昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

ことばの教室・5

◎2月23日の記録

 リタリン  1回目 7:30  2回目 11:30
 デパケン  1回目 8:00  2回目 19:00

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木曜日に、ことばの教室へ行って来た。
5月から通い初めて、すでに9ヶ月。昇平もすっかり教室になれて、毎回楽しみに通っている。
前の日に「明日はことばの教室だよ」と教えると、「わーい」と歓声を上げて喜んでいる。

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昇平のことばの教室での指導は、ソーシャルスキルトレーニング(社会性の技能訓練)がメインになっている。
内容は、毎回ゲーム。それから、紙芝居やお絵かきが入ってくることが多い。
先生と一対一であれこれ会話しながら、その日のプログラムを決め、時間を決め、それを紙に書き出して取り組んでいる。
とはいえ、内容は遊びそのものなので、本人には「取り組んでいる」とか「学習している」という意識はあまりないかもしれない。

この日は、お絵かきと紙芝居と動物ビンゴゲームとパズル、というプログラムに決まったようだった。
金銀の入っている24色入り色鉛筆を出してもらって、ご機嫌の昇平。
でも、先生に「金と銀はあまり使わないで。減っちゃうから」と言われて不満顔になる。本人は珍しい金と銀でお絵かきしたくてしかたなかったのだ。
それでも、「1回ずつなら使って良い」ということになって、お絵かきが始まった。描くのは、相変わらずカービィ。(笑)
途中、先生が用事でほんのちょっと席を外した。
先生が戻ってきてみると、画用紙の上に、金と銀のカービィが増えて、2つずつになっていた。
すかさず、先生が大声を上げた。
「昇平くんは約束破った〜! 金と銀、1回ずつって言ったのに、2回も使ったじゃないの!」

もちろん、これは本気で怒っているわけではない。
わざと本人には難しい約束をさせて、それを破ったときに「同年代のお友達なら」どう感じるか、どう反応するかを、再現して見せてくれているのだ。
昇平は即座に「ごめんなさい」と言ったけれど、先生はなかなか許してくれない。しまいにはべそをかきながら謝って、やっと許してもらえた。(笑)

ところが、そこで時間がかかったので、お絵かきの途中で終わりの時間になってしまった。「もっと描く」と言う昇平と「約束の時間だからやめてください」と言う先生の間で、また一悶着。
昇平が先生に対して「やっつけてやる」「殺す」と言ったものだから、またまた先生に怒られてしまった。
「昇平くんがひどいこと言った。え〜ん!」と先生が泣きまねすると、「泣かないでください〜」と言って昇平は本当に泣き出してしまった。・・・他人が泣くのに弱いのよね。(苦笑)
結局「ごめんなさい」を言って、最後のパズルの代わりにお絵かきをすることで話は決まったけれど、その後もしばらく昇平は涙を拭き続けていた。

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昇平は人と関わることがうまくない。
相手の気持ちがまだ読めないし、目で見たものから状況を判断するのも苦手だし、ことばで自分の気持ちなどを伝えることも、相手の話を理解することも上手ではないからだ。
だから、友だちと関わっていても、相手から思いやってもらっていることが多い。「昇ちゃんなら、できなくてもしかたないか」という感じで。
それは家庭でも同じで、まわりにいるのが自分よりずっと年上の家族ばかりだから、やっぱりいろいろな場面で大目に見てもらえていることが多い。
だからこそ、対等な立場で関係を持つとどうなるのか、自分はどうしなくてはいけないのか、そこのあたりを意識的に教えてもらう必要が出てくるのだ。
ことばの教室の指導は、昇平にとってとても有意義なものになっている。

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昇平は紙芝居の間に気持ちが落ち着いたようで、動物ビンゴゲームもまずまず順調にできていた。
自分が負けても怒らなくなったのは進歩。
家庭でも、「寿司ジャン」という麻雀ゲームで遊ぶことが多くなったのだが、ルールを守って一緒に遊ぶことがだいぶうまくなってきたな、と感じている。
ルールが守れれば、一緒に遊ぶ人も楽しくなる。
楽しく遊べれば、自分も楽しい気持ちになる。
そんな経験の積み重ねが、人との関わりをスムーズにしていく元になるのだろう。
ことばの教室に通い始めるときには、単なることばの指導だけをされたらどうしよう、とずいぶん悩んだものだが、結果的には、とても良い指導を受けられたと思っている。

でも、そんなことばの教室も、あと1回の指導で終了。
情緒障害児学級の児童はことばの教室には通級できない、という決まりがあるのだ。
残念ながら我々はことばの教室を卒業して行くけれど、将来、この規約は改正されていってほしいと思う。
そのためには、もっともっと、ことばの教室や発達障害児の通級施設が増えていく必要がある。

私の力はささやかだけれど、ここで声を大にして叫んでおこう。
「発達障害児の受け皿がもっとたくさん必要です! 子どもたちが気軽に必要な指導を受けられる環境を、ぜひ整えてください! お願いします!」

[02/02/24(日) 07:58]

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