昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

初めての授業参観

小学校で初めての授業参観があった。

うちは6才上にもうひとり息子がいるので、参観そのものには慣れっこだけれど、障害児学級の授業参観となると、どんなものなのか想像もつかなかった。
何かあったときのことも考えて、少し早めに学校へ。
まるで、今年初めて子どもを小学校に上げた親みたいだなぁ。(笑)

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教室に入っていくと、黒板に子どもの字で『昇平くん入学おめでとうパーティ』と大きく書かれていて、その後にゲームや歌などのプログラムが続けて書いてあった。
そう。今日の授業参観は、なんと昇平の入学お祝いの会なのだ。

今年、ゆめがおか学級に入学した1年生は昇平ひとりだけ。
その昇平のために、情緒障害児学級である森村学級の子どもたちと、隣の知的障害児学級の清水学級の子どもたちが、担任と一緒に準備をして、パーティを準備してくれたのだった。
上級生は、両学級あわせて11人。そこに、それぞれの担任2人、プラス、子どもたちの親。
みんなが、昇平の入学を歓迎してくれた。
う〜ん、すごい! こんなことしてもらえる1年生って、なかなかいないよね!

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昇平は初め、クラスの雰囲気が違っているのに興奮して、なかなか気持ちの切り替えがつかないでいた。
昼休みに描いていた絵の続きを描くのだ、とずいぶんごねていたが、参観が終わったらね、と言い聞かせて、ようやく納得してくれた。
他にも、教室のわきにずらりと並んで座るお母さんたちにびっくりして、不安になってしまったり、興奮してハイになってしまったりした子どもたちがいたが、パーティが進むに連れて、だんだんみんな本領を発揮し始めた。

初めは、それぞれ自分で折っておいた紙飛行機を持ってきて、教室の中で飛ばしっこ。
面白いように回転したり、中には元に戻ってきたりする飛行機もあって、なかなか盛り上がる。

次は風船を使ったバレーボール。ネットは、網の代わりに長いロープを張り渡していた。
クラスの雰囲気が違っていたために、なかなか活動に参加できなかった子も、ロープの端を持つ役目について、やっと落ち着いてきた様子。ずっとその子を心配していた昇平も、それでやっと安心して、バレーボールに熱中するようになった。
何しろ、昇平は子どもの泣き顔や泣き声が大の苦手なので、悲しそうにしている子がいると、気になって気になってしかたがないのだ。(苦笑)

最後は「ロンドン橋落ちた」。
お母さんたちが手をつないで作った橋の下を、子どもたちが全速力で駆け抜けていく。
みんな元気元気。とても楽しそう!

どの子も明るいいい笑顔で、目を輝かせて活動を楽しんでいた。

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会の最後には、昇平にプレゼントが渡された。
森村学級のみんなからは、折り紙がたくさん入った大きな袋。清水学級のみんなからは、折り紙で作った綺麗な首飾り。綺麗なものが大好きな昇平は「おお♪」と歓声。(笑)
家に帰ってからも、昇平は折り紙を全部出してひとつひとつ手にとって確かめ、また大事に袋に戻してしまっていた。
最近、こんなふうに、誰かが自分にくれたものを大切にする様子が見られるようになってきた。
人の気持ちが、少しずつ分かるようになってきたのかな。
そんなところも、母としては嬉しかった。

一番最後に清水学級のみんなが「ドラえもん」の歌を歌ってくれて、お祝いパーティは終了。授業参観も終わりとなった。

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その後、親は隣の教室に移動して学級懇談会になったが、そこで感じたのは、親の理解が深いな、ってこと。
障害児を持つ親の中には、我が子の障害をなかなか受け入れられなくて、子どもを否定的な目で見てしまう人も結構いるのだけれど、懇談会に集まった親たちには、そんな雰囲気はまるでなかった。
みんな、我が子のためを思い、我が子に一番良い道を進ませようとして障害児学級に通わせているのだから、我が子の障害の「受容」は、とおの昔にクリアしてしまっているんだろう。
障害児学級というのはすごいな、と改めて感じた、初めての授業参観だった。

[02/04/18(木) 10:56]

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