昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

初めての児童館

私は、週に2日だけだが、外に仕事に出かけている。
毎週火曜日と金曜日。昼休みが1〜2時間とれるが、朝9時から夕方6時近くまで、ほぼフルタイムで働いている。

これまで昇平は保育園だったので、何も心配がなかった。お兄ちゃんはもう大きいから、母の帰りが少し遅くても平気だったし。
ところが、小学校になると帰宅時間が早くなるので、私が仕事の日に昇平をどうするか、が一番の問題になった。

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我が家にはじーちゃんとばーちゃんがいる。
ばーちゃんはまだ現役で、毎日仕事に出かけている。
じーちゃんはもう退職して家にいるのだが、自分から「昇平を自分一人で面倒みるのはとても無理だ」と言っていた。
最近耳が遠くなってきている上に、もともと人の考えなどを読みとるのが苦手だから、発音不明瞭な昇平のことばがよく聞き取れないのだ。一方、昇平はというと、やっぱり相手の気持ちを察するとか、言われたことを聞き取る力が弱いから、じーちゃんの言っていることがなかなか理解できない。たまに2人だけで会話していると、双方が双方の言いたいことを理解できなくて、とんちんかんなやりとりになったり、じーちゃんが昇平の返事を聞き取れなくて、『この子はどうして何も答えないんだろう』と言いたげに首を振りながら昇平から離れていく・・・なんてことが、しょっちゅう起こっている。(苦笑)

とまあ、こういう状況なので、昇平を預かってもらえる場所が見つからなければ、私は仕事を辞めようとまで考えていた。経済的にはとてもきつくなるけれど、でも、いたしかたないな、と。

児童館には入館を申し込んでいたが、ADHDのある子を受け入れてもらえるかどうか分からなかったので、最悪の状況を覚悟していた。
昇平は決して他の子に危害を加えるようなタイプの子どもではないけれど、児童館も定員オーバーだと聞いていたので、きっと無理だろうと思っていたのだ。
だから、入館決定通知を受け取ったときには、逆に「えっ、本当にいいの?」と驚いてしまったくらいだった。(^_^;)

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小学校の入学式があった日の午後、晴れて児童館の入館式にも出席した昇平。いやはや、本当にありがたや。

今年新しく児童館に入った1年生は、半数近くが昇平と同じ保育園の出身者。昇平と2年間同じクラスだった子どもたちも、何人もいる。
ホールの隣の和室に上級生(2,3年生)が待機していた。そこへ昇平が入っていこうとすると、保育園で一緒だったNちゃんが「昇平くん、そっちは違うでしょ。一年生はこっちだよ」と言って、後ろから昇平を捕まえてずるずるとホールに引き戻してくれた。
でも、和室のおもちゃ目当てに昇平がまた入っていこうとすると、「だから〜、そっちはダメなんだって言ってるでしょ!」と言いながら、またNちゃんは昇平をずるずると・・・。(笑)
昇平よりずっと小柄だけれど、女の子はやっぱりお世話好き。保育園でも、何人もの女の子たちが、昇平の面倒をよく見てくれていたらしい。
時には、その様子を見ていた男の子たちが「それくらい昇ちゃんにやらせろよ〜。昇ちゃんは自分でできるぞ」なんて口を挟んだりすることもあったとか。
「ホントにお世話になりますネ〜」と思わずつぶやいてしまった母だった。(笑)

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同じ保育園の出身者が多い児童館は、昇平にとって、なかなか居心地良さそうだった。
おもちゃも本もたくさんあるし、なにより、全体的にアットホームな雰囲気が良い。
上級生から折り紙で作った首飾りと花束をもらったら、最後までそれを大事に抱えていた昇平。うん。嬉しかったんだね。(*^_^*)

入館式の翌日は火曜日だったので、さっそく昇平は他の同級生と児童館に向かったが、元気の良いお友だちに初めのうちこそびっくりしていたものの、じきに慣れて、皆と一緒に昼食のおにぎりを食べ、NちゃんやS子ちゃんたちと一緒に過ごしていたのだ、と担当の先生から教えられた。

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昇平に今、一番必要なのは、お友だちと関わること。
同年代の子どもたちと遊んだり、しゃべったり、時にはケンカしたりしながら、人との関わり方を学んでいくのだ。
自宅の周辺にはお友だちは皆無なので、週に2回でも、児童館でお友だちと関わりを持てるのは本当にありがたい。
母の仕事のために申し込んだ児童館だけれど、昇平にも、とても大事な場所になっていきそうな、そんな予感がしている。

[02/04/10(水) 11:04]

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