昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

スケジュール表の効果

◎1月13日の記録

 リタリン  1回目 9:00  2回目 13:00
 デパケン  1回目 9:00  2回目 19:00

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去年の12月25日の日記にも少し書いたが、今、昇平はホワイトボードのスケジュール表を活用している。
油性ペンで「月・日・曜日」と時間軸を書き込んであるので、毎日そこにその日の予定を専用ペンで書き込んでいくのだ。
ホワイトボードは百円ショップで調達したものだが、じゅうぶん使える。イレイサー(ボード消し)はないけれど、それもティッシュで拭き取ればいいだけのことだし。(笑)

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さて、かれこれ1ヶ月ほどスケジュール表を使ってみたが、「やっぱり、とても役に立つ」と感じている。
その日の出来事や行動の見通しが立つようになって、昇平は目に見えて安定してきた。
今まで、非日常的なことが多くて混乱が多かった休日にも、スケジュール表があると、かなり落ち着いて過ごせるようになった。

正月は行事が多かったので、それに関するコメントも、ボードの空白部分に書くようにしてみた。
たとえば、「きょうは、ななくさがゆの日です。ななくさがゆをたべると、ことし一年、かぜをひかなくなるといわれています。」なんて感じに書き込んで、周りを枠で囲んでおくのだ。ついでに、小さなカービィのイラストも描き込んだりして。(笑)
お粥が嫌いな昇平なのだが、その日の朝は、しかにもおいしそうに七草粥を食べた。鏡開きのときも、同様に理解して、しっかりと行事として理解しながら餅を食べていた。
ボードには、こんな活用法もあるんだな、と感じている。

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この週末、昇平は風邪から熱を出し、熱はすぐに引いたものの、家の中でおとなしく連休を過ごしている。
ところが、どういうわけだか、いやに物わかりがよいのだ。

朝食後にごほうび(甘いおやつ)を欲しがったので「今は風邪をひいていて、お腹の調子が良くないから、ごほうびはやめておこうね」と言い聞かせると、「はーい」と素直に二階に向かう。その途中でおばーちゃんに「昇平くんにいいものが買ってあるよ」と呼び止められると「ぼく、いらなーい」とあわてて階段に向かおうとする。
ところが、おばーちゃんが渡してくれたのが新しい落書き帳だと分かると、なぁんだ、という顔をして「おやつじゃなかったのか」とつぶやき、大喜びでそれを抱えて二階に上がっていった。
それをわきで見ていた私とおばーちゃんは、その反応のあまりにまともなのに、思わず顔を見合わせて感心してしまったのだった。

午後には母と一緒にチーズケーキを焼く予定もしていた。
スケジュール表にもしっかりそう書いておいたので、階段の下から「昇平くーん」と呼ぶと、お兄ちゃんたちのいる部屋からぴょこんと顔を出して「なにー?」と返事をした。
・・・・・・なにー???
今まで、昇平がそんなふうに「何の用?」という聞き方をしてきたことは、なかったような気がするぞ。
「チーズケーキを作るよ」と呼びかけると、すぐに「うん」と下りてきたが、手始めにバターをナイフで切り分けるのを手伝うと、「おれさまは(最近、時々こんな言い方をする)は、あとはもう終わり。お兄ちゃんとお友達のところに行く」「行ってもいいですか?」と聞いてくる。
ほよ〜・・・( '_';)
即座に「お兄ちゃんたちと遊びたいんだね。うん、行っていいよ」とは答えたが、昇平のものの考え方、判断のしかた、話の内容に、すっかり感心してしまったのだった。
なんだか、ものすごく「まとも」だぞ。(笑)

夜、母が家庭教師に出かけている間は、階下の茶の間で折り紙をしながらおとなしく待っていた。
その晩は、たまたまおばーちゃんが外泊で、おじーちゃんしかいなかったのだが、まるで平気でおじーちゃんと一緒に過ごしていた。これも実は、ほとんど初めてのこと。
母が帰宅して茶の間をのぞくと、「ぼく、折り紙してたの」と言いながら、あっちへ行っていいよ、と言うように、母の体を押し返してきた。
おじーちゃんとも一緒に留守番できるようになってきたんだね。う〜ん。大人になったなぁ。

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もちろん、これらの変化は、年齢的な成長によるものが大きい。
ただ、スケジュール表でその日の出来事や行動をあらかじめ知らせておくことが、この成長をサポートしているんじゃないか、という気がするのだ。

スケジュールが分からないときには、次になにが起こるか、次に自分がなにをすることになっているのか、それを知るためにかなりのエネルギーが必要になるの。だが、それが目に見える形で書き出されていると、その分のエネルギーを他のことに回せるようになり、その結果として、さまざまな理解や応用の力が伸びていく・・・のではないだろうか?
それに、スケジュール表に文字で書き出してあると、今現在、目の前で起こっている出来事が、ひとまとまりで把握できるようになって、その中の因果関係が理解できるようになってくる。
最終的には、やっぱり、自分で理解したり判断したりする手助けになっているようなのだ。

「昇平くんには音声指示だけでなく、視覚的補助も積極的に行うと良いでしょう」とは、昇平に関わる専門家が口をそろえて言うことだけれど、それはこういうことなのだろうな、と思って見ている。

[02/01/14(月) 11:02]

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