昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

入学に関する相談会

◎12月12日の記録

 リタリン  1回目 8:30  2回目 12:30
 デパケン  1回目 8:30  2回目 19:00

   ☆★☆★☆

昇平の入学に関する審議会で、情緒障害児学級を勧める決定を出してきたことは、先日の日記に書いたとおりだったけれど、この日、それに関する説明と相談会があった。
本当は旦那も行きたがっていたのだけれど、どうしても仕事が抜けられなくて、私だけが出席。
役場に出向き、会議室で町の教育課の方々と面談。・・・実は、その中のひとりはうちの親戚。面談と言うよりは、雑談に近い場面も。(笑)

初めに、審議会のメンバーの名簿を見せてもらってから、審議会の決定通知書というのを見させてもらった。
うろ覚えなので、正確な文面ではないけれど、ここに再現してみると

『朝倉昇平さんは、発達に偏りがあるものの、知的に大きな遅れは見られません。しかし、主治医からADHDに加えて自閉傾向もあるという診断を受けており、大人数の普通学級で教育を受けるよりは、少人数での対応ができる情緒障害児学級への入学が適当と判断されます。』

という内容のものだった。
お〜、さすがによく分かってるじゃん。私が書いても、きっとこうなったぞ。(爆笑)

   ☆★☆★☆

昇平は、真の意味で自閉症ではない、と今でも私は信じている。
主治医の見解も同じ。昇平のWISC-R発達検査を担当した心理士も同じ意見。
しかし、彼の現在の状態を表すにはADHDという診断名だけでは不十分で、そこにプラスαになっている部分を説明するのに一番適当な表現は・・・と考えると、いわゆる「自閉傾向」という名称が一番ふさわしいように思えていたのだ。

実は主治医は「自閉傾向」という名称を使ってはいない。「自閉症のような特徴もある」と表現しているのだが、まあ、一般的に通りやすいのは、昔から使われている「自閉傾向」ということばなので、私としても、この通知書の表現に特に不満はない。
とにかく、昇平を「自閉傾向があるADHD」と捉えてもらえれば、対応としては、まず外れはないはずなのだ。・・・ちょっとくらいは、ズレがあるかもしれないけれど。
昇平の小学校入学に際しては、昇平のプロファイルを作って、そこに「自閉傾向がある」と書こうと思っていたのだが、これでその手間が省けた。(笑)

   ☆★☆★☆

さて、会議室に戻って、教育課の方のお話。
「親御さんとしても、いろいろご都合はおありでしょうが、お子さんのことを一番に考えてあげて欲しいと・・・」
要するに、世間体とかにとらわれないで、審議会の決定に従って、情緒障害児学級に入級してほしい、という話。
私が、就学時検診の時の様子や昇平の自立のことを考えて、そうしたほうが良いだろうと思っているけれど、一度実際の教室を見学させてもらってから決定したい、と答えると、「そうやって実際に見学なさって、自分のお子さんより症状の重いお子さんがいたりすると、自分の子どもはそこまで重度じゃないから、と入級をお断りになられる親御さんもいらっしゃいまして」とことばを濁す。
え〜と・・・そういうレベルの話をしているんじゃないんだけどなぁ。(^_^;)
とか思っていたら、うちの親戚様がフォローしてくれた。「玲さんはこれまでにずいぶん勉強されてきて、この結論に至るまでにもいろいろ悩んで葛藤して、その上で出した結論ですので、見学させても大丈夫かと思いますよ」
親戚様は、私のホームページも読んでくれているので、そのあたりのことはツーカー状態。おかげで余計な説明に労力を使うこともなく、こちらの意図を汲んでもらうことができた。
結局、その場で情緒障害児教室の見学許可も取り付けてもらえたし。感謝です、親戚様。m(_ _)m

とはいえ、そういった教育課の方々の反応を見ていると、普通、親に障害児学級入級を決意させるのがいかに大変か、というのがよく分かる。
毎年、この季節には本当に苦労されているんだろうなぁ。

   ☆★☆★☆

町の情緒障害児学級の現状もいくらか聞くことができた。
詳しいことは、見学して直接担任の先生から聞こうとは思っているのだが、今現在、情緒障害児教室の生徒は3名。教室は一昨年に設立されたばかりだという。
とすると、昇平が入級するときには3年目。
ある程度、特殊学級としてのノウハウもできてきたところだろうから、悪くはないかも、なんて姑息なことも考えてしまう。(笑)

しかし、来年昇平がそこに入るとすると、担任1人に対して生徒が4人。しかも複式。
確認してみると、昇平以外にも入級しそうな子どもがいそうだという。
どう考えても、ひとりの先生が見られる限界を超える。生徒数が8名を超えれば2クラスに別れるらしいが、それ以前に、指導が困難をきたすのは間違いない。
というわけで、昇平以外にも入級者が出てきたときには即、加配の申請を出してもらえるように要望した。3学期中に申請を出せば、うまくすれば、4月の入学時には加配の先生とのTT制が実現するだろう。
実際のところ、学校側からもそういった要望は出ていたらしいが、親からも要望が出たということは、たぶん、かなりの力になるのだろうと思う。「自分たちがいくら要求しても、行政は『予算が』とか言ってなかなか動かないけれど、親からの要望があると行政は動くのよ」と、昔、通っていた子育て支援センターの先生も言っていたことだし。

   ☆★☆★☆

また、現在通ってSST(ソーシャルスキルトレーニング)を受けている、ことばの教室のことも聞いてみた。
やはり、特殊学級入級と同時に、ことばの教室への通級も終了になってしまうらしい。
ちなみに、この特殊学級入級を断って普通学級に進んだときにも、やはり、ことばの教室は終了してしまう決まりになっているらしい。これは、ことばの教室開始時に、担当のO先生から聞いた話だったが、確認したら、やはりそうなのだという。
つまり、入学審議会で特殊学級入級の通知を受けたら、それで自動的に、来春からのことばの教室の指導が打ち切りにされてしまうのだ。

もちろん、絶対にそれが正しいわけではない。
しかし、地域のことばの教室がそこ一箇所なうえに、最近ではことばの指導だけでなく発達障害を抱えている子どもたちの療育の場にもなっているために、常に教室は満員状態。空きが出るのを待機している子どもたちがたくさんいるのだから、そうやって特殊教育の恩恵(?)に預かれる人たちには抜けていってもらおう・・・という考えなのだろう、と教育課の方々の説明。
ことばの教室を増設するにしても、そうすぐにできる話ではないし。
しかし、それに関しても「今後、特殊教室に進んでもことばの教室の指導を受けられる方向で、上に働きかけていきたいと思います」と言ってくれた。
財政やことばの教室の現状を考えれば、本当に、今すぐの実現が不可能なのは私にも分かる。
そこで「うちの子どもには間に合わないかもしれませんが、これから、そのあとに続く子どもたちがいますので、どうかよろしくお願いします」と答えた。

本当にね、療育に関しては本当にまだまだ、と言わざるを得ない現状だけれど、そうやって少しずつでも変えていける方向へ働きかけていかないとね。
そうやって働きかけてくれた先輩の親たちがいたからこそ、一昨年には情緒障害児教室というものもできたわけだし。

   ☆★☆★☆

というわけで、その場で特殊学級入級の同意書というのを預かって、相談会は終了した。
時間にして45分くらい。
帰ってから、夜旦那とも話をしたが、やはり実際の教室の様子を見学してから同意書に記入しよう、ということになった。
昇平の現在の状態を考えれば、特殊学級のほうが絶対に良いだろう。それは確かだ。
それでも、やっぱり実際の教室をこの目で見てから、決定したいと思うから。

来週早々に、教室を見学することになっている。
どんな様子なのか、とても楽しみだったりもする。(*^^*) <実は授業参観大好き♪

[01/12/14(金) 05:39]

[表紙][2001年リスト][もどる][すすむ]