昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

着替えとリタリン

◎11月13日の記録

 リタリン  1回目 8:00  2回目 12:00
 デパケン  1回目 8:00  2回目 19:20

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前回の日記におねしょと紙おむつ(紙パンツ)の話を書いたら、さっそく療育掲示板に情報が集まりました。
普通のおねしょ用紙パンツのビッグサイズで間に合わなくなったときには、「エ○エールのスーパーBIG」。「ラ○フリー リハビリパンツのSサイズ」も、障害児を対象範囲に入れているのでウエスト50センチから対応可。
紙パンツではどうしても嫌なお子さんには、通信販売で「おねしょパンツ」というものも出ているそうです。特殊な不織布の吸収体や消臭素材でできたパッドがパンツと二重になっていて、パッドだけパンツから外せるようになっているとか。うちの昇平にも、将来役に立ちそうです。
さっそく、行きつけのスーパーやドラッグストアーで紙パンツを探しました。でも、どちらも見つからなかったので、薬局コーナーで頼んでみたところ、一箱分(2〜3パック入り)ならば注文できるといわれて、さっそく「エ○エールのスーパーBIG」を頼んできました。
持つべきものはたくさんの同胞たち。本当に助かりました。
たくさんの情報を、どうもありがとうございました。m(_ _)m

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さて、本題。

着替えは自分でできるようになったものの、とにかく時間がかかる昇平。
朝はリタリンが完全に切れているものだから、いくら工夫しても、声をかけても、励ましても、ホントに着替えが進まない。
朝7時に目を覚ましたので、『おお、今日は余裕だな』とか思っていると、いつまでたってもゴロゴロしているだけでいっこうに着替えは進まず、結局8時近くになって、母から追い立てられるように叱られて、やっと着替えをする・・・という具合。

着替えるのに時間がかかると、朝食を食べる時間が短くなる。そうすると、昇平は朝食を時間内に食べ終われなくなる。ぎりぎりまで待つので、保育園にも遅刻しそうになる。
小学校に上がったら、登校時間が早くなるから、完全に遅刻だろう。集団登校にも間に合わなくなるに違いない。
これではいけない。なんとかして、着替えがスムーズに行くようにならなくては。

というわけで、いろいろやってみた。
軽快な曲のCDをかけて、リズムに乗って着替えをしてもらおう。・・・でも、効果があったのはたった1日だけ。2日目には飽きてしまった。
お母さんが布団をたたむのと競争・・・というのも、昔は効果があったが、今は全然乗ってこない。こちらが手加減しながら昇平に勝たせていたのに気がついたのかもしれない。
時間内に着替えられたらがんばりカードにシールを貼って、一定枚数たまったらごほうびに欲しいもの(本など)を買ってもらえる、というポイントカードも、1週目はうまく行ったが、2週目からはだれてしまった。
部屋に気を引かれるものがあると、てきめんそれで遊びだしてしまうので、朝、部屋の中を徹底的に片づけておく。(実は、これをやっていたので、最近早朝ネット&日記の更新の時間がとれなくなっていたのだ。なにしろ、昇平の散らかし方は半端じゃないので。)でも、部屋に何もなければ、本人は隣の部屋から自分の読みたい本やおもちゃを持ってきてしまう。・・・まったくもぉ〜。(TT)
着替えの手順表を作って、マグネットで、今何番目をやっているのか意識させることもやってみた。効果ないわけではなかったが、それを見ること自体を忘れていることがしばしば。だいたい、着替えの手順そのものはしっかり身に付いているのだから、わざわざ手順表を見る必要も、本当はないわけだ。
もちろん、声かけはする。何度も何度も何度も何度も・・・・・・何十回も。下手をしたら、百回くらい声をかけているときもあるかもしれない。
だけど、彼の集中力は1分と続かない。パンツをはこうとして途中で途切れ、声かけされて我に返ると、せっかく途中まではいたパンツを脱いでしまったりする。
お〜い・・・・・・。(苦笑)

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もう打つ手が思いつかなくなって、とうとう、最後の手段に踏み切ってみた。
リタリンを、朝起きたときに少し飲ませてみたのだ。
これは、主治医が着替えの遅い子に勧めるやり方なのだが、リタリンは食欲不振の副作用があるので、朝食の前に飲ませることにはどうしても抵抗があって、これまでは試さないでいたのだ。
でも、昇平はごく弱い状態でリタリンが効いているときには、食欲までには影響がでない。むしろ、集中力が増すので、食事に専念できて、いつもより食べるようになったりするくらい。
そこで、一度に飲ませるリタリンの約1/3量をティースプーンですくって、起き抜けの昇平に飲ませてみた。昇平のリタリンは、一回に7.5mgだから、2mg強飲ませたことになる。
でも、昇平は今朝は特に眠そうな様子だったので、効果が出るかどうかは不安だった。
とにかく、ムダかもしれないと思いながらも、音楽のCDをかけ(「クレヨンしんちゃんテーマソング集)、私は隣の部屋に布団をたたみに行った。

すると、まもなく昇平がパンツにはきかえた格好で飛び込んできた。「おしっこ!」
自分から着替えを始めていた? 自分でおしっこが近いと自覚して、間に合うようにやってきた??
その間、薬を飲ませてから、わずか5分。劇的な変化だった。
昇平の目の輝きが違う。顔つきが違う。
「時間までに着替えるとシールがもらえる?」と自分で言いだし、ごほうびの雑誌を買ってもらうのだ、と言いながら、せっせと着替えを始める。
本やおもちゃに気が散ることもない。
私はただ、時々、ひとつの作業が終わったときにボーっとしたら、声をかけて、意識を引き戻してあげることだけ。それも、10回に満たなかったと思う。

結局、時間までに着替えが終わり、シールを貼ってもらった昇平。気をよくして、そのまま朝食もせっせと食べ、これも時間内に食べ終わってしまった。やはり、食欲には影響が出なかった。量が少なかったからだろう。
昇平をせかしたり、叱ったりする必要がなかったので、私も自然とニコニコ顔。昇平にかける声も、ひとりでに優しくなる。
母がニコニコになると、昇平もニコニコ。
ふたりでニコニコしたまま、保育園へ登園となった。

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なんだか、涙が出そうだった。

あれほど、あれほど、あれほど工夫して苦労して努力して、それでも達成できなかったことが、ちょっとお薬を先取りしただけで、こんなに簡単に達成できるようになってしまった。
いや、いろいろと工夫したことに、昇平が「乗れるようになった」と言った方がぴったりか。

きっと、今まで昇平はすごく辛かったんだろうと思う。
やろう、やろうと思うのに、どうしてもそれができないでいたのだから。
成功の体験を積ませることが何より大事だと思うのだけれど、そのための足がかりを、お薬が作ってくれたという気がする。

薬を飲ませればそれだけでもう大丈夫、とは私は絶対に言わない。
まずは、その子に合わせた対応の工夫を考えることが、一番大事だと思っているから。
でも、子どもによっては、どんなに工夫しても努力しても、その努力に見合うほどに変わることができない子たちもいる。
そんなときの手助けがお薬にできるならば、薬は上手に活用するべきだろう。
私はそう思っている。

[01/11/14(水) 10:48]

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