昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

保育参観と「ぼんやり」

◎12月9日の記録

 リタリン  1回目 8:30  2回目 12:30
 デパケン  1回目 8:30  2回目 19:00

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まずは、土曜日にあった保育参観の様子から。

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昇平の通っている保育園では、1学期に1回ずつ保育参観がある。(3学期はお遊戯会を参観。)
働いている親たちに合わせて、参観日は必ず土曜日。今回は、子どもたちが給食を食べている様子も見学することができた。

さて、朝10時に保育園へ行くと、年長の子どもたちは教室の隣のお遊戯室に集まっている。頭には紅白帽ならぬ青黄帽。それで色別に2チームに別れて、室内ドッジボールをしよう、というわけなのだ。
小学校低学年では「転がしドッジボール」というのが主流だが、保育園のは、本当に球を投げて当てるもの。ただ、ボールが柔らかいからか、顔に当たっても誰も泣いたり怒ったりしない。球を投げたり、追いかけたり、逃げ回ったり・・・にぎやかにぎやか。
昇平は、というと、コートの最前列にいて、目の前にちょうど転がってきたボールを拾って、敵にぶつけていた。それも、ゲーム開始わずか5秒後のこと。あまりの早業(?)に、思わず眺めていた親たちから「おお〜」と声が上がった。私もビックリ。
その後、昇平は試合の中盤までコートに残っていたが、そのうちにボールに当たり、審判(先生)熨斗時に従って外野に出ていた。
なにぶん、小さな子どもたちの試合なので、ボールを持ったほうが優勢。昇平のチームはどんどん人数が減り、最後には体が大きくて機敏な男の子がひとりで逃げ回っていた。たっぷり5分近く逃げ回っていただろうか。とうとう敵ボールに当たって試合は終了となった。
敵チームが万歳をする様子を見て、今一おもしろくなさそうな顔つきをしていた昇平。ふ〜ん。ちゃんとルールも勝ち負けも理解しているんだぁ。
母は、ちょっと感動してしまったのだった。

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ところが、そのあとのお集まりで皆で歌を歌う番になったら、昇平は全然歌に関心を示さない。
いや、一応歌ってはいるのだ。
しかし、ぼーっとしていることも多く、歌に合わせて手遊びをすることも少ない。
時々、ならんでいる親の方を見ては、ひきつったように笑って見せたりして。う〜ん。緊張しているんだな。(苦笑)
とはいえ、あまりにも歌の時にぼーっとして見えたものだから、ちょっと気になった。

その後、今度は先生が手作りの絵カードを見せながら、お正月について説明。ここでも昇平はぼんやりしている。
普段なら、絵カードとかは大好きで、描いてあるものを見ては、声を上げて読んだりしゃべったりしそうなものなのに・・・。
いったいどうしたんだろう?
先ほどのドッジボールでの様子と大分違って見えたので、とても気になってしまった。
まわりの子どもたちが、皆きちんと先生の話に集中していたのものだから、なおさら気になったのかもしれない。年長さんともなると、参観日にはきちんとしなくちゃいけない、という考えが働くようになるのだ。

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次は製作。
先生が準備してくれた紙製の羽子板に、自分で好きな模様や絵をつけ、お友だちと羽子板遊びをしよう、というもの。
ここでは昇平も張りきって作業していた。
例によって、色画用紙でカービィを作り、型抜きパンチャーで抜いたチョウや花の色紙をカービィの上に散らして、なかなか賑やか。
少し前まで、カービィの絵を描いていたのは昇平くらいのものだったのに、今回見ていたら、かなりの子たちがカービィを作っていた。昇平のグループでは4人中3人までがカービィ。それもこれも、テレビアニメでカービィが始まったから。テレビの影響力って、すごい。

羽子板ができたところで、くじをひき、同じ番号の人同士が組になって、先生から風船で作った羽根を受け取り、お遊戯室ではねつき遊び。
昇平は2番だったが、同じ番号だった子が仲のよい男の子だったらしく、すごく嬉しそうな顔をしながら「○○く〜ん!」とその子のところに飛んでいっていた。
そして、二人で羽根を受け取ると、走ってお遊戯室へ。
追いかけていって見たら、仲良くはねつきをやっていた。

とはいえ、昇平はあまりはねつきがうまくない。テニスで言うところのラリーにはならないのだ。
時々、気がそれてぼんやりすることもあったけれど、そのたび、お友だちに声をかけられて我に返っていた。最後には、床の上をゴルフよろしく羽根を転がしながらラリーしていたので、思わず笑ってしまった。

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給食の様子は、家庭とほぼ同じ。
時間がかかる〜、かかる〜、かかる〜。(苦笑)
ご飯をまず食べてしまい、それから好きなおかず(今回は白身魚の天ぷら)を平らげ、茹でたブロッコリーは母に言われてしぶしぶ、本のちょっぴりだけ食べ、煮物の野菜は小さなかけらを一個ずつ(でも、時間があったらもう少し食べたかも)、みそ汁は時間切れになったこともあって、母が代わりに食べた。
とにかく、好きなものを食べるのは早いが、嫌いなもの、苦手なものになると、やたらと時間がかかってしまう。
もちろん、食べ終わりはクラスで一番遅かった。(^_^;)

最後に、お集まりをして、さようならをしたら、親と一緒に帰宅。
昇平も母と一緒に帰ったが、帰り道「保育参観、楽しかったね」と言っていた。

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明けて、日曜日。
先週に引きつづき、スケジュール表を作って一日を過ごしてみる。
なかなか良い手応えだったので、これからしばらく続けてみようと思って、百円ショップからホワイトボードも買ってきた。

しかし、それはよいのだが、日中、昇平がなんだかぼーっとして見えるのが気になった。
ちょうど、昨日の歌の時と同じような感じ。目に輝きがない。
一緒に松ぼっくりとドングリを拾いに行って、ミニツリーやミニリースを作ったのだが、そういうときにははっきりしていた。最近お気に入りの折り紙も、夢中でやっていた。
ところが、時々、ぼんやりした顔つきをしていて、こちらの言うこともあまり理解できていないような時がある。
昨日のこともあったので、すごく気になった。
思わず、おでこに手を当ててみたが、熱があるわけではなさそうだった。

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・・・で。
心配だったので、今日の午前中、M病院へ行って主治医に相談してきてしまった。
一連の様子を話したところ・・・・・・なんと主治医に言われたか、皆さまには想像がついただろうか?
「お母さん、それは昇平くんが疲れていたんですよ」

一瞬絶句。

「保育参観があったわけだし、お友だちとも今までよりも関わりが深まってきているわけだし、いろいろな場面で、昇平くんは今までよりずっと頑張っているわけですよ。疲れちゃったって、無理はないでしょう。自分でぼーっとしてリラックスしていたんですよ」

あうあうあう。

「お母さんとしては、まわりのお子さんのようにきちんと参加してほしいとか、もっと頑張ってほしいとか思われるでしょうけれど、本人は自分の力の120%とか、130%とか出して頑張っているわけですよ。しかも、それをお母さんが喜んで誉めてくれるものだから、なおさら頑張っちゃう。だから、疲れたって当然なんですよ。時々は、マイペースにさせて休ませてあげないとね」

はい〜、ホントにもう、おっしゃるとおりです〜・・・!!! m(_ _)m

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確かに、昇平の社会性は以前よりずっとのびていた。お友だちに自分から話しかけていたこともある。皆と一緒に楽しそうに遊んだり勝負したりしていた。状況判断の力も、以前よりは伸びてきている。時間はかかったが、お弁当を持ってきて包みを外しておくことを、自分からまわりを見て気がつくことができていたし。
そんな生活は、本人にとっては、本当に大変で疲れることなのだろう。
そういえば、冬になって始まったマラソンにも「疲れた」を連発しているという。
精神的な疲れが肉体的疲れにもなっているのかな。
うん、精一杯頑張っているんだね。
だったら、時々ぼーっとしていたって、それは心配しなくていいんだね。

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療育に熱心になってくると、こういう、親として当たり前の判断ができなくなってくることがある。
前の日に参観日や運動会があって、翌日、子どもがぼんやりしたり、ゴロゴロしていたら、普通だったら「ああ、疲れているんだね」と気がつくだろうに。
基本は、普通の親と子。
普通の子育てがすべてのベースのはずなのに。

もっと、ゆとりを持って昇平に接しなくちゃ、と母は深く深く反省したのだった。

[01/12/10(月) 14:45]

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