昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

自己主張

◎10月12日の記録

 リタリン  1回目 8:00  2回目 12:00
 デパケン  1回目 8:00  2回目 20:00

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最近、昇平の自己主張が強くなってきている。
自分のやりたいことを明確にことばにして言い、それはできないと言われると、ものすごく怒って反発してくるようになった。私の体を押したり、叩いたり、地団駄ふんだりしながら、わめき続ける。
・・・パニックではない。それとの違いは見ていて分かる。
自分の要求が通らないことに「かんしゃく」を起こすようになったのだ。
今までなら、親から「○○しなさい」と言われれば素直に従っていたのに、今では「まだ〜」とか「やらない〜」とか答えることが多くて、そこでまた一悶着起こったりする。
遅まきながら、ようやく反抗期に入ったのだろう、と私は考えている。

昇平はずっと、ことばが遅れていた。
ことばだけでなく、精神面の発達も遅れていて、知能的には平均か平均以上なのにやることが幼く、妙に赤ちゃんぽいところがあった。
こちらの言うことがスムーズに伝わるようになってきたとき、彼が素直にそれに従ってくれることに感動したが、その一方で「この子はまだ反抗期に入っていないんだな〜」と感じてもいたのだ。普通のこの年齢の子どもなら、気の進まないことを言いつけられたら、頑として反発したり、自分のやりたいことを強く主張したりするはずなのに・・・と。

だから、最近なにかと親に逆らって自己主張するようになったことは、成長の現れなのだと思って喜んでいる。
ただ、問題は彼にはADHDがある、ということ。
自分の主張が通らなかったときのかんしゃくが普通よりかなり激しく、なかなか納得できないのだ。
普通に言い聞かせていても、なかなかおさまらない。
どうやら、保育園でも同様のようで、そこに加えて例の「泣いている子がいるとまわりの子を攻撃してしまう」というのが続いているから、かなり手を焼いているらしい。
最近では、まわりの子を叩くのではなく、つねることが多いらしい。しかも、体が大きくなって力も強くなってきているから、けっこう痛くなってきているのだ。
そうなると、まわりの子どもたちからもボイコットされてきかねないわけで、担任の先生方もかなり困っている。その都度、昇平が納得できるまで、きちんと話して聞かせて下さっているらしいが。
う〜む、どうしたものやら・・・・・・。

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昨日も、保育園の帰りの車の中で一悶着あった。
母が仕事の日だったので、迎えが遅く、昇平としてもかなり甘えたい気持ちがあったのだろう。
家にまっすぐ帰ろうとする母に「ぼく、夕ごはんにラーメンが食べたい。おかあさん、スーパーに回ってラーメンの材料買おう!」と言いだしたのだ。(そう、今はもうこのくらいのレベルの会話ができるようになっています。)
ところが、今日はおばーちゃんが休みだったので、母の代わりに夕食の準備をしてくれている。そこで
「今日はもうおばーちゃんが夕御飯を作ってくれているから、明日、保育園の帰りにスーパーで買い物して、明日の夕御飯にラーメンを作って上げるね」と答えた。
ところが、昇平はなんとしても納得できない。「ぼく、ラーメンが食べたいよぉ!!」と何度も叫びながら、後ろから母のいる運転席をドンドンと蹴飛ばし始めた。
はっきり言って、とても運転しづらい。そう言って「やめてちょうだい」と言ったが、聞くはずもなく、さらにかんしゃくは強まるばかり。
とうとう、私は車を道路わきに停めて「ラーメンは明日の夕方にします。昇平くんが今夜ラーメンを食べる、と言い続ける限り、お母さんは運転しません。」と宣言して、後は黙って座り続けた。

昇平はますます椅子を蹴る。わめく。さわぐ。
それにつられてこちらが怒りだしたら、こちらの負け。
ぐっと堪忍袋の緒を太くして、知らん顔で座り続けていた。
すると、昇平「お母さん、なんで何も言わないんだよー! なんかしゃべってよー!」と言い出す。でも、ラーメンもやっぱり諦めていない。
そこで、ようやく口を開いて、家でおばーちゃんが一生懸命夕食を作ってくれていること、昇平くんにも食べさせたいと思って作っていること、昇平がひとりだけラーメンを食べたら、おばーちゃんがガッカリして悲しくなること・・・を言い聞かせ、だから、明日の夕食をラーメンにしよう、と話した。
が、それでも昇平は今夜ラーメンを食べたい、と言い張る。
これは長期戦もやむなし。私は「わかった、じゃ、このままずっとここにいて、おうちには帰らないことにしよう」と言うと、道路わきの駐車場に車を乗り入れた。・・・道路の端に停まり続けていては、他の車の通行にちょっと邪魔になっていたので。(^_^;)
すると、昇平、これは母も本気だ、と思ったのか、あわてて「ぼく、家に帰る! 昇平くん、おうちに帰るよ!!」と言いだした。「ラーメン我慢できる?」と聞くと、「できる」と答える。「明日の夕食でいい?」と確認すると「いい」という返事。「それじゃ、車を走らせて、おうちに帰ります」と言って、私は車をまたスタートさせた。
その後は、もうラーメンを主張することもなく、途中のコンビニでおやつを買って、落ちついて帰宅したのだった。

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これから、こういう場面はますます増えるんだろうな、と考えている。
それが成長の一過程ではあるのだけれど、でも、他のお友だちとの関係などを考えると、なんとかもう少し、まわりの人たちの気持ちへ目がいくようになってほしいな、と思ってしまう。
でも、それだって、一朝一夕でできるものじゃないんだよね。
こちらが、根気強く状況を説明して、相手の気持ちを代弁して、そうやって、本人が気がついていくのを待つしかないんだろう。
「子育ては忍の一字」だよなぁ・・・まったく。(^_^;)

[01/10/13(土) 07:36]

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