昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
診察日・17
◎11月8日の記録
リタリン 1回目 8:30 2回目 12:30
デパケン 1回目 8:30 2回目 19:00
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木曜日、保育園がおわってからM病院へ行った。
最近、主治医との日程がうまく合わなかったため、昇平が診察を受けたのは1カ月ぶりのこと。デパケンの量を増やしてもらってからは初めての診察だったので、私としても興味津々。
さて、変化はあったか?
前回の診察では、昇平は幼児雑誌を診察室に持ち込んで読むのに夢中で、先生が質問しても話しかけてもろくに返事をしなかった。返事をしても蚊の泣くような声で、聞き返してももう2度と言わない。「マイペースなところがまだもう少しですね」とY先生を苦笑いさせていた。
今回は、やはり、家から持っていった幼児用学習冊子を持ち込み、母から鉛筆を借りて、それをするのに夢中。ところが、Y先生に「なにやってるの?」と聞かれると、ちゃんと「おべんきょう」と答える。問題を解くのには熱中しているのだけれど、それでも先生の話しかけは聞こえていて、そのつど返事をするのだ。
これは今までの中で一番良い反応だった。
先生も「やりとりは大分スムーズになってきましたね」と感心する。
診察途中から昇平のリタリンが切れ始め、だんだん落ち着きがなくなってくる。ほんの10分くらいの間に状態像が変わってくるのだから、この変化はやはり急激だ。
診察室の中を歩き回り始め、目についた聴診器に手を出す。今日、保育園で内科検診があったらしくて、それをやるのだとシャツをめくってお腹を出そうとする。
そこで、Y先生が昇平の耳に聴診器を当てさせて心臓の音を聞かせようとすると、心臓ではなくお腹の音を聞こうとした。自分でこうしようと思ったイメージからは、なかなか離れられない。「もう少し物事が見て分かるようになってくると(つまり、場面認知がうまくいくようになると)いいんですけれどね」とY先生。
でも、Y先生と昇平がこんなにやりとりできたのは、本当に初めてのことだった。
家でも、耳が遠くてなかなか話を聞き取れないおじーちゃんには、ずっと無視が多かった昇平なのに、最近はおじーちゃんの話しかけにもきちんと反応するようになったし。
レベルとしてはまだまだ不十分だけれど、それでも認知力が伸びてきて、他人とコミュニケーションができるようになってきた、ということなのだろう。
ちょっと満足感を覚えながら、また2週間分のお薬を受け取って、昇平と帰路についたのだった。
[01/11/10(土) 05:56]