこのサイトの主旨をよく理解してくださっているから、そういうシステムがあると分かっても、必要がない限り、それを使おうとはなさらないはずだけれど、検索などで飛び込んでこられた方が、「これは都合の良いサービスがある」と悪用を思いついたらどうしよう、と思うのだ。
でも、一方で、確かにこのサービスを必要としている家族がいる。
その人たちのためには、情報公開は絶対に必要だと思うのだ。
だから・・・。

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これから数日間、てくてく日記では、このゲストアシスタンス・カードを使って実際にTDLを回って歩いた体験レポートを取り上げていきますが、その前に、くれぐれもお願いしておきます。
このサービスは障害児とその家族が、「一般の家族たちと同様に」TDLで楽しい時を過ごせるためのものです。
ですから、サービスの存在を知っても、必要がない限りは、絶対に使わないでください。
くれぐれも、よろしくお願いいたします。m(_ _)m

   〜以下、次回に続く〜

[01/08/26(日) 10:52]

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