昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

おたふく風邪と「共感の公式」

◎9月11日の記録

 リタリン  1回目 10:00  2回目 14:00
 デパケン  1回目 −−  2回目 −−

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昇平木曜日(6日)の夕方から熱を出し、下がったと思ったら、日曜日から左の下頬が腫れ始めた。
続いて、翌日は右の下頬も。
そう、おたふく風邪だったのだ。
予防注射は3才前にやっていたのだけれど、運動会や鼓笛の練習で疲れて扁桃炎を起こしたりしていたので、体の抵抗力も落ちていたのだろう。
まぁ、どうせかかるのならば小さいうちの方がよいわけだし、おたふく程度ならあまり心配もしないのだけれど(でも、頬が痛くてかわいそう。(^_^;) )心配なのは来週末の運動会。
今までずっと練習してきた鼓笛や競技の本番の日なので、先生も私も、出来れば早く保育園に行けるようになって、仕上げの練習をしてもらいたいところ。
元気のない昇平というのは、どうも勝手が狂うし。
うるさくたって良い、部屋を散らかしたって良い。やっぱり元気な昇平が一番好きだ。

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昨日(11日)には熱も下がり始めて、37℃台になったので、本人も楽になってきたらしい。
部屋でお絵かきをしたり、粘土遊びをしたり、ビデオを見たりしている。
中枢神経に作用する風邪薬を飲む必要がなくなったので、リタリンだけ再開した。
デパケンはある種の抗生剤などとの飲みあわせが禁止なので、小児科で、今回処方された薬の名前を確認してきた。そのいずれにも当てはまっていなかったのだが、本人があまり元気ではないので、デパケンはまだ再開していない。
今日の様子を見て、元気になってきていたら、デパケンもまた始めようと思っている。(今は朝の7:48。昇平はまだ寝ているので。)

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Mさんの掲示板こと「ことばと発達の学習室掲示板」で、最近、昇平が我を通すことが多くなったこと、それに伴ってかんしゃくや乱暴が多くなってきたことを相談した。
それに対してレスがあって、いろいろ考えさせられたのだが、一番良い方法は、本人の表面的な言葉などに左右されるのではなく、本人の本心(本当に思っていること、意志)を汲み取って、それに対処していく方が有効らしい、と分かった気がする。

例えば、彼が大事にしていたおもちゃのゴルフボールを、彼が間違って踏みつぶしてしまったとき。
お湯で温めても元に戻らず、「昇平くん、これはどうしてもダメだよ」と言ったら、昇平は怒って私に殴りかかってきた。
それを止めたら、言葉で「お母さんをやっつける」「破る」「壊してやる」と言いだし、「そんなこと言われるとお母さん悲しいよ。昇平くんを嫌いになるよ」と私が言ったら、今度は「これは誰でもない人だよ」と言いながら、母をやっつける絵を描いてきて、それを台所のあちこちに貼りまくっていた。
行き場のない気持ち、やり場のない怒りを、どうしても発散できなくて、そんなふうに形を変えて吐き出していったのだろう。
私が絵を回収して「これはお母さんのことでしょう?」と突きつけたら「違う! 知らないお姉さんのこと! こんな絵破る!!」と本当に絵を破ろうとしたのだから、そういう絵を描くこと自体、良くないことだとは分かっているのだろう。
その夜、反対側の頬が腫れ始めて熱が出てきたこともあって、夜中に昇平はうなされていた。
「お母さん、嫌い」「やっつける」「ダメ!」と言い続けていて、ああ、あの時のことを夢で思い出しているんだろうな、と、ちょっぴり辛かった。

あれを「昇平くんの大事なゴルフボールだから、どうしても直して欲しいんだね。直せない、なんて言って欲しくないんだね」という言い方で、まず昇平の気持ちを受けとめたら、あそこまで彼も反発してこなかったかもしれない、と思う。
安物だけれど、本当に大事にしていたボールだったのだもの。

遅まきながらそれに気がついて、次にはきちんと対応しよう、と考えていたら、翌々日になって、昇平がまたそのゴルフボールのことを思い出した。
「どこ? 捨てちゃった?」と心配するので、「捨ててないよ・・・大事なボールだから直して欲しいんだね」と答え、カッターナイフでボールを半分に切って、内側から直して、またテープを貼って元に戻す、というやり方ではどうか、と尋ねてみた。
それでよい、という昇平の答え。
そこで、カッターナイフでボールに3センチくらいの切り目を入れ(半分に切らなくても何とかなりそうだったので)、ペーパーナイフの先端を差し込んで内側からへこんだところを押し戻し、透明なビニールテープを切り目に貼って、元に戻した。
きれいに元通り、とは行かないけれど、昇平はそれで納得してくれた。

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「〜なので、○○なんだね」と、相手の気持ちをまず汲み取ってから、こちらの要求、こちらの意見を述べる。
これは『共感の公式』と言って、ADHD児のしつけには特に有効とされているのだけれど、確かに良い方法かもしれない。
共感することで、かえって興奮や不満が高まってしまう場合もあるような気はしているけれど、でも、とりあえず、どういう場合に有効で、どういう場合には別の手段を講じた方がよいのか、実践していく価値はありそうだ。

私は完璧な母親なんかじゃ、全然ない。
みんなと同じように、反省したり学んだりしながら進んでいる、現在進行形の母なのだ。

[01/09/12(水) 08:09]

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