昇平てくてく日記
幼児〜小学校低学年編
傘の使い方
火曜日は途中から雨が降り出したので、昇平は学校の傘を借りて児童館まで歩いていった。
その傘を翌日学校に持っていったら、その傘を使って、森村先生はこんなSSTを実践してくださった。
※SST=ソーシャルスキルトレーニング。直訳すると、社会的技能訓練。
要するに、人とのつきあい方がよく分からない子どもたちを対象に、
様々な場面を想定して、なんと言ったらよいかとか、どういうルールを守るべきかとか
話し合ったり、実際に練習してみたいする社会訓練。
授業内容で言えば、道徳の時間に当たるかな〜。
以下は、連絡帳に書かれた森村先生の報告から。
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今日は、3校時の生活の時間に、昇平くんが持ってきた傘で、傘の返し方についてSSTもどき(?)をしてみました。
入学したばかりの昇平くんが、借りた傘の返し方を知らないのはもちろんですが、「これがよく分からないんだ」という意見が上級生からも出たからです。
どうやって返せばよいか、という問いに、まわりの子どもたちからはなかなか「僕ならこうする」という意見が出てこなくて、少し間があいてしまいました。ところが、それがちょうど昇平くんの考える時間になったのか、「かさを乾かす」「ふりまわさない」という意見が昇平くんから出ました。ちょっとテーマからずれてしまいそうでしたが、話し合いが広がりそうだったのでOKとしました。
傘の使い方について話し合いが続きましたが、そのうちにやはり、昇平くんが集中しきれなくなってきました。
その時、お友だちから「乱暴に使ってはだめだよね」「ていねいに使おうよ」という意見が出ました。
「らんぼうって?」という昇平くんの問いに、また間があいたので、私が傘で杖をつくような恰好をしてみせると、昇平くんの目がキラリ。「それはダメ! それは!」との発表。
続いて、Kくんが「僕だったら、それダメって教えてあげるよ」と発表しました。
当初目的したテーマからは、ずれてしまいましたが、子どもたちなりに対処法について意見が出て、今年初めての活動の割には・・・、という感じでした。
また、昇平くんには、集中の具合を見ながら、課題をカードに書くなどして明確にして、じっくり考えさせるのも良い方法なのかなぁ、と思いました。
最後に、みんなで傘が乾いているのを確かめた後、ていねいに持って、傘置き場に返しに行きました。
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昇平が「かさを乾かす」と答えたのは、前の日に母が「借りたかさはちゃんと乾かして、明日学校に返そうね」と言っていたのを覚えていたのだろうと思う。実際、玄関の外に広げて乾かしておいたし。
ちゃんと理解していたんだなぁ。(嬉しい)
SSTは今の昇平にとって、一番必要なものだと私は思っている。
保育園時代に通っていたことばの教室でも、実際の指導は、ことばの矯正ではなく、お友だちと遊んだり先生と勉強するときにはどう振る舞ったらよいか、というテーマのSSTだった。
お友だちとの関わりの中で自然と身につけていける子どもならば、わざわざSSTをする必要もないかもしれないけれど、集中力がなく注意力散漫で、まわりの様子をじっくり観察していられない昇平は、意識的に社会のルールや振る舞い方を教えてもらわないと、いつまでたっても正しいやり方を覚えられない、ということになりかねないから。
小学校に入学するに際して、ことばの教室の指導は終了してしまったのだけれど、こうして、教室で引き続きSSTに取り組んでもらえることになって、本当に良かったと思っている。
社会性は、人と人との関わりの中でしか育っていかない。家庭の中ではどうしても教えきれないことだから・・・。
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それにしても、ゆめがおか学級の森村教室。
毎日、なかなかおもしろそうです。本当に。(*^_^*)
[02/04/12(金) 13:11]